横 浜市は、平成15年から17年の3年間、時限で子育て事業本部を立ち上げ、 外部有識者による「子どもたちの放課後懇話会」を設置し、同年12月には「放課 後児童育成施策の方向性について」提言をまとめ、平成17年12月に横浜市放課 後児童育成施策基本方針を定めている。この外部有識者には高校生、大学生もおり、さまざまな分野からの人間で懇話会を設置しており、またその1年間で提言をま とめて いるスピーディーさにも感心した。放課後の児童に対して、全児童対策として「はまっ子ふれあいスクール事業」と「放課後キッズクラブ事業」があり、昭和 38年から実施されている「放課後児童クラブ」の3本柱で行われていた。今後は現況として小学生4人に1人が留守家庭であることや、提言を受けて、単なる 遊びの場の提供である「はまっ子ふれあいスクール事業」から「放課後キッズクラブ事業」にどんどん移行していく考えだそうだ。「放課後キッズクラブ事業」 は子どもたちに「遊びの場」と「生活の場」を提供しようとするものである。この事業と放課後児童クラブが競合にならないのか、尋ねたところ、保護者の選択 の幅を広げる事になり両方に登録する子もいるそうである。
「はまっ子ふれあいスクール事業」は平成13年には、全小学校で展開している事に さえ驚いた。この事業は地域の協力無しにはできないことで、どのように展開できたのか、尋ねた。教育委員会が学校長に働きかけ、PTA・自治会長等を中心 に核となってもらい、また直接地域に出かけて説明会を実施した。また隣の学校でやっているのにこちらの学校ではという競争力も良い方向に働いて全学校で展 開できたそうである。参加料はすべて無料、17時以降は月5千円、「放課後児童クラブ」は月平均15,520円で、小3までが原則である。
実 際に太田小学校の「キッズクラブ」を見学させていただいた。毎回平均80人 前後、17時以降は15人程度であった。さまざまなプログラムがあり、「キッズクラ ブ」へのお誘いのリーフレットも「もうテレビゲームじゃつまらない」と唱い、1~6年まで異年齢との交流あり、食育プログラム、季節・外出プログラムなど わくわく楽しそうで、参加してみたくなる工夫がされていた。
確かに人口の規模、この事業にかける予算規模は当市とは格段に違うが、学べる 点、参考に生かせる点は多々あったと感じる。当市の放課後のすべての子どもたち にとって良い施策を展開していきたいと考える。
|