令和3年度市政執行方針

2021年2月25日

令和3年度市政執行方針


1 はじめに 


2 主要施策の推進
   (1) 市民一人ひとりの幸せを大切にします
   (2) 函館の経済を支え強化します
   (3) 快適で魅力あるまちづくりを進めます


3 むすび

 

1 はじめに 

令和3年第1回市議会定例会の開会にあたり,市政執行につきまして,私の所信を申し述べさせていただきます。

 

新型コロナウイルス感染症の脅威が続くなか,市民や事業者の皆様には,感染拡大防止にご理解とご協力をいただき,心より感謝申しあげます。

本市においても,この間,大都市圏との往来等に伴い多くの方が感染され,加えて複数の集団感染も発生するなど,依然として予断を許さない状況が続いておりますが,今後も,関係機関と連携しながら,医療体制の確保とともに,感染拡大防止に鋭意取り組んでまいります。

 

 

私はこれまで,函館の再生に向け,「財政の再建」と「経済の再生」に積極的に取り組み,変わりつつあるまちの姿に一定の手応えを感じてきたところです。

今後は,新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益や個人所得の落ち込みに伴う税収の減少,人口減少による地方交付税の減少などと併せて,社会経済活動に制約が続くことも予想されるなど,コロナ禍のもとでの厳しい市政運営が見込まれます。

このような状況にあっても,函館のまちづくりの歩みを止めることはできません。

市民の暮らしに寄り添いながら,引き続き,「活気に満ちたまち,歩いて楽しいまち,訪れたくなる美しいまち,住む人にやさしいまち」をめざし,様々な施策に取り組んでまいります。

 

いま,私が特に重点を置いて進めているのが,「市民一人ひとりの幸せづくり」です。

近年,本市においても,介護や子育て,心身の不調,ひきこもり,虐待,経済的困窮など,市民それぞれが抱える様々な課題が複雑に絡み,適切な支援にたどり着くことがままならない状況が生まれています。

 

困難を抱える市民が,身近な場所においてワンストップで相談・支援を受けることができる新たな福祉拠点づくりを本格化するほか,地域コミュニティの核となる町会の活性化,学校と地域住民等が力を合わせて子ども達を育むコミュニティ・スクールの活用を柱として,地域全体で見守り支え合う仕組みを作り上げてまいります。

 

また,少子高齢化を背景とした人口減少も続いています。

出産・子育てにかかわる市民の不安を解消し,その希望が叶えられるよう,子育て世帯やひとり親家庭への支援の充実を進めるとともに,各種健診の受診率向上や健康意識の醸成等により,子どもから高齢者まで,市民がいつまでも健康で幸せに暮らせるまちとなるよう,全力を傾けてまいります。

 

全世界にひろがった新型コロナウイルス感染症の影響により,我が国は,リーマンショックを超える厳しい経済状況におかれています。これまで2度の緊急事態宣言が発出されるなか,外出や往来の自粛の長期化は,人々の不安を招き,他者とのつながりのなかで育まれてきた社会経済に大きなダメージを与えました。

しかしながら,この感染症がもたらした新たな日常は,発想を転換することで多くの可能性を持つ成長のきっかけともなります。

キャッシュレス決済の浸透やテレワークの拡大など,デジタル化の加速は,私たちの暮らし方や働き方を変化させ,まちの持つ価値をも大きく変容させる可能性を生み出し,このコロナ禍において,人々の関心は,過密状態の大都市圏から一定の都市機能を備えた地方都市に向けられつつあります。

本市においても,この機を逃さず,全国的に高いまちの魅力度を生かしながら,仕事と休暇を両立させる働き方であるワーケーションの推進等を通じ,関係人口の増加を図り,将来的な移住者の獲得や企業立地につなげていくなど,新たな視点での施策にも積極的に取り組むほか,安全安心な旅行スタイルの提案による交流人口の拡大や地場産業の振興,生産性の向上などに向けたこれまでの事業の強化も図りつつ,「地域経済の活性化」をめざし,各種施策を効果的に実施してまいります。

 

これらを一歩ずつ着実に進め,新たな日常のなかで,誰もが幸せと豊かさを感じ,安心して暮らすことができるよう,「市民一人ひとりの幸せづくり」と「地域経済の活性化」を最大のテーマとして,函館のまちづくりに取り組んでまいります。

 

2 主要施策の推進

 

次に,市政を推進するための主な施策についてご説明申しあげます。

 

(1) 市民一人ひとりの幸せを大切にします

 

1点目は,市民一人ひとりの幸せを大切にすることです。

 

人口減少や少子高齢化が進行するなか,市民の誰もが住み慣れた地域で健康に安心して暮らすことができるよう,そして,次代を担う子どもたちが地域で見守られながら健やかに成長できるよう,保健・福祉サービスや保育・教育環境等のより一層の充実を図るとともに,地域で支え合う仕組みづくりに取り組んでまいります。

 

身近な相談・支援のワンストップ窓口となる「新たな福祉拠点」については,様々な困難を抱える市民を見守り支える地域の基盤として,令和4年4月の開設に向けて,運営事業者の選定など準備を進めてまいります。

市民の健康の維持・増進については,「はこだて市民健幸学」において,市民が気軽に参加できる健康づくりイベントを実施するとともに,SNSを通じた健康づくり情報の発信を強化するほか,健康づくりの活動として,がん検診の受診状況や日々の歩数を記録することで特典が得られるスマートフォンアプリの開発を進めるなど,市民の健康意識の高揚を図ります。

また,がん検診については,個別の受診勧奨や生命保険会社等と連携した啓発活動を実施するほか,受診率が低い傾向にある働きざかりの世代のうち45歳を対象として無料受診クーポンを配付するなど,全国的にみて低い本市の受診率の向上に努めます。

 

高齢者の保健福祉については,医療・介護の専門職や地域住民などによる地域ケア会議を開催し,地域での支え合い活動を推進します。

障がい保健福祉については,第6期函館市障がい福祉計画に基づき,相談支援体制の強化や就労の促進に取り組むなど,引き続き,障がいのある方の地域生活と社会参加を支援します。

 

新型コロナウイルス感染症の感染防止対策については,介護施設等の入所施設において,新規入所者や従事者へのスクリーニング検査を継続して実施します。

また,市民へのワクチン接種については,関係機関と連携し,円滑な実施に努めてまいります。

 

子育て支援については,学童保育において,保護者負担のさらなる軽減を図るとともに,放課後児童支援員等の処遇についても一層の改善を行うほか,老朽化している施設の改修費用の助成制度を新設するなど,より良い保育環境づくりに努めます。

また,小・中学校の入学時に支給する入学準備給付金の対象を拡大し,経済的支援の充実を図るほか,新生児の聴覚検査費用を助成し,聴覚障がいの早期発見,早期療育につなげてまいります。

 

ひとり親家庭への支援については,「ひとり親家庭サポート・ステーション」において,引き続き一人ひとりの状況に応じた支援に努めるほか,看護師などの資格取得にかかる授業料等を助成するなど,ひとり親の方の自立促進を図ります。

 

子どもへの虐待対策については,「子ども家庭総合支援拠点」の令和4年4月の開設に向け,家庭児童相談員の増員や児童家庭相談システムの導入などの準備を進め,児童虐待の防止や発生時の迅速な対応,的確な支援のための体制強化に努めます。

町会の活性化については,活性化モデル事業の実施や運営標準マニュアルの作成などにより,高齢化や役員のなり手不足,加入率低下などの町会が抱える課題の解決を支援してまいります。

 

また,市民一人ひとりが互いの個性や多様性を認め合い,自分らしく誇りを持って暮らせるまちとなるよう,函館市版パートナーシップ制度の導入をめざし,制度内容の検討を進めるとともに,広く市民の理解を深めてまいります。

 

学校教育については,スクールソーシャルワーカーの配置やSNSを活用した教育相談により,いじめや不登校など様々な課題の早期把握に努めるとともに,関係機関と連携しながら,その解決に向けて取り組みます。

また,引き続き,コミュニティ・スクールを通じて,子どもたちの豊かな成長を支えていく「地域とともにある学校づくり」を推進します。さらに,市立小・中学校に一人一台導入したタブレット端末を効果的に活用するため,その操作支援などを行うGIGAスクールサポーターを配置します。

 

学校施設については,施設の改修や修繕等による環境整備に努めるほか,令和5年度に開校を予定する尾札部・臼尻両中学校の統合校の新築工事に着手します。

 

私立学校への支援については,運営助成をさらに拡充するなど,多様な学びの場の確保に努め,教育環境の充実を図ります。


(2) 函館の経済を支え強化します

 

2点目は,函館の経済を支え強化することです。

 

新型コロナウイルス感染症の影響による地域経済へのダメージは大きく,また,人口減少による経済の縮小や記録的な不漁による水産業の不振も続くなど,函館は厳しい状況におかれています。

函館のまちを活性化するため,中心市街地をはじめとした賑わいの創出や地場産業の振興などに取り組み,地域経済の回復を図ってまいります。

 

観光振興については,コロナ禍における新たな観光PRとして,WEBやSNSなどを活用した非接触型プロモーションを行うほか,湯の川地区の活性化を図るため,道路や観光街路灯など歩行空間の整備を本格化するとともに,駅前広場やグリーンプラザ,西部地区などとあわせ,冬季にイルミネーションを実施するなど,まちの賑わいの創出に努めます。

 

クルーズ船については,若松地区の旅客ターミナルの整備を本格化させるほか,新型コロナウイルス感染症対策に適切に取り組み,受け入れ体制の整備を図ります。

航空路線網については,コロナ禍の状況を見極めながら,空港運営会社や経済界などと連携し,まずは国内線の利用者数の回復に努めてまいります。

 

食産業の振興については,引き続き食関連情報の発信に努めるほか,全国の食品スーパー等での函館フェアや物産展の開催,輸出向けHACCP)認証取得に対する支援など,地元事業者の国内外への販路拡大を促進します。

 

工業の振興については,デジタル技術の活用による製造工程の効率化等が進むなか,地元企業の競争力を維持・強化していくため,ITやロボット等の設備導入を支援し,生産性の向上を図ります。

企業立地の促進については,工場の新増設に対する支援など,これまでの取り組みに加え,ワーケーション体験ツアーを実施し,地元企業や高等教育機関等との交流を図るなど,首都圏等の企業が函館と継続的につながるきっかけをつくり,将来的な企業誘致につなげてまいります。

 

企業の後継者不足については,地域経済の活力の維持に向け,市内中小企業の実態を調査するほか,後継者向けの研修等を行い,事業承継の促進を図ります。

 

漁業の振興については,つくり育てる漁業の推進のため,キングサーモンの完全養殖技術の研究に着手するほか,海面養殖用生け簀の耐久度調査に向け,潮流などの基礎データの収集を行います。

農林業の振興については,農地の整備や機能維持など,良質な農産物の安定供給や生産性向上につながる取り組みを進めるほか,私有林整備についての補助制度を拡充するなど,森林の適切な経営管理や地元産木材の利活用等を推進します。

 

雇用対策については,コロナ禍における厳しい環境のなか,離職者等の就職を支援するため,合同企業説明会の開催や,事業者に対する雇用奨励金の支給を行うほか,新型コロナウイルス感染症の影響により離職した方や内定を取り消された方などを対象に,市の会計年度任用職員として雇用します。

また,女性や高齢者等が柔軟に働きやすい短時間就業などのモデル事業を実施し,多様な働き方を促すほか,大手就職情報サイトに函館エリア特集ページを作成し,市内中小企業の採用情報を掲載するなど,若者の本市への就職促進を図ります。


(3) 快適で魅力あるまちづくりを進めます

 

3点目は,快適で魅力あるまちづくりを進めることです。

 

函館のもつ多様な地域資源を最大限に生かしながら,見て,歩いて,感じて楽しい,美しい「ガーデンシティ」をめざし,デザイン性の高い都市空間や町並みを整備するほか,交通アクセスの向上など都市機能の充実を図るとともに,魅力の源泉でもある郷土の歴史の継承に努めてまいります。

また,多発する自然災害から市民の生命や財産を守るため,災害に強いまちづくりをさらに推進してまいります。

 

歴史的な町並みを残す西部地区については,居住と観光が融合した魅力あるまちづくりを進めるため,新たに土地建物の再整備を行う会社を設立し,民有・公有の不動産の利活用の促進につなげるほか,シンポジウムの開催などを通じて,まちづくりの機運の醸成を図ります。

た,函館駅前地区において,賑わい空間を創出するため,引き続き棒二森屋跡地の市街地再開発事業を支援するほか,駅前通の電線類の地中化を進めます。

 

公営住宅については,大川団地1号棟および2号棟の建設工事を進めるとともに,3号棟の実施設計を行います。

空家等への対策については,管理不全な空家等の除却支援制度の対象エリアを拡大するほか,市外から移住し空家を活用する方への改修支援制度を新たに創設し,街なか居住への誘導を図ります。

 

交通体系については,北海道縦貫自動車道や函館・江差自動車道の着実な整備のほか,松前半島道路の早期事業着手について,引き続き国に要望してまいります。

公共交通については,この4月に美原地区路線バス乗降場が供用開始となり,全市的なバス路線網の再編の推進と合わせ,利便性が高く,持続可能な公共交通の確保を図ります。

 

防災については,地域防災力を強化するため,自主防災組織の育成・支援に努めるほか,新生児用液体ミルクなどの非常食や感染症対策に必要な消毒用アルコールなどの物資を計画的に備蓄します。

また,津波災害時に対策本部となる総合保健センターの非常用電源設備を改修し,災害への備えを強化します。

さらに,除雪対策については,安定した除排雪体制を維持するとともに,市民協働による地域除雪活動を推進し,冬期間の円滑な道路交通や快適な生活空間の確保に努めてまいります。

 

環境保全・廃棄物対策については,ごみの減量化・資源化にかかる啓発活動を推進するほか,新たな廃棄物処理施設の整備に向け事業者を選定し,実施設計に着手します。

 

スポーツ振興については,市民スケート場が12月にリニューアルオープンするほか,千代台公園のテニスコートの増設工事を実施し,一定規模の大会にも対応できるよう整備を進めます。

 

文化財等の保存整備については,五稜郭跡の石垣改修を行うほか,函館ハリストス正教会復活聖堂や遺愛学院本館の保存修理にかかる費用を助成するとともに重要な地域資源である歴史的な町並みの保存にも引き続き取り組んでまいります。

また,「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録により,縄文文化交流センター等への来訪者の増加が見込まれるため,臨時駐車場の確保やWi-Fiの整備,通訳ガイドの育成・確保など,受け入れ体制を強化します。

 

定住者の誘致については,コロナ禍によって地方移住の機運が高まりつつあるなか,「函館しごとネット」を活用した職業紹介のほか,SNSによる移住者の紹介や移住関連情報の掲載などにより,函館の暮らしやすさの発信に努めてまいります。

 

行政サービスについては,市民の利便性の向上を図るため,市役所本庁舎等に戸籍等証明書自動交付機を設置するほか,市税や保育料,国民健康保険料の納付について,新たにスマートフォンによるキャッシュレス決済を利用できるよう,令和4年4月の導入に向け準備を進めます。

また,高度化・多様化する市民ニーズに持続的に対応するため,行政事務のAI・ICT化に引き続き取り組んでまいります。

 

3 むすび

 

昨年来の世界的な感染症の拡大により,函館も大きな影響を受け,市民生活はもとより,主要産業である観光との関わりが深い宿泊業や旅行業のほか,飲食・サービス業,小売業,運輸業など,多くの業種が厳しい状況におかれています。

新型コロナウイルス感染症への対応の日々はこれからも続きますが,市民の皆様とともに力を合わせ,感染拡大防止と地域経済の回復・活性化に努めてまいります。

今春,函館新外環状道路が函館空港インターチェンジまで開通します。高速交通ネットワークの充実が図られ,函館空港へのアクセス向上が見込まれるなど,交通の要衝としての本市の価値がさらに高まります。

 

夏には,道内初の世界文化遺産の誕生が期待され,また一つ,函館のまちの魅力が加わることになります。

これからも,函館のまちが持つ多様な資源や魅力を生かしながら,市民が幸せを実感できるまち,誰もが何度でも訪れたいと思うまちとなるよう,全力で市政に取り組んでまいります。

 

市議会ならびに市民の皆様のより一層のご理解とご協力を心からお願い申しあげます。

 

 

 

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