大間原発建設凍結訴訟の審理状況について

2017年8月30日

大間原発の建設凍結のための提訴について

大間原発訴訟の寄附金について

大間原発に係わる主な経過

大間原発に関する事業者からの情報提供

 

平成26年(行ウ)第152号 大間原子力発電所建設差止等請求事件 東京地方裁判所 

請求の趣旨(要旨)

 

◆被告「

(無効確認)

『経済産業大臣が,電源開発株式会社(以下、電源開発)に対してなした,大間原発原子炉設置の許可処分は無効であることを確認する。』

(許可差止)

『原子力規制委員会は,電源開発が大間原発にについて,平成26年12月16日にした発電用原子炉設置変更許可申請を(函館市が同意するまで)許可してはならない。』

 

◆被告「電源開発

(建設差止)

『電源開発は大間原発を建設し,運転してはならない。』


第13回口頭弁論(平成29年8月2日 午後3時~ 103号法廷)

  •  原告は,函館地裁での市民による訴訟で実施された証人尋問の結果などから,大間北方沖には巨大な活断層が存在していることを指摘し,被告電源開発はこの存在を前提とした基準地震動の策定や施設設計をしていないことから,施設の安全機能が確保されていないことなどについて主張し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(24)
  • 原告は,大間原発敷地内にある「将来活動する可能性のある断層等」の存在を指摘し,被告電源開発は,原発の新規制規準適合性に係る審査会合でもその活動を否定できるだけの根拠を示すことができていないことなどについて主張した。(原告:準備書面(25)
  • 被告国は,設置許可基準規則の設計基準対象施設における地震などの共通要因に起因する設備の故障(共通要因故障)の防止に関する考え方を説明した。(被告国:10準備書面

 

第12回口頭弁論(平成29年4月21日 午後3時~ 103号法廷)

  •  原告は,立地審査が原子炉等規制法からも,国際的に確立した基準からも要求されていることや,福島第一原発事故によって従前の立地審査指針の解釈運用の誤りが明らかになったことなどについて主張した。(原告:準備書面(21)
  • 原告は,避難計画に関する審査を規定していない設置許可基準規則が確立された国際的な基準を踏まえていないことや,実効的な避難計画を策定することが不可能であることを立証するために,学識者1名の鑑定意見書を提出した。(原告:準備書面(22)証拠甲A41
  • 原告は,学識者の意見書を踏まえて,福島第一原発事故とその後の原子力関連法改正を踏まえた行政訴訟としての本件における司法審査の在り方について主張し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(23)証拠甲A38
  • 被告国は,原子炉において必要とされる電源と,全交流電源喪失に対する安全性に係る設置許可基準規則の内容を説明した。(被告国:第9準備書面

 

第11回口頭弁論(平成29年1月18日 午後3時~ 103号法廷)

  •  原告は,テロリズムおよび他国からの武力攻撃による原子力災害の危険性が現実的なものであること,大間原発の立地条件に基づくテロの危険性,故意の航空機衝突への対応の不備など具体的な危険性について主張した。(原告:準備書面(20)
  • 被告国は,重大事故等対策に係る設置許可基準規則の内容を説明した上で,原告がこの基準では原子力発電所の安全性は確保できないと主張するが,具体的にいかなる規定のいかなる内容が不合理か明らかにしていないことから原告の主張は失当ないし不明確であると主張した。(被告国:第8準備書面

 

第10回口頭弁論(平成28年10月18日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,原子力規制委員会が定めた「原子力発電所の竜巻影響評価ガイド」は進行する地球温暖化による竜巻規模の巨大化を考慮していない不合理なものであり,竜巻に関する被告電源開発の評価は過小であること,および竜巻によって本件原発が過酷事故を起こす危険があることを主張し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(18)
  • 原告は,電源に関する規制基準は,非常用直流電源の容量について具体的に規定していないなど,本件原発の安全確保に不十分なものであることを主張した。(原告:準備書面(19)
  • 被告国は,改正原子炉等規制法の施行に伴い制定された設置許可基準規則の位置付け等について概説するとともに,地震に関する設置許可基準の内容について説明した。(被告国:第7準備書面 

 

第9回口頭弁論(平成28年7月14日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,原子力規制委員会が定めた「原子力発電所の火山影響評価ガイド」は確立された国際的な基準を踏まえていない不合理なものであり,火山に関する新規制基準および被告電源開発の評価は過小であると主張し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(17)
  • 被告国は,原告が主張する「地方自治体の存立を維持する権利」は,憲法上制度が保障されているものであり,権利利益として保障されたものではないことから,当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争とはいえず,「法律上の争訟」に当たらないこと,および原告には被告国を訴える資格がないことを主張し,行政法学者1人の鑑定意見書を提出した。(被告国:第6準備書面

 

第8回口頭弁論(平成28年4月20日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,原子力規制委員会が策定した新規制基準および同委員会が実施する適合性審査は福島原発事故の反省を踏まえておらず,その手続および内容に問題が多いことを主張した。(原告:準備書面(14)
  • 原告は,耐震設計に係る規制規準の内容の不合理性および想定される審査の過誤,欠落について主張した。(原告:準備書面(15)
  • 原告は,高浜原発3,4号機に係る平成28年3月9日付け大津地裁決定が福島第一原発事故の教訓を踏まえて,原子力事業者に立証の責任を課し,個々の論点についても,市民一般の意志や国際的基準を踏まえ合理的な判断であることおよび川内原発1,2号機に係る平成28年4月6日付け福岡高裁宮崎支部決定は論理的に破綻しているにもかかわらず,強引に運転を是認したことを説明し,裁判所は大津地裁決定に学び,宮崎支部決定を他山の石とするべきと主張した。(原告:準備書面(16)

 

第7回口頭弁論(平成28年1月19日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,福島第一原発事故で明らかになった使用済み核燃料プール1の危険性および大間原子力発電所の使用済み燃料プールの危険性を主張した。(原告:準備書面(10)
  • 原告は,被告国が第4準備書面において原告の訴えの一部変更に対する変更後の請求の趣旨や原因に対する答弁および認否を行ったことに対する反論を行った。(原告:準備書面(12)
  • 原告は,被告国の本件訴訟における主張態度と辺野古基地建設問題2についての振る舞いとが明らかに矛盾していることを批判した。(原告:準備書面(13)
  • 被告国は,原子炉等規制法の改正の概要など,原子力発電所の規制に関する法令等の説明を行った。(被告国:第5準備書面
  • 被告電源開発は,大間原子力発電所における地震や津波などの自然的立地条件に係る安全性や福島第一原発事故を踏まえた安全確保対策などの説明を行った。(被告電源開発:準備書面4別冊

 

※1 原子炉建屋内などにあり,発熱量と放射線量が高い使用済燃料及び放射化された機器等の冷却および貯蔵を目的として設置している。

※2 沖縄県知事が国に対し平成271013日付けで,「平成251227日付け沖縄県名護市辺野古の辺野古崎地区及びこれに隣接する水域等を埋立対象地とする普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面の埋立て承認を取り消す処分」をしたことに対し,国が原告となって取消を求めた訴訟。


 

第6回口頭弁論(平成27年10月6日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,新規制基準における地震動想定手法の誤りおよび被告電源開発の地震動想定の誤りについて主張し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(9)
  • 原告は,地方自治体としての存立維持権および財産権のいずれについても法律上の争訟性および原告適格が認められることは明白であるという原告のこれまでの主張を整理するとともに,行政法学者1名の鑑定意見書を提出した。(原告:準備書面(11)証拠甲A18
  • 被告国は,第5回口頭弁論で原告が訴えの一部を変更したことについて,変更後の請求の趣旨に対する答弁および請求の原因に対する認否を行った。(被告国:第4準備書面

 

第5回口頭弁論(平成27年7月7日 午後3時~ 703号法廷)

  • 原告は,平成26年12月16日に被告電源開発が原子力規制委員会に対して大間電子力発電所の発電用原子炉設置変更許可申請を行ったことを受けて,これまでの被告国に対する大間原発の建設の停止を命ずることの義務付けを求めていたものから,訴えの一部を変更し,当該変更許可をしないように求めることとした。(原告:訴えの交換的変更申立書
  • 原告は,本件訴訟の争点を整理して主張し,争点の概要(フルMOX1の危険性,司法審査の在り方,基準地震動2の問題,活断層の見落とし,火山等)についてプレゼンを行った。(原告:争点項目表
  • 原告は,地方自治体として存立維持権および財産権のいずれについても法律上の争訟性および原告適格が認められることを立証するために,行政法学者3名の鑑定意見書を提出した。(原告:証拠甲A13証拠甲A14証拠甲A15
  • 原告は,函館市町会連合会が大間原発の建設凍結を求め国へ提出した署名書(署名総数146,184名。その主な内訳は,函館市民269,000人のうち約96,000人,北海道内の各町内連合会,医師会等248団体,函館市以外の国民約5万人など)を証拠として提出した。(原告:証拠甲A16
  • 被告国は,原告の請求の趣旨に対する本案の答弁および請求の原因に対する認否を行った。(被告国:第3準備書面

 

※1 通常の原子炉はウラン燃料を使用するが,大間原発では非常に毒性が強いプルトニウムとウランとの混合燃料(MOX燃料)を全炉心で使う世界初のフルMOX原子炉。

※2 基準地震動は,全国一律に定められているものではなく原子力安全委員会の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」に基づき,各電力事業者が策定する耐震設計の基準となる地震動の想定。


第4回口頭弁論(平成27年3月19日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,被告国が第1準備書面において当方の訴えの一部は「法律上の争訟」に当たらないことや被告国を訴える資格がないことを主張したことに対して反論し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(6)
  • 原告は,被告電源開発の準備書面2において当方の訴えは,権利内容が不明確かつ未成熟の状態にある権利に基づくことから却下されるべきと主張したことに対する反論を行った。(原告:準備書面(7)
  • 原告は,請求の趣旨それぞれにおける争点を整理するための上申書を提出した。(原告:上申書
  • 裁判所は,第5回口頭弁論以降,原告適格など本案前の審理の判断を留保し,原発の安全性についてなどの実質的な審理に入る方針を示した。

 

第3回口頭弁論(平成26年12月25日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,被告電源開発が準備書面1において大間原子力発電所の概要や工事の現状・安全強化対策などを説明したことに対して認否1反論を行った。(原告:準備書面(3)
  • 原告は,高浜原発3,4号機に係る平成261127日付け大津地裁決定2は再稼働によって住民らの人格権が侵害される危険性を認めたに等しいものと言えることについて説明した。(原告:準備書面(4)
  • 原告は,原発の耐震設計上の問題点について主張した。(原告:準備書面(5)
  • 被告国は,原告が国の訴えの却下を求めたことに反論した第2準備書面に対して,原告の訴えの一部は「法律上の争訟」に当たらないこと,および原告には被告国を訴える資格がないことを主張した。(被告国:第1準備書面
  • 被告電源開発は,原告の訴えは,権利内容が不明確かつ未成熟の状態にある権利に基づく請求であることが明らかであるから,このような訴えは却下されるべきであると主張した。(被告電源開発:準備書面2 

 

 ※1 認否とは,相手方が主張しているそれぞれの内容に対して,「認める」,「否認する」,「不知」などと応答すること。

 ※2 住民らの指摘した原発の危険性を裁判所は認めたにもかかわらず,原子力規制委員会が,いたずらに早急に,新規制基準に適合すると判断して再稼働を容認するとは到底考えがたいとして,「保全の必要性はない」とした判決。

 

第2回口頭弁論(平成26年10月29日 午後3時~ 103号法廷)

  • 原告は,被告国が訴えの却下を求めた答弁書に対し,法的にも訴えの資格があることについて反論し,プレゼンを行った。(原告:準備書面(2)
  • 原告は,被告電源開発が答弁書および準備書面1において原告の請求が請求権としての適格を欠くとの主張について,請求のどの部分が適格を欠くのか明らかにするよう被告電源開発に対し釈明を求めた。(原告:求釈明書1
  • 被告電源開発は,大間原子力発電所の概要,建設工事の現状および運転開始に向けたこれからのプロセスについて説明した。(被告電源開発:準備書面1別冊

 

※1 求釈明は,事実関係や法律関係を明らかにするため,当事者に対して事実上あるいは,法律上の事項について質問を発し,または立証を促すことを裁判所に対して求めること。

 

第1回口頭弁論(平成26年7月3日 午後3時~ 103号法廷)

  • 市長が,大間原子力発電所の建設差止め訴訟に至るまでの経緯および地域の人々の思いについて意見陳述を行った。(原告:意見陳述
  • 原告は,大飯原発3,4号機に係る平成26521日付け福井地裁判決1について説明し,同判決の考え方を福島原発事故という悲劇を経験した日本の国の司法の揺るがぬ立脚点とするよう求めた。(原告:準備書面(1)
  • 被告国は,原告の被告国に対する各訴えをいずれも却下するよう求めた。(被告国:答弁書
  • 被告国は,原告の訴えの一部は「法律上の争訟2に当たらないこと,および原告には被告国を訴える資格がないこと3について意見陳述を行った。(被告国:意見陳述書
  • 被告電源開発は,大間原発はいまだ建設工事の途上で,これから新規制基準4適合性審査を受ける中で安全の諸方策を行っていくものであり,現段階で侵害のおそれが具体的ではなく権利内容が不明確かつ未成熟の状態にあることなどから却下または棄却するよう求めた。(被告電源開発:答弁書
  • 原告は,国の意見陳述に対して,被告国の主張は時代錯誤的なものであり,また福島原発事故の発生に少なからぬ責任を負うべき国は地方自治体の存立を懸けた提訴に対して正々堂々とその訴えを受けて立つべきであることから,著しく不当な本案前の答弁を撤回するよう反論した。(原告:意見陳述書

 

函館市長の意見陳述における要旨(訴状

函館市の主張
  1. 福島第一原発事故を起こした従来の審査基準で許可され,建設が続けられている大間原発は,建設をただちに止めるべき。
  2. 実効性のある有効な避難計画が策定できるかどうかの確認がなされていない大間原発は,建設を即時中止すべき。
  3. 避難計画を義務付けられる30km圏に含まれる函館市に同意権を与え,函館市が同意しない限り,建設をするべきではない。
大間原発の問題点
  1. 福島第一原発事故以前の審査基準により許可され,建設が進められていること。
  2. 非常に毒性が強く危険性が指摘されているプルトニウムとウランとの混合燃料を全炉心で使う世界初のフルモックス原子炉であり,通常の原発以上に制御が難しく,事故の場合には,比較にならないほど,大きな危険性があることも指摘されいてること。
  3. 大間原発の北方海域や西側海域には,巨大な活断層がある可能性が高いといわれているほか,敷地内にも活断層がある可能性が高く,北方海域の活断層に連動して動く可能性もあること。
  4. 大間原発が面している津軽海峡は国際海峡であり,領海が通常の12海里(22km)ではなく,3海里(5.5km)しかないことからテロ対策をはじめ安全保障上の大きな問題があること。
  5. 既存原発の再稼働とは異なり,電力需給の問題を全く生じるものではないこと。
  6. 大間原発では使用済モックス燃料は20年分しか保管できなく,その処理の方法や最終処分地などが決まっていないこと。

大間原発で過酷事故

が起きた場合

  1. 北海道側の50km圏内の人口37万人(北斗市,七飯町を含む)もの住民が大規模な避難をするのは不可能である。
  2. 観光産業をはじめ,漁業や農業を基幹産業としている道南地域にとっては,地域経済に壊滅的な打撃を与える
  3. 函館市域が放射能物質により汚染され,市民の離散が生じ,地方自治体としての機能が崩壊する。

 

※1 全国各地に居住する住民らが,大飯原発3,4号機の運転差止めを求めた訴えにつき,大飯原発に係る安全技術及び設備は,確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであるから,大飯原発の運転によって人格権が侵害される具体的な危険があるとして,大飯原発から半径250キロメートル圏内に居住する住民らの請求を認容した判決。

※2 法律上の争訟とは,当事者間の具体的な権利義務又は法律関係の存否に関する紛争であって(事件性の要件)かつ,それが法律を適用することによって終局的に完結することができるもの

※3 原告として訴訟を進行し判決を受けるための資格(原告適格)

※4 東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省や国内外からの指摘を踏まえて策定された原子炉等の設計を審査するための新しい基準(詳しくは,原子力規制委員会ホームページへ)

 

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