【世界遺産】縄文文化と「北海道・北東北の縄文遺跡群」

2022年3月22日

縄文文化と「北海道・北東北の縄文遺跡群」

 

縄文文化の価値

 

 

縄文文化は,狩猟・漁労・採集を生業としながら定住生活を達成し,紀元前1万3千年から1万年以上もの長期にわたり持続可能な社会を実現した,日本特有の先史文化です。

 

世界各地の同時代の農耕・牧畜による定住とは異なり,環境の変化に巧みに適応しながら自然と共生した,人類史にとって極めて稀な文化といえます。

 

縄文文化が長期間持続し続けた大きな背景には,日本列島が周囲を海に囲まれ南北に細長く,多様な地形や気候風土を有する,生物多様性に富んだ恵まれた自然環境であったことが挙げられます。

 

文化的には,世界で最も古い時代から土器を製作・発展させ,環境に適応しながら多様な食糧資源を安定的に確保して,定住生活を可能にしました。また,地元では手に入れることができない道具や材料が各地の遺跡で出土していることから,遠隔地との活発な交流・交易が行われていました。一方,ストーンサークル(環状列石)に代表される大規模な儀礼や祭りの場の存在や,数多く出土する土偶など祈りの道具から,優れた技術とともに,豊かな精神文化を持った成熟した社会であることがうかがえます。

 

自然の豊かな恵みを暮らしに取り入れてきた知恵と技術,そして自然とともに生き,戦争のない,家族や仲間を大切に思う心により育まれた縄文文化を,現代に生きる私たちが誇りとして受け継ぎ,未来へ伝えていくことが大切であると考えます。

 

 

縄文遺跡が数多く所在する函館市南茅部地域

縄文遺跡が数多く所在する函館市南茅部地区

 

函館の縄文文化

 

 

函館市では325カ所の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)が登録されています。そのうち「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産のある南茅部地域には95カ所の遺跡が確認されており,そのほとんどが縄文時代の遺跡です。(令和4年2月1日現在)

 

  

目の前に広がる海産資源が豊富な太平洋と,背後に控える緑豊かな山々,山と海を繋ぐ大小数々の河川などの自然環境は,現在の漁業を支える源であるだけでなく,自然と共に生きた縄文時代の人々にとっても大きな財産でした。

  

南茅部地域ではこれまでに約半数の遺跡の発掘調査が行われ,竪穴建物跡や土坑といった多数の遺構や,土器・石器をはじめとした膨大な数の遺物が見つかっており,その数は400万点を優に超えます。その中には北海道唯一の国宝「土偶」(中空土偶)や世界最古の漆製品,優れた技術や交易を示すアスファルト塊など,貴重な資料も数多く発見され,学術的成果を挙げています。函館市ではこのような特徴的な遺跡群を総称して“南茅部縄文遺跡群”と位置付けて「函館市南茅部縄文遺跡群整備基本構想」(pdf形式:3M)を策定し,新たなまちづくりや観光振興の創出を目指して,これまで史跡の整備や函館市縄文文化交流センターの建設を実施しています。

  

そのような“南茅部縄文遺跡群”にあって,特に重要な遺跡として国の史跡に指定されている大船遺跡と垣ノ島遺跡は,「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として,2021年に世界遺産登録が決定しました。

  

国宝土偶(正面)

著保内野遺跡出土 国宝土偶

(正面)

国宝土偶(背面)

著保内野遺跡出土 国宝土偶

(背面) 


 

国指定重要文化財

北海道豊原4遺跡土坑出土品

函館市指定有形文化財

八木B遺跡出土「注口土器及び下部有孔土器」


 

函館市指定有形文化財

臼尻C遺跡出土の赤彩土器


桔梗2遺跡出土シャチ形土製品


 

函館市指定有形文化財

臼尻B遺跡出土「シカ絵画土器」


垣ノ島B遺跡出土漆糸製品


 
 

 

「北海道・北東北の縄文遺跡群」

 

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は,定住の始まりから成熟した社会の様子や人々の生業など生活の実態を示す“遺跡(集落跡,貝塚,低湿地遺跡)”と,精神文化の発展や充実を示す“記念物(環状列石,周堤墓)”などで構成されています。

 

北海道南部と北東北は,津軽海峡を挟みながらも円筒土器文化や十腰内文化など,縄文文化全般を通じて同一の文化圏を形成していました。

 

“津軽海峡文化圏”とも呼ばれるこの地域には,世界最古級の土器が出土しているほか,日常使用した生活道具に加え,精神性・芸術性に富んだ土偶や装飾品などが数多く見つかっています。また大規模な環状列石や盛り土遺構も集中的に分布しています。遠方との交流・交易も活発に行われ,他地域へ与えた影響も大きいこの地域は,文化的に高い求心力を持つ中核的な地域であり,縄文文化を代表する地域といえます。

 

構成資産および関連資産とその位置の地図

 構成資産および関連資産とその位置

 

 

構成資産

  

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は,1万年以上にわたり続いた縄文文化の変遷を具体的に示す,代表的な17の遺跡で構成されています。また2つの遺跡が関連資産として位置付けられています。それらはいずれも文化財保護法に基づく国の特別史跡あるいは史跡に指定されています。

 

北海道

  • 史跡大船遺跡 <函館市:縄文時代中期,集落跡>
  • 史跡垣ノ島遺跡 <函館市:縄文時代早期~後期,集落跡>
  • 史跡キウス周堤墓群 <千歳市:縄文時代後期,集団墓地>
  • 史跡北黄金貝塚 <伊達市:縄文時代前期~中期,貝塚>
  • 史跡入江・高砂貝塚(入江貝塚) <洞爺湖町:縄文時代前期~後期,貝塚>
  • 史跡入江・高砂貝塚(高砂貝塚) <洞爺湖町:縄文時代後期~晩期,貝塚>

 

青森県

  • 特別史跡三内丸山遺跡 <青森市:縄文時代前期~中期,集落跡>
  • 史跡小牧野遺跡 <青森市:縄文時代後期,環状列石>
  • 史跡大森勝山遺跡 <弘前市:縄文時代晩期,環状列石>
  • 史跡大平山元遺跡 <外ヶ浜町:縄文時代草創期,集落跡>
  • 史跡田小屋野貝塚 <つがる市:縄文時代前期~中期,貝塚>
  • 史跡亀ヶ岡石器時代遺跡 <つがる市:縄文時代晩期,低湿地>
  • 史跡二ツ森貝塚 <七戸町:縄文時代前期~中期,貝塚>
  • 史跡是川石器時代遺跡 <八戸市:縄文時代前期~晩期,集落跡・低湿地>

  

岩手県

  • 史跡御所野遺跡 <一戸町:縄文時代中期,集落跡>

 

秋田県

  • 特別史跡大湯環状列石 <鹿角市:縄文時代後期,環状列石>
  • 史跡伊勢堂岱遺跡 <北秋田市:縄文時代後期,環状列石>

 

関連資産

  • 史跡鷲ノ木遺跡 <北海道森町:縄文時代後期,環状列石>
  • 史跡長七谷地貝塚 <青森県八戸市:縄文時代早期,貝塚>

 

 

縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

 

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は,構成資産および関連資産を有する18自治体により管理されています。

また関係自治体で縄文遺跡群世界遺産登録推進本部を構成し,公式ホームページにより「北海道・北東北の縄文遺跡群」に関する各種情報を提供しています。

 

     
道県 4自治体

北海道,青森県,岩手県,秋田県

市町 14自治体

〔北海道〕函館市,千歳市,伊達市,洞爺湖町,森町

〔青森県〕青森市,弘前市,八戸市,つがる市,外ヶ浜町,七戸町

〔岩手県〕一戸町

〔秋田県〕鹿角市,北秋田市

 

■ 北海道・北東北の縄文遺跡群公式ホームページ ■

北海道・北東北の縄文遺跡群公式ホームページ

 

■ 北海道・北東北の縄文遺跡群キッズサイト縄文ぐるぐる ■

北海道・北東北の縄文遺跡群キッズサイトJOMONぐるぐる

 

 

函館市の構成資産 史跡垣ノ島遺跡

 

函館市の構成資産 史跡大船遺跡

 

縄文関係刊行物

  

 

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