Language

目的
から探す

注意情報
ヘッドライン
緊急情報
ヘッドライン
警告情報

市長記者会見(令和3年3月19日)

公開日 2021年03月30日

更新日 2021年12月14日

記者会見

日時 令和3年3月19日 金曜日 午後2時

場所 市役所8階大会議室


【会見事項】

 

報告     新型コロナウイルス感染症の感染状況等について

 

各社質問



                                                          【一覧へ戻る】

 


報告

(市長)

本日は、新型コロナウイルス感染症の感染状況等についてお話をさせていただきます。

3月21日で国の緊急事態宣言が全国、首都圏が最後まで残っておりましたが、全ての地域で解除されるということが昨日決定したところであります。ただ、年末年始の後の非常に増えた時期は脱したと思われますけれども、感染者数等はまだまだ下がりきったという状況ではなく、依然として予断を許さない状況にあると思っております。それは首都圏だけではなく、全国的にもあるいは北海道、そして函館においても同様の状況ではないかなと考えております。

そういう中で、春の年度末から年度初めという年度替わりで非常に人が移動するシーズンに入りまして、首都圏のみならず全国各地においても、少しずつまた感染者が増加しつつあると懸念されるような状況も生じてきております。

また変異型のウイルスも各地で確認され、札幌など北海道でも既に確認されておりまして、札幌まで来たということは、もうこれで函館にいつ来てもおかしくないという状況になるわけであります。変異型ウイルスのスクリーニング検査については、今月末にも市立函館保健所でも行う予定ではありますが、少し心配な状況も生まれております。

一方で医療従事者からワクチン接種が始まって、その後の高齢者等以降はちょっと遅れ気味ではありますけれども、ワクチン接種が進めば収束への期待も今後出てくるのかなと考えているところであります。そういう中で、年度替わりの時期で人の移動も多くなって、歓送迎会、そしてその後ゴールデンウイーク前後には花見ということで飲食の機会も増えます。

そういう時期に感染を拡大させないために今日は函館市としても市民を初め、皆さんにお願いを申し上げたいと思います。

これまでの北海道と札幌市の発生状況の推移ということであります。北海道の感染者の半数以上は札幌市ということになります。同じような傾向になるわけでありますが、実際一番多いのは、札幌においては11月19日、北海道においては11月20日であります。11月が非常に多かったわけで、10月までは下のほうに書いてありますが、北海道では1月28日から10月31日までで約3,100人、札幌市の場合は2月14日から10月31日までに約2,100人でありますが、11月に急激に増えて最大が11月20日の北海道全体では304人ということになります。

対策を講じて一旦減少傾向になりますが、年末年始にかけて再び増えました。11月よりはちょっと低い山になっています。それが低下してきて、2月中旬から少し落ち着いてきたかなと思いましたが、3月に入ってまた右肩上がりになってきているというのが北海道全体、そして札幌市における状況であります。

これと同じように函館を追ってみますと、函館の感染者累計は3月18日現在で547人であります。実は昨年10月31日までは函館は9人しか発生しておりませんでした。ところが11月に跳ね上がって、以降急増して500人を超える状況になっているわけであります。

北海道や札幌は11月のほうが山が高かったんですが、函館の場合はそこまでいきませんでした。11月というのは帰省のシーズンでもありませんし、たぶん観光的にも札幌との往来が少なくなってたので、影響は受けてますがそれほどの大きな影響は受けたかったのかなと思います。

それが年末年始の影響でしょうが、2週間ぐらいたった1月15日に30人と最大の感染者数を記録したわけであります。これは年末年始の帰省で子ども、孫、親族が帰ってきたことによるものと、ある程度の人数での忘年会や新年会等の飲食が行われた結果として跳ね上がって非常に大きな山となりました。そして今度は職場や施設に持ち込まれてクラスターが発生したという状況となったわけであります。

従って11月から多少の小さな波を繰り返しながら、ぼんと大きな波が来て、そしてまた、いろいろな対策を行って年末年始の影響が薄れてきて、2月中旬以降はゼロの日もあったわけでありますが、最近は増えつつあります。4名、5名という状況が少し見えてきたということであります。

札幌と同じような状況にはありますが、若干札幌よりも遅れて函館にその余波が来る傾向があります。この年末年始が多かったのはさっき言ったように帰省です。これもほとんどが札幌との間の帰省や札幌の子どもや親族のところに行ったというようなものです。函館の場合はあまり首都圏との往来によるものがありません。ほとんどが札幌だと思っていただいて結構です。

それとやっぱりこのシーズンになると飲む機会が多くなる。それが、年末年始と同じように今も来てるわけです。帰省も春休み等で増えて、それから飲む機会も歓送迎会だとか、あるいは大学でのコンパだとか花見もあります。

従ってまた年末年始と同じような状況になりかねないという懸念を抱いているところであります。

次は最近、3月の昨日まで18日間の感染の要因となった事由であります。感染者の総数が29人で、16人が飲食によるもので55%と半分以上は飲食です。この飲食によるもののうち、レストランや食堂のように食べることが主の店でなく、いわゆる飲み屋、夜に酒を提供する店での感染がほとんどであります。全てではありませんが、感染対策が不十分あるいはなされていない店舗で客や経営者、従業員が感染しています。とりわけ本町・五稜郭地区のそうした店において顕著であります。

食事も一緒に提供するような店は、当然のように感染対策もなされて意識も高いんですが、わいわいがやがや皆で話しながら飲んで騒ぐ、場合によってはカラオケをやりだすというようなお店、全部が全部ではありませんが一部のそういうお店が本町・五稜郭地区でも見受けられて、それが感染のもとになっているということが現在推定されております。

2つ目は帰省など他地域との往来によるもの6人、21%であります。全て札幌との行き来によるものであります。

札幌から持ち込まれて、子どもがちょうど3月の卒業シーズンで休みになって戻って来てというケースやこちらから春休みを利用して札幌に出かけていってという若い人たちが多いんですが、こういう札幌との往来によるものが6人で21%を占めております。

たぶんビジネスで行ったり来たりしてる人はかなりいると思うんですが、そういう人たちからは感染者が出ておりません。やっぱり意識が高いというか、きちっとお互いに迷惑をかけない、会社にも迷惑かけないという行動をされているのかなと思います。親族同士や友達同士でないから、あまり緩やかな気分で食事をするというようなことを避けているので仕事で行ってる方々にはあまりそういう例が見られません。

やはり友達同士や親族同士だから気を許して、身内だから大丈夫だとか友達だから大丈夫だと思ってということが、こういうことを招いている可能性があります。

あとの1人は2月に起きたクラスターの施設での1人でありますから、あまりここでは参考になりません。ここで今心配なのは、やはりこれからもっと飲食の機会、とりわけ飲む機会が多くなりますから飲食によるもの、そしてもう1つは帰省によるもの、この2つの要因による拡大が非常に懸念をされるところであります。

これは前回もご覧いただきましたけれども、昨年の2月から今年の1月までの感染の要因をお示ししております。飲食によるものが飲食店と自宅を含めて24%83人、それから帰省など他地域との往来によるものが58人で17%でした。一番多いのが職場、施設や職場内での感性によるものが166人で49%だったわけであります。

ただ、職場や施設でのクラスターが起きたというのは、あくまでも職場と他地域との往来を原因としてそれが家庭や職場に持ち込まれ施設に持ち込まれた結果だということであります。

今、施設・職場の感染によるものというのはクラスターの方1人だけで、今はこの段階ですが、油断していると飲食と帰省を原因として、それが家庭に持ち込まれ、家庭から施設や職場に持ち込まれて拡大していく、年末年始と同じような状況が生まれかねないというのが、最近の4人、5人程度で起きている感染の事態であります。

私どもとしてはそれを非常に危惧しております。今は比較的若い人たちで高齢者ではないので、帰省も最近おじいさんおばあさんのいる家庭は気をつけているのか、そういう方は見られないんですが、そこから今度施設等に行った場合、家庭に行って施設に行った場合には施設でのクラスターが起きかねない。病院でのクラスターも起きかねないということでありまして、今の段階できちんと注意していただくということが非常に大事なんだとぜひご理解をいただきたいと思います。

従って春の異動時期あるいは花見の時期に函館において年末年始のような感染拡大を繰り返さないために、皆さんには市から次のとおりお願いをしたいと思います。

1点目は飲食の関係についてであります。会社の歓送迎会や大学の新入生の歓迎コンパあるいは花見に伴う会食などで、大人数、長時間の飲酒・飲食に繋がる行事、行動は控えていただきたいと思います。この春一番心配なのはここであります。

2点目が、これは政府も言っていますが、飲食は4人以内で短時間で黙食でということで、食事と会話の時間を分けて、会話するときはマスクを着用することを出来るだけお願いしたいと思います。

それから3つ目なんですが、先ほども申し上げましたように今は感染対策が不十分な店あるいは取られていないお酒の提供が主体の店でどうも感染が多いということで、飲食店を利用する際には感染対策が取られている店舗かどうか、きちんと確認の上で利用していただきたいと思います。

多くの店舗はきちんとやっているんですが、中にはそれが不十分あるいはやられていない酒主体の店があります。のぞいたり入ればだいたいちゃんとやってるかやってないかというのはお分かりになると思います。それは初めての方でもあるいは常連ならなおさら分かっているわけでありまして、そういう店であればもう利用を避けていただきたい、入らないでいただきたいと思います。

そういう店のために同じ地区にある他のきちんとやってる店が非常に迷惑をします。先ほど私は本町・五稜郭地区だと申し上げましたが、本当は言いたくないんです。それは多くのまともにやってる飲食店が風評被害的になるので申し上げたくはないんですが、そこを十分確認して利用をしていただきたい。

いい店はたくさんあって入ればすぐ分かります。きちんと感染対策を講じている店を選択していただきたいと思います。

そして同じことですが、飲食店の側は従業員が必ずマスクを着用する。もう従業員がマスクをしていないような店、客もほとんどマスクもしないでやってるような店には入らないでください。従業員がマスクをしていないなんてもう論外ですから、それを見ただけでもお店を出てください。そのように飲食店においても基本的な感染対策は徹底をしていただきたいと思います。

そして最後に、飲食の関係では、外が危ないから自宅で集まって飲もうということでも逆に自宅で感染が広がりました。友達が集まって飲んで感染した例がありますので、自宅においても、知人や友人を招いた長時間の飲酒や飲食はぜひ控えていただきたいと思います。

次は先ほども申し上げましたが、帰省など他地域との往来についてであります。

子どもや孫の帰省などで、札幌市あるいは首都圏など感染が多い地域との往来には十分注意していただきたいと思います。先ほど申し上げたように札幌との間では非常に往来によるウイルスの持ち込みがありますので、十分注意をしていただきたいと思います。ほとんどが札幌との往来によるものだということをよくご理解いただきたいと思います。

帰省しやすいんですね。首都圏にも子どもたちはいっぱい行ってますが、やはり札幌のほうが帰って来やすい。それから親も行きやすいというのがあるんでしょう。だから非常に多いということであります。

年末年始同様にこの点が非常に心配でありますので、出来るだけ注意をして、控えられる方は控えていただければと思います。

特にその中でも家族に高齢者がいる場合、高齢者が感染すると死亡するという危険性が非常に増します。病院も重症者が増えて逼迫してきます。高齢者のいる家庭、とりわけ函館で亡くなった方々というのは、ほとんどが孫から感染した高齢者なんです。高齢者のいる家庭は出来る限り、もう注意というより控えてほしいということです。

それから医療・介護の皆さんにも大変申し訳ないのだけれども、余程のことでなければ往来を避けていただきたいと思います。介護の従事者等が感染した例で幸い施設で濃厚接触者がいなくて拡大をしなかったんですが、ヒヤリハットのような例は結構あるんです。幸いだなって思うことがあります。だからそういうことのないように、出来ればしていただきたいと思います。

それから必要があって家族や親族が集まるということもあるでしょう。そういうときは家族でも会食は黙食でお願いします。昔は食事中は話をするなって親に言われました。話をしながら食べるもんじゃないって言われたんですが、最近はお話をしながら楽しく食事をしましょうって世の中が変わってきています。私が子どものころは食事は黙って食べなさいと言われたものですが、それをちょっと思い出して、皆でしばらくやってみませんかということであります。それから3密を避け、マスクの着用、あるいは手洗い消毒といったことは、もう普通の方は皆さんやっていただいてるので今更感もありますが、継続的にお願いをしたいと思います。

いずれにしても、コロナ疲れという言葉があるくらい市民の皆さん、事業者の皆さんも大変ご苦労されて、そしてまた窮屈な思いもされ、コロナ対策にも大変ご協力をいただいておりましたが、この春の人が動く時期、異動シーズンに感染を大きく拡大させないためにも、外出自粛やお店の時短要請だとかはありませんけれども、ぜひ引き続き皆さんのご協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。

もう1つ、場合によっては新年度の4月1日から、観光誘客のための「はこだて割」というものを予算化していて実施することとしておりました。ただ、GoToトラベルの再開を条件としておりまして、昨日の発表でもGoToトラベルは当分再開を見合わせるということでまだ期日がはっきりしておりません。

そういう中で3月いっぱいまでの「函館の冬割」では市民限定で利用していただいております。それを4月1日から「はこだて割」も当面は市民限定で開始したいということであります。

助成額が宿泊料金の2分の1相当額というのは、今の冬割と同様でありますので、市民の皆さんには、のんびりとホテルなどで湯につかったり食事をして楽しいでいただければと思う次第であります。

私からは以上でございます。

 

                                                        【トップへ戻る】

 


各社質問

 

(記者)

今の「はこだて割」につきまして、当初はGoToと一緒に始められるとしていたところを、4月から始めることにした理由を教えてください。

 

(市長)

今の「函館の冬割」は、2月と3月のGoToが終わった時点での武器として予算計上していたんです。ところがGoToがほとんど実施できず延びてきたので、重なってもいいということにしたのですが、GoTo自体が出来なくなったときに、市民限定で始めたものであります。

市民はもともと外からウイルスを持ち込むわけでもないし、市民の皆さんも窮屈な思い、大変な思いをしているので、地元のホテルを活用して市民の皆さんにはのんびり湯につかったり食事をしてもらいたい。

また、ホテルのほうも多少なりとも助かるという両面から、2月と3月に市民限定で行ったわけでありまして、新年度においても同様の理由から市民限定で行いたいということでございます。

 

(記者)

帰省などの往来の対策のところですが、これから先お花見シーズンが来月以降やってきますが、五稜郭公園など昨年は立ち入りを制限したり、火気の使用を制限したり、密集しないような対策を考えられていたと思いますが、今年の五稜郭公園の桜シーズンの対策は決定していますか。

 

(市長)

まだ正式には決定をしておりませんが、内部的に現時点である程度固まりつつあるのは昨年のように閉鎖、函館公園も閉鎖して五稜郭も郭内は立ち入り禁止にして、駐車場も使えないように、去年は様子が分からないので徹底的にやったんですが、今年はだいぶ様子も分かってきてますので、花を見るために五稜郭公園や函館公園に行くことについては、花を見られるような状況にはしたい。五稜郭の郭内にも入れるような状況にしたい。

例えば通路を対面でぶつかって歩かないように一方通行にするとか、いろんなことは考えています。ただ火気を使っての飲食、北海道独特の焼肉やジンギスカンとかは今のところ無理だなと思っています。それからお酒を飲んで大勢でやるのも禁止をしたいとかいろいろ考えております。

それも含めてまだ正式ではなく、たぶん来週にも正式に決定すると思いますけれども、今は基本的には昨年ほどの形ではなくて多少花見は出来るけれど、飲食についてはご遠慮いただくというような方向で検討を進めております。だから駐車場もたぶん使えると思います。

 

(記者)

ワクチン接種に向けて北斗市や七飯町の住民の方がかかりつけ医が函館市だという方も結構いらっしゃって、周辺からは協議する場を持ちたいというような話がありましたが、それを受けて市長としてはどうお考えでしょうか。

 

(市長)

ワクチンはその市に対してくるわけですから、根本的にワクチンを市域を超えて提供し合えるのかという問題があります。一番先に函館市には高齢者向けには4月12日の週に1箱500人分しか来ないんです。

それは函館市民のもので他市町村にたった500人分のうちから配分するというわけにはいきません。函館市民の高齢の方の優先接種に充てさせていただきます。ワクチン自体がきちんとした形で供給される見通しが立たないのです。

今協議をしてもその前提がないから決められません。現状では打ちたい人が打てる状況になっていないので、今すぐ協議を進めて決められるような状況にはありません。だから別に協議を拒むとかいうことではなくて、今の状況では物理的に無理でしょうということです。

市町村ごとに割り当てられるので、インフルエンザワクチンのように医療機関ごと来るわけではないし、インフルエンザワクチンだって周辺市町が無料化したために、ただで打てるならということで函館の診療所等に殺到して、函館市民が打てなくなって八雲や森の病院に行ったっていう話をしている議員もいるぐらいです。まして市町村ごとに割り当てられるものについてどういう手段があるのか、それは事務レベルでいろいろ検討を進めていくことにはなると思いますけれども、今時点ではどちらとも分かりません。ワクチンの供給次第であります。

 

(記者)

クルーズ船の受入対策協議会を設置して、クルーズ船の受入に向けて協議を進めていくという話で、コロナのワクチン接種なども始まり日常生活を取り戻す中で、函館にもまたクルーズ船が寄港するようになると思うんですけれども、市長としてはクルーズ船の受入というのはやはりこれからも推進はされていきますか。

 

(市長)

もう当然ですよ。北海道で初めて50隻を超えて、小樽を抜いて7年か8年トップの入港数を着々と増やしてきました。70隻を目標にしていて、一時はかなり無理かなとも思っていたものがもう目の前とまではいきませんが50数隻まで来たという状況が、このコロナでちょっと残念な結果になっているわけです。

せっかく客船の専用ふ頭も作って、同時に2隻あるいは小さいのも含めると3隻でも入れるような状況にしてあるのにそれがコロナで生かされない。だから新年度の4月以降、具体的にまだ聞いてませんけども、まずは日本国籍の船、日本人を主とする船が少し動き出すのかなと思っています。海外から外国人が来るのは、今の状況ではかなり入国制限されていますのでまだまだ厳しいと思いますが、少しでも動き出せばいいなと期待しています。

 

(記者)

市長ご自身としては、クルーズ船の受入に向けて条件など何か考えているものはありますか。

 

(市長)

感染対策がきちんと取られていますとか医師が乗ってきちんと検査するとか、それはある程度全国共通で港湾都市として統一的に決めていますし、そのことは船会社のほうも十分承知をしていますし、その船会社自体が非常に厳密に感染対策を取っています。

もともと日本の場合には、客船の感染から非常に風評被害、彼らからいうとそうなるのでしょうが、それが拡大したことの反省も踏まえて、非常に厳しい感染対策を取っているようですからそれを見極めて、きちんとした形で受け入れていきたいと思います。

 

(記者)

国の緊急事態宣言の解除があり、ほかの県などGoToトラベルの再開を求める自治体もありますが、市長としてはGoToトラベルをどのようにお考えでしょうか。

 

(市長)

今の時点では、なかなかまだ厳しいのかなと思います。首都圏自体もかなり抑え込んだなというところまではいってないと思いますし、道内で言うと札幌もまだちょっとなという感じもありますし、それから変異株も出て来ていますし、やはりもう少し状況を見極める必要があるのかなと思います。

函館市の場合は非常に首都圏の観光客の割合が高いので、首都圏抜きでやっても効果がないとは言いませんが半減してしまうんです。そういうこともあって、今すぐ無理にやることについては、我々として積極的に要請しようとは思っておりません。

実際、GoToトラベルではないけれども、GoToイートを3月から始めた宮城県において過去最大の感染に見舞われて、独自の緊急事態宣言を行うような状況になってますので、そういう中でGoToイートではないけれども似たような、もっと動くGoToトラベルをやることがどうなのかなとは思っています。

やはりもう少し抑え込んでから、そしてとりわけこの今の異動シーズン、年度末あるいは花見の時期にさらに輪をかけて移動を促すことは非常に危険を伴うと私自身は考えています。

 

(記者)

4月で市長は3期目の折り返しを迎えますけれども、掲げられていました日本一の福祉都市の進捗状況、2年間どれくらい進んだのか、またこれからの課題があれば教えてください。

 

(市長)

1期目と2期目でいろいろなハードの整備など合併特例債の適用期限もありましたので、私が別にハードが好きでやってきたわけじゃありませんがハード整備やまちづくりだとかいろいろなことをやってきて、教育や福祉もそれなりにはやってきたんですが、ある程度ほかのものが片付いて、これからは福祉に向かうよということです。

それはもう市長になる10年前から目ざすのは福祉都市なんだということで、ただそのための基盤づくりが必要だからいろんなことをやらなければならない、とりわけ経済の問題で税収がなければ福祉も充実できないということでやってきました。

3期目に入ってひとり親家庭や子どもの医療費だとかをずいぶん力を入れて拡大してきたように思います。教育もある意味で子どもたちへの福祉だと考えれば、教育にもずいぶん力を入れてさまざまな環境を整えてきたと、自負するまではありませんけれども、多少は前よりは力が入ってきたかなと思います。

福祉拠点は今年度中で準備して、来年の4月から10か所をオープンさせます。これが私の中では将来への福祉都市に向かっての基盤となるものだと考えて、そこからいろんな皆さんの要望や悩みや困りごとをきちんと受けて、そしてそれをサポートしていくことから始めるということです。

そうでなければ、ただお金があってお金を配る都市が福祉がいいのかっていうと、そういうことはないし、そんなのは限界がありますので、それを日本一の福祉都市とは全く思っていないので、いかにして心のあるまちにしていくかということです。それはパートナーシップ制度も福祉ではないのですが、そういう面での思いから出たものなんです。 

だから心優しいまちにして福祉都市にしていこうというのは、もっと長いスパンがかかっていくのかなと思いますので、この1年でもう出来上がるというようなことでなくて、誰がやっても持続的に進めていくべきものではないのかなと思っております。

 

(記者)

福祉拠点は高齢者だけでなくさまざまな方ということで虐待など専門的な知識がある方を増やしていかなければいけないと思いますが、人材確保についてのお考えはありますか。

 

(市長)

今は各施設において3人の専門的な方を採用して増やすということをを考えております。だから全体で30人ですね。まず当面そこから出発をします。介護の人たちは今いらっしゃるわけですが、プラスしてそのほかのことをする人たちということでまず3人。出発してみて足りないとか、あるいはもっと課題が多かったということもありますから、それは進みながら考えていくことになるのかなと思います。初めから100%のことができるわけがないわけで、全国でも初めての試みに近いんです。道内では全くやってるところもないし、全国的にも聞いたことがなく函館市が先駆的にやる事業なので、いろいろぶつかったりすることもあるし、ちょっと考えていなかったなということも出てくるかもしれません。私はそれでいいと思うんです。どんどんいい制度に変えていく。人も3人から出発してプラスしていくことも、場合によっては考えなければならないと思っています。

ただ人材確保については一生懸命やっていく。それだけの給与も払っていかなければいい人材も集まりませんけれども、頑張っていきたいなと思います。

 

(記者)

先月から何度もお聞きして申し訳ないんですけれども、来週26日で北海道新幹線開業5年ということで、受けとめなどは先月お聞きしていますが、10年後に札幌延伸もあったり、JRさんが5年キャンペーンでいろいろやろうとしていますが、函館市としてやっていこうとしていることとか、その辺の期待の部分をお聞きしたいと思います。

 

(市長)

5年がどうこうというのは、前に申し上げたとおりあまり考えていないです。ただ、今コロナ禍でやることを封じられれて、観光キャンペーンを打つわけにもいきません。そういう中で、4月から東北ディスティネーションキャンペーンが確か始まって、6か月間続きます。以前には青森県・函館ディスティネーションキャンペーンを開業年にやったんですが、今回は東北6県とJR東日本を主体としてJR6社が協力してディスティネーションキャンペーンを実施することになってます。

当然、東北をいろいろまわるということになると、ちょっと北海道まで、道南、函館まで足を伸ばしてみようかって方も増えるんですが、やっぱりこのコロナでそれを期待するのは難しい。新幹線ですから、ほとんど首都圏と北関東の人たちなんですよ。関西や名古屋の中部だとかは飛行機でしかない。新幹線を使って期待していくのは、まず首都圏の1都3県にプラスして栃木や茨城になってきます。ただその辺が今感染者が多い状況にあるので、そこを解消しないと新幹線で東北や函館に来ていただく客が増えないんです。

我々としては、もともと首都圏だけではなく、東北6県や北関東とりわけ埼玉県の大宮とかさいたま市役所の皆さんの協力をいただいたり、あるいは仙台市役所の協力もいただいて仙台等でもPRをやってきたんです。それを毎年のように続行させていきたいんですが、今はとてもそういうイベントを現地で開けるような状況にないということで非常に苦慮してるんですが、オンラインでやるといってもなかなか難しいわけであります。

そういう中でGoToトラベルが始まればそれなりの期待ができるので首都圏の感染状況、東北や北関東の感染状況を見ながら、我々としても全力で函館観光の復活に向けて力を入れていきたいと思っております。

 

(記者)

10年後の話になりますが、札幌延伸が実現すると往来がすごくスピーディーになるかなと思いますが、そこでの期待のようなものをお聞かせいただけますか。

 

(市長)

もともと私が就任して間もなくのころは、札幌延伸は函館にとって不利だということで、函館で止まってくれたほうがいいよといった話だったんです。その後インバウンドが非常に伸びて、しかも千歳に圧倒的に増え、そうすると千歳空港から出入りして、札幌とそれから函館に来る、道内をまわる客が非常に増えたわけであります。

そのとき、札幌から動くにしても、道東、道北、道南はいずれも4時間ぐらいかかるわけです。近くの小樽とか旭川は1時間半ぐらいですから、その辺が非常に有利な状況に置かれていたわけであります。10年前の状況と違うのはそこでありまして、新幹線が札幌延伸されると札幌と函館間は1時間で結ばれます。

今だとバスで5時間とか列車で4時間とかとてもじゃないが往復しようと思って来ません。台湾みたいに函館空港に入って千歳から帰るとか千歳から入って函館から帰るようなことが出来ればそうなんですが、韓国のように2泊3日であまり長期の休暇でない人たちは函館まで来ないんですよ。千歳に入っても札幌と小樽と旭川あたりや登別ぐらいまでです、1時間になると圧倒的に函館が有利になると思っていますので、新幹線の1時間の行き来というのは非常に期待は大きいです。もうインバウンドの出来れば半分ぐらい、千歳に入るインバウンドの半分ぐらいは函館に運んできたいと思うぐらい様変わりすると思って期待をしております。ただまだ10年先ですが、そう思っています。

 

(記者)

札幌延伸の話なんですけれども、10年後ということで札幌は今の人口でいうと200万人ぐらい、仙台が100万人ぐらいで所要時間を考えるとかなり時間がかかってしまって現実的な移動を考えると仙台と札幌がつながるという意義が大きいなと考えているんですが、この大都市の間にある函館として、東北と北海道の交流人口の増加などに関して市長として期待などはありますか。

 

(市長)

東京と札幌間は常時新幹線で行き来するかというとなかなか時間的に厳しい。やっぱり航空機にかなわないのかなと、函館はともかくとして、なかなか厳しいと思います。それから新幹線は結構高いから値段の問題ですね。飛行機と対抗するためには値段をかなり下げる必要があると思います。

札幌まで開通したときに期待されるのは、やっぱり東北の人たちがなかなかこれまで函館まで来ても札幌とかそれ以北、オホーツクとかに行くというのは、なかなかこれまで難しいくて、たぶん来てない人が多いだろうと思います。だから札幌方面で北海道が期待するのは東北あるいは場合によっては北関東もありますでしょう。そういう観光客が増えることを期待してるんだろうと思います。函館はその中間地点であります。札幌はきれいなまちだけども2泊も3泊もして、あちこち観光して歩くまちではないんですよ。

そういう意味では、函館だけではなくて道内のいろいろな観光地観光都市もやり方によって非常にともに栄えるというかお互いにウィンウィンの関係になりやすいんです。京都のまわりだと全部京都に取られるので大変ですよ。2泊3日、3泊4日でも札幌に1泊してじゃあ帰りに寄りますかという客が、かえって函館だけのときよりも増える可能性は大きいと思っています。

実際に東北から北海道新幹線が函館まで繋がったときに、札幌まで行こうと願っていた人がいっぱいいたんですが、ところが函館から札幌が新幹線を降りてから4時間も5時間もかかるといってほとんどが断念されたんですよ。

それでこの道南に開業効果がとどまったということがありますけども、札幌まで延伸すれば北海道全体に広がっていく可能性がありますし、その中でじゃあ函館が埋没するかというとそういうことではなくて行き帰りの中で、十分日本人観光客にも寄ってもらえるし、またそういうまちとして観光のさまざまな資源やおもてなしも含めて磨いていく必要もあると思ってます。だから千歳発着のインバウンドと札幌延伸時に動く東北、北関東の人たちをこのまちに引きつける努力が必要だと思っています。

 

(記者)

東北側の人に取材をしていると札幌とつながると200万人という人たちが大量輸送で来れるようになるということで、修学旅行に関しても結構期待値が高いというお話があったんですけれども、函館から東北にというメリットみたいなものは何か考えますか。

 

(市長)

函館から東北に行くメリットっていうのは、本当は経済的なことが一番なんです。函館を本拠にしながらさまざまなビジネスを東北で展開していただければいいんですが、全くないわけではありませんが、今はまだあまりそういう機運はありません。逆に東北側からも道南にというのはあるんです。それが札幌まで行くと東北側はもっとビジネスチャンスは道南だけよりもずっと広がっていくだろうと期待していると思います。

函館の企業も首都圏とのやりとりや札幌圏とのやりとりは非常にあるんですが、やっぱり東北とはなかなかこれまで繋がってなかったんですが、そういう中で札幌と東北のやりとりが増えるとすれば、その中で中間地点にある函館でもそういうチャンスは生まれてくるのかなと思います。そういうことを促進させるような施策が札幌延伸時に向けては必要、あるいはその前段階でも必要になってくるのかなと思っております。

 

(記者)

先ほど札幌の観光での滞在というのはそんなに日数を要しないというのがありました。

コロナ前のデータですと函館も2泊の平均にはなかなか届かないとというところがあって、それを何と伸ばすとかあるいは何度も来てもらいたいという問題意識は今の市長のご発言でもあるかなと思います。

具体的に何か、ロシア領事館も今度はただ外から見るだけじゃなくて中に入れるようになったりしますし、西部地区なんかではいろいろと取り組みとかされてると思うんですが、周辺市町との連携も含めてリピーター確保とかあるいは連泊の日数を伸ばすための工夫は何か考えていますか。

 

(市長)

函館は道内の観光地の中では2泊以上する人が結構多いほうなんです。ニセコとか保養地は別で、そういうところは皆長期滞在ですから、都市型の観光をやっているところの中では比較的2泊する人も多いし、それから何といっても函館の特徴はリピーターが多いことです。1回来てもらうとリピート率が非常に高いので、まずは1回来てくださいというまちなんです。

青森など北東北3県との提携あるいは日高、胆振の市町村との連携だとか広域的な連携というのはこれまでも新幹線開業を見据えながらやってきました。場合によっては倶知安やニセコの町長さんたちも来て、冬はニセコで夏は函館というようなすみ分けで連携しようということもあります。

いずれ新幹線が札幌まで通れば、オーストラリアなどの外国人観光客も函館空港に来て新幹線でニセコに行くほうがずっと早いし、雪にも惑わされないということなどもおっしゃってましたが、そういう繋がりが出て来るんです。

それから道南では、いろいろ我々も試して、松前や江差、場合によっては奥尻ともいろいろ連携したことがあります。そういうことで少しでも体験型と周遊型を充実させる。函館においてどういう体験をしてもらうかということも含めて、最近力を入れてだいぶ励んでいますが、何分にもまずは1回来てもらうことです。

コロナが収まらないと頭の中だけで実際何も出来ないという状況で非常に困っている状況ですが、当然そういうことも努力して進めていかなければならない。それはインバウンド対策としても、台湾の方は何回も来られるのでただ見て歩くだけでは飽きらてしまいます。やはり都市型というのはまちの魅力、そのまちにいることがいいねっていうまちにしないと基本的に駄目なんです。だからあのまちに行って2泊、3泊したいねというのは、夜景を見るだけの観光では生まれてきません。ついでに近くも足を延ばしてみようかということをこれからいろいろ構築していきたいと思います。

 

(記者)

観光の誘導という点では、はこだてライナーの乗り継ぎを含めて、札幌と函館が1時間30分ぐらいになるのはプラスになると思いますが、逆に日常の高額品の買い物とか進学や就職で札幌の求心力が高まって、函館の人や購買力がそがれてしまう負の効果も考えられなくはないと思いますが、観光へのプラス効果以外の日常の経済でのメリットとデメリットについてどう思われますか。

 

(市長)

これは買い物だともう始まっています。今はコロナであまり行かなくなっていますが、若い女性などは、札幌のほうがいろんな店を見て歩けるし種類が多くなって、函館は種類も少ないしブランドも少ないしということが言われて、これはもうしょうがないです。

ただ、じゃあ新幹線が出来たらそんなにどんどん行くかというとお金もかかるしそんなにはないと思います。北海道の人たちは、新幹線での移動よりは自家用車での移動のほうがたぶんそのときも多いんです。たから大幅に影響を受けるとは思いません。

ただし、いろんな企業等の支店がありますよね。これはやっぱり旭川とかの例を見ても、だんだん厳しくなると思います。交通の便が良くなると日帰り出張のほうが安上がりだとかいろんなことが出てくるので、その辺はいろいろ検討していく必要があるのかなと思っております。ただ、10年後というとたぶん札幌の人口も減り始めてるんです。だから向こうも減り始めて、果たして本当に人口減少のダム機能を維持出来るかどうか分かりませんけれども、なかなか新幹線が出来たから進学で札幌に行くとかいう事態にはならないのかなと思います。直接関係ないんですが、人口減少自体は厳しいなと思っております。

 

 


※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

 

 

記者会見動画YouTube 函館市公式動画チャンネル)

 

配付資料 

 

   
                                                         【トップへ戻る】

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
このページの本文とデータは クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本ライセンスの下に提供されています。

 

  • 本ページに掲載しているデータは、自由に利用・改変できます。
  • 本ページに掲載しているデータを元に、2次著作物を自由に作成可能です。
  • 本ページのデータを元に作成したものに、データの出典(本市等のデータを利用している旨)を表示してください。
  • 本ページのデータを編集・加工して利用した場合は、データを元に作成したものに、編集・加工等を行ったことを表示してください。また、編集・加工した情報を、あたかも本市等が作成したかのような様態で公表・利用することは禁止します。
  • 本ページのデータを元に作成したものに、第三者が著作権等の権利を有しているものがある場合、利用者の責任で当該第三者から利用の承諾を得てください。

 

関連ワード

お問い合わせ

企画部 広報広聴課
TEL:0138-21-3630