公開日 2022年08月12日
水害時の衛生対策
津波や大雨などで,床下・床上浸水した後は,感染症や食中毒が発生しやすくなります。
予防のために次のことに注意してください。
床下浸水の場合
- 家の周りや床下にある汚泥や不要な物を片付ける。
- 床下の水をかき出し,雑巾等で吸水する。
- 扇風機等により強制的に通風するか風通しを良くし十分に乾燥させる。
- 汚染や臭いが心配な時は,消毒する。クレゾール石けん液とオルソ剤は,独特な臭い(クレゾール臭)があるので,床下への使用には十分留意する。
床上浸水の場合
- 汚水で汚れた床・壁・家具などの水洗い可能な物は水道水でよく洗い,風通しを良くして十分に乾燥させる。
- 必要に応じて,塩化ベンザルコニウム(0.1%溶液)で拭く。
- 冷蔵庫や食器棚などは,汚れを十分に拭き取った後,次亜塩素酸ナトリウム(0.02%溶液)や消毒用アルコールを浸した布でよく拭く。
- 食器や調理器具は,汚れをきれいに洗い流した後,熱湯消毒する。
- 熱湯消毒できない物は,次亜塩素酸ナトリウム(0.02%溶液)や消毒用アルコールで消毒する。
食中毒および感染症の予防
- 調理や食事前,用便後には石けんと流水で十分に手を洗う。
- 消毒していない水は飲まない。
- 汚水が混入した井戸や受水槽は,安全と衛生を確認した後で使用する。
- 水に浸かった食品や停電によって温度が保てなくなったと思われる要冷蔵・冷凍食品は廃棄する。
- 発熱,下痢,腹痛などがある場合は,早めに医療機関を受診する。
家庭で使いやすい消毒薬とその使い方
消毒薬と使い方
消毒対象 | 消毒薬 | 調整方法 | 使用方法 |
屋外 (し尿や下水が溢れた場所,腐敗物が漂着した場所,汚水が付着した壁面,床下) |
クレゾール石けん液 |
3%の濃度になるよう水で希釈する。 (クレゾール石けん液30mlに水を加えて1リットルにする。) |
家屋の周りは,ジョウロや噴霧器などで濡れるように撒く。 壁面は,泥などの汚れを落としてから,消毒液を浸した布などでよく拭く。 (噴霧器を使う場合は,濡れる程度に噴霧する。) |
オルソ剤 |
2%の濃度になるよう水で希釈する。 (オルソ剤20mlに水を加えて1リットルにする。) |
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屋内 (汚水に浸かった壁面や床,家財道具) |
塩化ベンザルコニウム(逆性石けん)
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0.1%の濃度になるよう水で希釈する。 (10%の製品の場合,本剤10mlに水を加え1リットルにする。) |
泥などの汚れを洗い流すか,雑巾などで水拭きしてから,調整済みの消毒薬を浸した布でよく拭く。 (噴霧器で噴霧する場合は,濡れる程度に噴霧し,風通しをよくして乾燥させる。) |
手指 (汚染された個所や土に触れた手指) |
汚れを石けんで洗浄し,洗面器などに入れた消毒液に手首まで浸し30秒以上もみ洗いする。 その後,乾いたタオルなどでよく拭き取る。 石けんが残っていると殺菌力が低下するのでよく洗い流す。 |
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食器類 |
次亜塩素酸ナトリウム (家庭用漂白剤) |
0.02%の濃度になるよう水で希釈する。 (10%の製品の場合,本剤2mlに水を加え1リットルにする。) |
食器を水洗いした後,消毒液に5分以上浸し,自然乾燥させる。 (ハイターは界面活性剤が入っているためすすぎが必要です。) |
使用上の注意
- 消毒薬は近所の薬店,薬局で購入することができます。
- 薬剤容器に記載されている用法・用量を守って,適正に使用しましょう。
- 消毒薬の使用については,人体や環境への影響を考慮し過剰な散布は止めましょう。
- 消毒薬を使用するときは,防護できるものを着用し,皮膚や目にかからないよう注意しましょう。
- 他の消毒薬や洗剤と混ぜないこと。また,誤飲を避けるため小分けや作り置きはやめましょう。
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