平成30年度市政執行方針

2018年2月22日

平成30年度市政執行方針


1 市政の課題とまちづくりの取り組み 


2 主要施策の推進
   (1) 函館の経済を元気にします
   (2) 子どもたちと若者の未来を拓きます
   (3) 市民の安全・安心を守ります
   (4) まちの魅力をさらに高めます
   (5) 行財政改革と広域連携の強化に努めます  


3 むすび

 

1 市政の課題とまちづくりの取り組み

 

平成30年第1回市議会定例会の開会にあたり,市政執行につきまして,私の所信を申し述べさせていただきます。

 

私は,市長就任以来,経済の低迷と人口減少により活力を失いつつあった函館の現実と向き合い,経済,福祉,教育など市政の各分野において,まちの再生に向けた取り組みを進めてまいりました。
 この間,函館にとって第二の開港ともいうべき北海道新幹線の開業に伴い,開業初年度において過去最高の観光入り込みを記録し,その後も国内外から多くの観光客が訪れ,まちに賑わいをもたらし,宿泊施設の新設や改築が増加するなど,新幹線開業による交流人口の拡大は,観光のみならず,物販や飲食,さらには建設,製造,運輸など様々な産業に効果をもたらしています。

 

国においては,観光先進国をめざし,2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え,訪日外国人旅行者を4,000万人に拡大する目標を掲げています。

本市においても,インバウンド100万人時代の到来を視野に積極的な取り組みを進めています。
 北海道新幹線の開業をはじめ,国際線LCCなど新規航空路線の開設,さらには新千歳空港や青森空港への乗入便との相乗効果などにより,本市を訪れる外国人宿泊客は,平成29年度上期において過去最高を記録しました。
 昨年,トップセールスを実施したタイやシンガポール,アメリカでは,いずれも今後の誘客の拡大に向けた手応えを感じることができました。
 函館港に入港するクルーズ船も年々増加し,2年連続道内第1位を記録し,昨年は若松地区においてクルーズ船岸壁の整備が本格的に始まったほか,来年には世界有数の豪華客船クイーン・エリザベスの北海道初となる寄港が予定されています。
 新幹線,高規格幹線道路,重要港湾,拠点空港といった陸・海・空の交通体系を生かし,国内観光客とともに,拡大するインバウンド需要をさらに取り込むことが,今後のまちづくり戦略の大きな柱になります。

 

一方,我が国では,総人口が減少し続けており,現在,人口が増加している東京などの大都市にあっても,近く減少に転ずると見込まれています。本市においては,これまで少子高齢化や人口減少が急速に進行してきたことにより,様々な課題が生じています。
 市街地における空き地や空き家の増加は,まちの活力や魅力の減退を招き,人口密度の低下に伴い,生活インフラの維持管理コストなどの面において非効率的な行政運営となります。
 このため,拡大してきた居住区域や様々な都市機能を中心市街地や地域の拠点に誘導し,公共交通のネットワークを生かしながら集約化を図っていかなければなりません。
 また,国内景気の拡大が続く一方で,個人所得や消費の伸びは鈍く,地場産業においても,イカなどの漁獲量の減少,原材料の高騰や後継者不在など,厳しい課題に直面しており,特に,医療や介護,宿泊や飲食,運輸,建設業など多くの分野において,人手不足が深刻化しています。
 この現状を打開するため,AIやIoTなど新たな技術を導入し,労働生産性を向上させ,収益力を強化するとともに,次代を担う人材を確保していくことが求められています。
 本市においては,ここ数年,首都圏などからITをはじめ,AIやロボット関連企業が進出しておりますが,高等教育機関などが集積している強みを生かし,さらなる企業誘致や新産業の創出を進め,若者の雇用確保や所得水準の向上をめざしていかなければなりません。
 市民生活においても,町会や民生・児童委員,保護司など,地域を支える様々な分野で高齢化や担い手不足が顕在化しており,地域コミュニティの機能を持続可能なものにしていくことが求められています。
 人生100年時代という超長寿社会を迎えようとするなか,高齢単身世帯が今後さらに増加していくことが予測されており,高齢者が生きがいを持ち,健康で安心して暮らせる地域社会を築いていく必要があります。
 また,未婚化や晩婚化などを背景に急速に少子化が進行するなかで,家庭を築き,子どもを生み育てたいという希望がかなえられ,子どもが健やかに成長することができる環境を整えていく必要があります。
 さらに,7人に1人と言われている子どもの貧困問題では,経済的な支援はもとより,教育や生活への支援を含め,社会全体で支えていくことが重要です。
 行政運営についても,将来のまちの姿を見据え,その組織体制や事務事業を見直していかなければなりません。
 まちづくりは,市民がまちや人や自分を大切にする思いを持ち,そのような市民に支えられてこそ,前に進めることができます。
 このまちの先人の気概を取り戻し,子どもたちや若者が,郷土への誇りや愛着を持ち,次の時代を担っていく,そのための人づくりも重要です。
 私は,このような少子高齢化や人口減少による数々の課題に対し,一つひとつの施策を堅実に,かつスピード感を持って進めてまいります。
 そして,「活気に満ちたまち,歩いて楽しいまち,訪れたくなる美しいまち,住む人にやさしいまち」をめざし,一人ひとりの市民が幸せを感じ,このまちを誇りとしていつまでも住み続け,心豊かに暮らしていくことができる地域社会の実現に向け,
 ◯ 交流人口の拡大
 ◯ 若者の雇用創出
 ◯ 少子化対策
 ◯ 高齢者の安全・安心
という4つの大きなテーマを掲げ,函館のまちづくりに取り組んでまいります。

 

また,「ポスト新幹線時代」において,
 ◯ 「ガーデンシティ函館」の実現
 ◯ 「食の産業化」の推進
 ◯ 「フェスティバルタウン」の形成
 ◯ 陸・海・空の交通の有機的な活用
の4点について重点的に取り組んでまいります。

 

2 主要施策の推進

 

次に,市政を推進するための主な施策についてご説明申しあげます。

 

(1) 函館の経済を元気にします

 

1点目は,函館の経済を元気にすることです。

 

北海道新幹線の開業や交通インフラの整備などに伴い,交流人口が拡大し,函館の経済再生は,観光を中心に少しずつ進展しています。
 私は,函館再生への道を確かなものにしていくため,国際観光都市としての魅力向上を図るとともに,特に国内人口が減少するなか,トップセールスによるインバウンド誘致や物産の販路拡大を進め,中国をはじめとした拡大する海外需要の取り込みに努めてまいります。
 一方,生産年齢人口の減少に加え,高校や大学等を卒業した若者の多くが市外へ転出しており,消費需要の減少や人手不足の深刻化による事業規模の縮小など,地域経済への影響が懸念されます。
 このため,生産性の向上や安定した所得の確保,女性の就業機会の拡大などにより,人手不足の解消を図るとともに,新製品の開発や国内外での販路拡大など,地場産業の活性化に向けた取り組みを進めてまいります。
 また,大学卒業後の雇用の受け皿となるIT企業をはじめとした企業のさらなる誘致を進めてまいります。

 

観光振興については,台湾,香港でのトッププロモーションとともに,中国においてデジタルコンテンツを活用し効果的な観光PRを展開するほか,タイやマレーシアなどで開催されるイベント等において宣伝活動を実施するなど,インバウンドのさらなる増加を図ります。
 また,他都市にない函館特有の町並みである港,坂道,教会が織り成す風景を「恋人たちのまち函館」として国内外に発信するなど,夜景だけに頼らない新たな観光資源づくりに取り組みます。
 さらに,冬季観光の底上げを図るため,「はこだてクリスマスファンタジー」などのイベントやこの季節にしか味わえない食など,冬の魅力を一体的にPRするとともに,新たな冬のイベントを検討してまいります。
 このような取り組みに加え,人手不足が続く宿泊業において,女性の短時間就労の可能性を探るため,補助的業務を体験するモデル事業を新たに実施します。

 

農業や漁業については,魅力ある産業にするとともに担い手の確保を図るため,所得向上に向けた生産者のインセンティブを高めるための取り組みを検討する懇談会を開催します。
 農業では,農地の整備とともに,収益性の向上を図るための施設整備や共同利用機器の導入を支援するほか,新規就農を促進します。
 漁業では,漁場や漁港の整備をはじめ,つくり育てる漁業の促進,「函館真昆布」の認知度向上によるブランド化など,漁業の持続的発展に向けた取り組みを着実に進めます。

 

「食の産業化」については,生産者と料理人をつなぎ,新メニューの開発など,地域の食資源の新たな活用を探るとともに,食文化の体験などを通じて,食の担い手の育成を図るほか,はこだてフードフェスタを継続して開催するなど,食の魅力をさらに高め広く発信する取り組みを重点的に進めます。
 物産の販路拡大では,昨年に引き続き台湾の百貨店で函館物産展を開催するとともに,好調な函館市アンテナショップの2号店を東京都内に開設するなど,国内外での取り組みを進めます。
 また,ふるさと納税については,引き続き特産品を活用した返礼品の充実を図るとともに,民間ポータルサイトの活用など幅広い情報発信に努め,地場産品の消費拡大を図ります。

 

工業の振興では,イカ不漁への対策として,新たに他の魚種などへの転換に向けた商品開発への助成を実施するとともに,設備導入に係る支援制度を創設するほか,引き続きイカ加工業者向けの低利融資の優遇措置を講じます。
 また,地場産業において,IT活用による生産性の向上を図るため,専門家の派遣や学術研究機関との共同研究への助成を実施するとともに,設備導入に係る支援制度を創設するほか,経済界や学術研究機関等との連携により,AIやIoT,ビッグデータなど,先進技術の積極的な導入を推進してまいります。
 企業立地の促進については,産学官金の連携により,引き続きIT企業等の誘致を進めるとともに,IT技術者の人材育成支援などの優遇策に取り組むほか,工場の新増設などに対する支援を行い,若者をはじめとした雇用の場の創出を図ります。

 


(2) 子どもたちと若者の未来を拓きます

 

2点目は,子どもたちと若者の未来を拓くことです。

 

本市では, 全国や北海道と比較して合計特殊出生率が低く,少子化が一層進んでおりますが,函館の将来を担う子どもや若者が,このまちに魅力や愛着を感じ,希望を持って成長することができるようにしていかなければなりません。
 このため私は,出産や育児,就労など,子育て世代が安心して,子どもを生み育てることができる環境整備に努めるほか,引き続き,子ども・子育てに関する施策を総合的に進めるとともに,保育や教育環境の充実を図ってまいります。
 また,本市では,生活保護率や児童扶養手当受給率,就学援助認定率が全国平均を上回って推移しています。
 生まれ育った環境にかかわらず,子どもたちが健やかに成長し,そして幸せに暮らすことができるよう,子どもの貧困対策に積極的に取り組んでまいります。

 

子どもに関わる施策については,子どもの社会参加を促進する「函館市子ども会議」を引き続き開催するほか,新たな「子ども・子育て支援事業計画」の策定に向けたニーズ調査を行います。
 子育て支援については,妊娠や出産,子育てに関する相談窓口である「マザーズ・サポート・ステーション」における支援体制を強化するほか,スマートフォン向けの子育てアプリの活用により,幅広い情報を提供してまいります。
 また,子育て世帯を対象に,市営住宅への優先的な入居を進めるとともに,西部地区や中央部地区に立地する民間賃貸住宅の家賃の軽減を図ります。
 さらに,特定不妊治療や不育症治療に対する助成,産後うつ等の予防に向けた健康診査や宿泊型産後ケア事業の実施など,出産前から子育て期にわたる切れ目のない支援の充実を図り,子育て世代が抱える経済的・心理的な負担の軽減に努めます。
 子どもの貧困対策については,就学援助の収入認定基準を引き上げ,対象者の拡大を図るとともに,幼稚園等の第1子と第2子の保育料をさらに軽減するほか,経済的な理由により修学困難な大学生を対象とした給付型奨学金の支給を始めます。
 また,新たにひとり親家庭等の子どもへの生活指導を含めた訪問型学習支援を行うとともに,生活困窮世帯の中学生に対する個別学習指導等の拡充を図ります。
 子どもの健全育成については,保育士資格を有しながら長期間離職している方への就職支援や放課後児童支援員の経験等に応じた新たな処遇改善事業により,人材の確保に努めます。
 また,放課後児童クラブの拡充や小学校の余裕教室を活用するための改修を行うほか,金堀小学校敷地内に新たに整備する統合児童館の実施設計を行うなど,子どもの居場所づくりを進めます。

 

学校教育においては,小・中学校の再編により,本年4月に開校する巴中学校と青柳中学校の整備を継続するとともに,金堀小学校校舎の改修に着手するなど,教育環境の整備を進めます。
 また,新たに学校司書を配置し,児童生徒の読書活動を支援するとともに,小学校における外国人英語指導助手やアフタースクールの拡充など,学力向上に向けた取り組みのほか,校務支援システムの導入により,教員が子どもと向き合う時間の確保や負担軽減を図ります。
 学校と地域との連携による取り組みとしては,コミュニティ・スクールの導入を進めるとともに,新たに学校図書館を地域住民に開放するほか,部活動において専門的な技術指導を行う地域支援者の一層の活用を図ります。
 このほか,函館の現状を認識し,まちへの誇りや地域愛を醸成するため,新たに小学生向けの意識啓発用映像を制作するとともに,子どもたちが創作活動を通してまちの魅力を学ぶワークショップを開催します。

 

次に,若者の就労支援については,求職者等を対象に,社会人として求められるビジネスマナーなどを習得するための実践的な研修を実施します。
 若者の創業支援については,新たに業種特有のノウハウ等を習得するための創業セミナーやテストマーケティングのためのチャレンジショップを実施するほか,引き続き学生向けのセミナーを開催します。
 女性の就労支援では,女性の就業形態の希望を踏まえ,実践的なビジネススキルを高めるための講座を開設するなど,引き続き就業につながる取り組みを進めます。
 また,男女がともに生き生きと働くことができるワーク・ライフ・バランスの周知に向け,高校や大学,企業等へのアドバイザーの派遣により,研修会の実施や相談・助言に取り組みます。

 

このほか,少子化対策として,結婚を希望する若者を対象に,体験型イベントを通じた出会いの場を提供するための取り組みを始めます。


(3) 市民の安全・安心を守ります

 

3点目は,市民の安全・安心を守ることです。

 

子どもから高齢者まで,性別や障がいの有無にかかわらず,誰もがこのまちで安心して暮らすことができるよう,ともに支え合う地域社会の形成をめざし,今後とも,市民一人ひとりが心身ともに健康で,生きがいを持って暮らすことができるまちづくりを進めるとともに,災害から市民の生命や財産を守るため,市民と行政などが一体となった防災対策を進めてまいります。

健康の維持・増進については,生活習慣病の予防などに取り組み,市民一人ひとりの健康づくりへの関心を高めるとともに,家庭や学校,職場や地域等と連携しながら,きめ細やかな事業を通じて,市民の健康寿命の延伸をめざします。
 高齢者の保健福祉施策については,地域包括ケアシステムのモデル的なエリアである福祉コミュニティエリアの円滑な運営を支援するほか,介護助手を活用した介護現場の負担軽減により,介護福祉士等の定着を図るとともに,介護従事者の研修受講への支援を行うなど,介護人材の確保に努めます。
 また,認知症の方ができる限り地域で暮らし続けられるよう,認知症地域支援推進員の拡充を図るとともに,医療・介護の専門職からなる認知症初期集中支援チームを配置し,早期に支援を行うなど,新たな「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき各種施策を進めます。
 障がい保健福祉については,障がいのある方の生活を地域全体で支えていくため,相談支援体制の充実や就労の促進を図るほか,新たに重度の障がい児に対して居宅訪問による発達支援を行うなど,障がいのある子どもに対する支援の強化に努めます。
 このほか,成年後見制度における担い手確保のため,市民後見人のさらなる養成に努めます。

 

次に,市民活動を促進するため,亀田地区統合施設の建設に着手するとともに,引き続き函館市民会館の耐震等改修に取り組みます。
 また,新たに町会活動の活性化に向けた各種研修費用の一部を負担するとともに,引き続き町会館や備品設備の整備を支援するほか,将来に向けた町会費負担のあり方について検討を進めます。
 このほか,女性に関する相談・支援については,これまでの配偶者等からのDVの相談対応のほか,全道に先駆けて,警察や拠点病院等との連携による性暴力被害者の相談支援窓口を設置します。

 

防災対策については,新たな洪水浸水想定区域の指定に伴う洪水ハザードマップの作成をはじめ,「地域防災計画」の改訂に向けた地震被害想定の見直しのほか,町会等が設置している有線放送設備の改修費用を助成し,地域の情報伝達手段の充実を図るなど,災害による被害を最小限に防ぐための取り組みを進めます。
 民間建築物の耐震化については,法律で耐震診断が義務づけられた大規模建築物に対し,引き続き耐震改修費用の一部を助成します。
 空き家対策については,「函館市空家等対策計画」に基づき,重点-対象地区における危険な空き家の解消や利活用を促進するため,引き続き解体や改修費用の一部を助成します。
 公営住宅の整備については,大川中学校跡地を活用した市営住宅大川団地の整備に向けた実施設計を行います。
 環境保全・廃棄物対策については,ごみの排出抑制や減量化を進め,適正処理に努めるとともに,清掃工場の維持補修を継続して実施するほか,新たな廃棄物処理施設の整備に向けた基本設計や生活環境影響調査等を行います。
 また,セメント原料としてごみ焼却灰を資源化していくことにより,最終処分場の延命化やリサイクル率の向上を図ります。

 

大間原子力発電所の建設差止訴訟については,昨年,北朝鮮の弾道ミサイルが道南上空を通過し,改めて危険な場所に建設しようとしていることが明らかとなったところであり,今後も建設の無期限凍結の実現に向け,鋭意取り組んでまいります。


(4) まちの魅力をさらに高めます

 

4点目は,まちの魅力をさらに高めることです。

 

本市は,函館山からの景観や異国情緒あふれる町並み,豊かな食材など,多くの資源に恵まれ,「魅力的な都市」として,例年高い評価を受けており,昨年は,景観資源の磨き上げによって地域活性化をめざす,国の「景観まちづくり刷新モデル地区」に全国10か所の一つとして選定されました。
 今後とも,デザイン性に配慮した町並みの整備を進めるなど,まちの魅力をさらに高めてまいります。
 また,函館の重要な観光資源である歴史的建造物などの保存整備を図り,次の世代に受け継いでいく取り組みを進めてまいります。
 一方,人口減少や高齢化の進行により,空き地や空き家が増え,まちの魅力や活力が失われかねない状況が進んでいます。
 このため,「立地適正化計画」において,居住誘導区域と都市機能誘導区域を定め,医療や福祉施設,商業施設などの立地を適正に誘導するとともに, こうした施設へのアクセスが容易となるコンパクトなまちづくりを進めます。
 また,特に函館観光において最も主要な地域であり,人口減少と高齢化が著しい西部地区については,再整備による定住化を促進するための取り組みを新たに進めてまいります。

 

「ガーデンシティ函館」については,西部地区の観光エリアにおける道路の美装化や観光街路灯の整備とともに,引き続き函館山の遊歩道の再整備を行うほか,良好な景観を眺めることができる視点場を新たに整備するための調査を実施するなど,見て,歩いて,感じて楽しいまちづくりを進めてまいります。
 また,西部地区の再生については,街区内の道路や小規模な宅地の問題を解決し,住宅などの建設を促進していくため,現況調査や住民等との協議を行い,基本方針の策定に向けた検討に着手します。
 中心市街地では,「はこだてみらい館」の映像コンテンツを更新するとともに,入館料の引き下げや「はこだてキッズプラザ」との共通利用定期券の発行など,より利用しやすい環境を整えるほか,商店街などの賑わいを創出するため,民間と連携した取り組みを進めます。
 函館駅前の市有地においては,民間活力を活用した宿泊施設と商業施設の一体的な整備を促進します。
 さらに,函館駅前通は,電線類の地中化を促進するとともに,引き続き照明や歩道のグレードアップを図ります。

 

「フェスティバルタウン」の形成については,日常的にイベント等が開催され,函館が賑やかで活気のあるまちとして認知され,このことが新たな来函の動機付けとなるよう,ウェブサイトにおける情報発信をはじめ,イベントの組織化や体系化に取り組むとともに,新たなイベントの検討を進めてまいります。
 観光客の受入体制については,観光ガイド育成に向けた研修を実施するほか,観光に携わる方を対象にインバウンドセミナーを開催するなど,ホスピタリティの向上に努めます。
 また,外国人観光客からの緊急通報に対して,多言語対応による同時通訳可能な体制を構築するほか,各種相談にきめ細かく対応する「コンタクトセンター」の運営を継続するなど,安心して観光を楽しむことができる環境の整備を進めます。

 

文化財については,市民の共有財産である歴史的な町並みを次の世代へと継承するため,伝統的建造物の修理に対する支援を行うほか,五稜郭跡の石垣や旧函館区公会堂の保存修理を行うとともに,函館ハリストス正教会や遺愛学院の保存修理等に係る費用を助成します。
 また,垣ノ島遺跡の公開に向けた整備を進めるとともに,北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みを進めます。
 さらに,四稜郭のイメージアップを図るため,市民提案型のモデル事業として,地元町会が実施する芝桜の植栽事業を支援します。

 

次に,交通体系の整備について,高速道路網では,北海道縦貫自動車道や函館・江差自動車道,函館新外環状道路の着実な整備,さらには,松前半島道路の早期事業着手について,引き続き国に要望してまいります。
 港湾では,若松地区旅客船ふ頭の早期暫定供用に向けて,引き続き国に要望するとともに,積極的なポートセールスを展開し,クルーズ船の誘致を図ります。
 航空路線網の拡充では,函館空港に新規に就航する国内定期便の着陸料を経済界と連携し支援するほか,国際線については,新たに就航する定期便やチャーター便の着陸料を助成するとともに,韓国でのトッププロモーションを行うなど,国内外の新規路線の就航を促進します。
 公共交通では,亀田地区統合施設の整備にあわせ,美原地区路線バス乗降場の基本設計を行うほか,高齢者や障がい者等の移動の利便性向上を図るため,新たにユニバーサルデザインタクシーの導入に対し,助成を行います。

 

移住者や定住者の誘致については,ふるさと回帰支援センターを活用し,首都圏への情報発信に努めるとともに,引き続きセミナーを開催するほか,移住者の状況を把握するためのアンケート調査を実施するなど,効果的な施策を展開します。


(5) 行財政改革と広域連携の強化に努めます

 

5点目は,行財政改革と広域連携の強化に努めることです。

 

私はこれまで,人事給与制度や事務事業の抜本的な見直しなどにより,財政の再建に努めてまいりましたが,人口減少などにより,市税や地方交付税は減少し,財政の見通しは引き続き厳しい状況にあります。
 このようななかにあっても,中長期的な視点に立ち,施策の選択と集中を図るとともに,ITやAIなどの活用による業務の効率化の検討を進めるなど,新たに策定した「行財政改革推進プラン」に基づき,持続可能な行財政運営の確立をめざし,積極的に行財政改革に取り組んでまいります。
 民間活力の活用については,新たに整備する廃棄物処理施設や赤川高区浄水場プラント設備更新における,PFIの導入可能性の検討や,南かやべ保養センターやホテルひろめ荘の民営化に向けた取り組みなど,より一層の推進を図ります。
 病院事業については,国が進める診療報酬制度の見直しにより,今後,大幅な収支の改善を見込むことが難しい状況にありますが,病院局において,さらなる増収策を講ずるとともに,人件費の見直しなど抜本的な経費削減策に取り組むことにより,経営の健全化に努めます。

 

次に,広域連携については,南北海道定住自立圏の中心市として,引き続き広域救急医療体制等の充実を図るとともに,広域観光や地域交通ネットワークの形成を推進するほか,新たな共生ビジョンの策定に取り組みます。
 また,本市と青森市,弘前市,八戸市が連携する青函圏観光都市会議において,周遊観光をめざすための旅行商品の造成に取り組むなど,青函圏の魅力を広く発信してまいります。
 さらに,さいたま市や宇都宮市など新幹線沿線地域に加え,大館市や仙北市などの北秋田地域と連携し,国内外からの誘客を図るための広域観光ルートの形成に努めるほか,本市と札幌市,登別市が連携した周遊プランの創出などにより,「北海道ドラマティックロード」の構築に向けた取り組みを進めます。

 

3 むすび

 

以上,平成30年度の市政執行に臨む私の所信を申し述べさせていただきました。

 

本年は,我が国が近代国家への道を歩み始めた,明治元年から150年の節目の年であります。
 幕末の開港から明治,大正にかけて,多くの人々を受け入れてきた本市は,今,停滞の時代を抜けて,インバウンドの増加とともに再び国際都市として発展する可能性が高まっています。
 人口減少時代において,まちの活力を高めるためには,かつてのように,まちも人も国際化していかなければなりません。
 国の内外から様々な人が集い,市民と交流し,ともに学び,ともに働く,私は函館をそのようなまちに再生したいと考えています。
 2030年度に予定されている北海道新幹線の札幌延伸は,本市の次なる飛躍のときです。北海道と東北の交通結節点となる函館は,観光のみならず,AIをはじめとする新産業創出の拠点にもなり得ます。
 私は,函館の将来を見据え,その可能性を信じ,まちの魅力をさらに高めてまいります。
 そして,市民一人ひとりが幸せと豊かさを感じ,安心して住み続けることができるまちをめざし,市政運営に取り組んでまいります。

 

市議会ならびに市民の皆様のより一層のご理解とご協力を心からお願い申しあげます。

 

 

 

 

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