公開日 2025年05月23日
記者会見
日時・場所
- 日時 令和7年5月20日 火曜日 午後2時30分
- 場所 市役所8階大会議室
会見事項
会見の様子(動画)
幹事社質問
(記者)
7月に行われる参院選について質問します。
国内外で先行き不透明感が強まる中,どのような地域課題について議論が深まることを自治体のトップとして期待されていますでしょうか。
(市長)
大半の地方都市が人口減少という問題に直面していますが,函館市はその勢いが急速になっています。地域社会がそのスピードに追いついていかない,それゆえに本当に大きな問題だと思っています。労働力不足,後継者不足,また働く場所が減って地域経済が縮小する,そうした悪循環に歯止めをかけて,地域経済,地域社会を持続させていけるような,負の連鎖を断ち切るような大胆な変革に向けて活発な議論が行われることを期待をしています。
また,市民の暮らしという点では,長期化する物価高騰で大きな影響を受けています。
加えて令和の米騒動とも言われている問題の中で,買えても驚くような金額になっている状況であります。食料品,日用品,それから燃料,様々な物の値段が上がっています。企業の賃上げが進んでいる部分もあるとはいえ,実質賃金が3か月マイナスという状況ですから,本当に物価高騰が重い負担になっているところであります。地方都市で暮らす市民にとって,地方にしっかり目を向けた議論をしていただければと思っています。
(記者)
本格的な観光シーズンが始まりました。ゴールデンウィークまでの観光客の入込状況や混雑緩和策に関する評価,あと夏に向けて期待や課題などについてお聞かせください。
(市長)
ゴールデンウィーク期間の観光客の入り込みについては,各施設や各交通機関の速報によりますと,施設によって差はありますが前年度と比べて同様かそれ以上の入り込みを記録した施設もありまして,昨年同様に好調であったと考えています。
また,函館山展望台の混雑緩和については,リアルタイムの混雑状況を配信して利用時間帯の分散化を促していますが,ゴールデンウィーク期間に強風でロープウェイが3日間運休しましたので,期間中の輸送人員そのものは昨年より減少して,下りロープウェイの待ち時間が少し短くなったという実態です。
夏に向けて観光のハイシーズンを迎えることになりますが,8月にはオールスター競輪,9月にはアイアンマンジャパンもあります。それから,今年も昨年同様の観光入り込みが期待できると思いますが,6月29日には函館競馬と函館マラソンが同じ日に開催され,さらにクルーズ船2隻が同時入港するなど,市内の大変な混雑が予想されるところであります。観光客の増加による市民生活への悪影響がないように,今後も混雑対策に取り組むとともに,観光振興に対する市民の理解度向上にも取り組んでいきたいと考えています。
各社質問
(記者)
北海道新聞が昨日行ったインタビューで,韓国の航空会社であるエアロKが函館~清洲間の定期便就航の検討を続けていると明らかにしました。エアロKによると函館にも視察を行っていたとのことですが,市にも何か就航時期とか想定される運航スケジュールの予定などの情報は入っていますでしょうか。
(市長)
担当部局でエアロKとの接点はあります。ただ,検討段階であると受け取っている段階です。今年2月に函館就航に向けて検討している旨の連絡がありまして,この間,面会など情報交換を続けている段階です。
(記者)
クルーズ船についてですが,本年度クルーズ船の寄港予定は70回以上と過去最多を更新する見込みです。港には多くの観光客が降り立って観光に出かけていますが,クルーズ船の乗船客はオプショナルツアーに参加する方がほとんどで,なかなか地元への経済波及が難しいという話も聞きます。今後もクルーズ船の入港は増えていくかと思いますが,全く地元に還元しないというわけではないかと思いますが,さらに地元に還元していくために何かお考えがあればお聞かせいただければと思います。
(市長)
オプショナルツアーが多いと,地元への還元が薄いのでしょうか。
(記者)
大きな観光施設を巡るものになるので,そういった意味では,地元にきちんと還元されているとは思いますが,一方で地元のお店とか,あと,もっと観光客がたくさん来ているのであれば,もっと交流してもいいのではないかという市民の声を聞いたりするので聞いてみました。
(市長)
何か具体的な戦略とかプランを立てたりということではありませんが,クルーズ船の誘致をする協議会とか,港湾に関する協議会で,市も入りながらいろいろな意見交換をしています。
私の肌感覚ですが,初めのうちは外国の方に急に来られて,例えば地元向けの商品を売っていたとすれば,なかなかマッチングしません。でも,だんだん外国人の方が求められているものに対する,こちらもwin-winになるような商品提供ができるケースもあるようで,必ずしも外国人に合わせた商売をしなさいということではもちろんありませんが,ちょうどうまくマッチングするケースも出てきているようで,売り上げに繋がっているという話もよく聞きます。そこの商店街やそこのエリアでいろいろ考えながらインバウンドの方をある意味取り込みながら,あと地元のお客様との共存もうまくやっていこうと考えているお店とか事業者の方が増えているという感じがあります。
これからもいろいろ情報共有しながらクルーズ船による経済効果を高めて,それを地域に還元できるような取り組みをしていきたいと思います。
(記者)
今各都道府県で市役所の公用車のカーナビのNHK受信料が未払いになっているという発表が相次いでいます。先日,函館市役所でも未払いが発覚していると思いますが,市長としての受け止め,そしてなぜ支払いがなされていなかったのか,そして今後の対応についてお伺いします。
(市長)
全国の自治体で,公用車のカーナビやワンセグ機能付きの携帯電話に係るNHKの受信料未払いが報じられていることを受けまして,函館市における状況を調べた結果,公用車や携帯電話の受信契約を結んでいなかったことが判明しました。件数については現在確認中であり,調査がまとまり次第公表していきたいと考えています。
今後は,NHKと契約方法や未払い分の支払方法等について協議を行いまして,必要な手続きを行うこととしています。また,公用車や携帯電話を調達する際には,業務上特に必要がある場合を除いて,テレビ放送の受信機能がない機器を選定するなど庁内に周知して,適正な事務処理の徹底を図っていきたいと考えています。
(記者)
GXについて質問します。市長は市政執行方針の中でGXについて他の道南の市町と連携しながら,函館港の脱炭素化計画の策定も進めるとおっしゃっていますが,具体的に函館港を活用したGXの取り組みはどんなことを想定されているのでしょうか。また,道南エリアの中では洋上風力などの計画が進んでいますが,函館市としては今後GXを取り組みながらどのようなまちづくりをしていくのか,具体的な内容や今後のスケジュール感をお知らせください。
(市長)
これは北海道と連動するというのがやはり1丁目1番地なんです。北海道に様々な情報が集中しています。北海道の東京事務所で会議を行うようなケースもありますし,北海道庁だけではなく経産省とか,国土交通省,それから関係をしてくる企業とか,そういったところからの情報収集が非常に急ピッチで行われているところです。
そして,特に北海道全体もそうですが道南は1番最初に実際のフィールドとして期待されているところでありますので,檜山沖,それから松前の区域の進展と連動しながら,函館港は重要港湾ですから,果たす役割は必ず大きいものがありますので,それについてどういった形で函館市が取り組むのが良いのか,逆に言えば,そのスケジュール感みたいなものも,現在道が組み立てていくものからセットバックしながら,このタイミングでここの関係機関と連携していくべきということをいろいろ調整しているところであります。
いずれにしても,GXに関しては公のもの,それから民間投資も含めて,大変大規模な資金が流入してくるものであります。そうした中で,始まると一気に展開していきます。そういったときのために,例えば規制という言い方はちょっと違うのかもしれませんが,あらかじめ函館市が準備しておかなければならないものがあると思います。どんどん建設が進んでいったときに,それだけを見守ると多分難しい面が必ず出てきますので,そういうところも含めて道南市町の首長との連携,北海道,経産省をはじめ関係省庁との情報収集に全力を挙げているところです。
(記者)
2月のGXセミナーがあったかと思いますが,その中で基地港ではないにしても拠点となるような港湾で函館港を活用できるのではないか,SEP船を引き込んでこられるのではないかというような提案がありましたが,函館港がどういう活用方法ができるのかという調査はもう具体的にしているのでしょうか。
(市長)
何か市がコストをかけて,その調査をする必要が今あるわけではありません。ただ,どのような活用ができるのかについて,函館市は港湾管理者ではありますが,やはり道庁を中心としながら関係機関や関係企業がいろいろな情報交換を行っています。そのような中で,先ほどのSEP船のお話もありましたが,具体的に函館港にSEP船が寄港して,それによってGXの推進に貢献できるのではないかということが動いている部分があります。今何か市がプランを作って進めないと物事が進展していかないかというと,そうではないので,しっかりと関係機関と連携しながら情報共有して,ステップを上がっていくという段階です。
(記者)
道南いさりび鉄道の赤字補てん割合の見直しについて質問します。北海道は現行の8割の負担を5割に引き下げる方向で検討しています。函館市は現在4.4%を負担していますが,これを引き上げるとなると受け入れられるのかどうか,市長のお考えを教えてください。
(市長)
まず,突然の報道でした。負担割合について8対2だったものを1対1にしていく,既定路線のような報道のされ方でした。それについては道庁もそうですが,函館市,北斗市,木古内町としても非常に驚いていたということで,丁寧な,当たり前に進むべき議論がちょっとざわっとなり,そのことについて非常にある意味残念に思っているところであります。
そして,この8対2とか1対1みたいな数字が踊っているのかもしれませんが,道南いさりび鉄道は実は本当にいろいろな課題を抱えています。経営上,それから,実際の業務を含めてそういった課題をしっかり解決すると同時に,負担割合について話題に出ることはもちろん悪いことではありませんが,非常に大きな視点で見るべきだと思います。
まず,北海道の物流の大動脈を担っているということ,それから,確か平成24年だったと思いますが,そのときに立てた収支の見込みを例えば下回るということになれば,前提となっている基準を見直すだったか再検討するという条文というか項目があると思います。ただし,それは事業形態や各自治体の負担割合など再検討するというような書き方をしているように,そもそも収支が下回って改善の見込みがなくなってきたという状況になったときに,事業形態というのはつまり鉄路なのか鉄路以外なのかという大きな話だと思います。鉄路が絶対に必要ではないのかという議論とか,先ほど言ったような北海道の物流の大動脈であるというような視点を無視してというか,一足飛びに8対2が1対1という議論になるわけがないと思っています。
ですから,いずれにしても道南いさりび鉄道には様々課題を抱えておりまして,第2次経営計画が今策定されたところですから,それに沿って道や沿線の市町としっかり連携していかなければならないと思っています。
(記者)
根崎ドッグランについて質問します。
ゴールデンウィーク中に根崎公園のドッグランで,小型犬専用スペースを利用していた小型犬が大型犬に襲われて亡くなってしまったという情報がSNS上で拡散されています。市が管理している施設でトラブルが発生してしまったことについて,市としての受け止めをお聞かせください。
(市長)
根崎公園のドッグランは,飼い犬の運動不足による肉体的・精神的ストレスの解消のために,犬と飼い主を繋ぐリードを外して自由に運動させたり,遊ばせたりすること,それから,飼い主のマナー向上や犬のしつけをすることを目的として設置している施設であります。平成に入って犬を飼う家庭が増加してきた中で,函館市で平成14年度に整備したものでありまして,小型犬から大型犬まで共通のスペースのほかに,小型犬専用のスペース,それから水飲み場などを設置しているところであります。
その中で今回,小型犬が大型犬に襲われて亡くなったという情報がSNSに掲載されました。SNSには小型犬の飼い主が小型犬を連れてドッグランの小型犬専用スペースに入ったときに,中型犬から大型犬とみられる5頭の犬が小型犬を襲ってしまったというように掲載されていました。ただ,詳細については現場に市の職員がいたり,委託事業者がいたりしたわけではありませんので,詳細を把握しているところではありません。
これまでも,市で他の利用者に対しての配慮とか利用する際のマナーを記載した看板を設置していました。その狙いとしては,利用者間にトラブルが発生しないように意識啓発に努めたところでありますが,今回のような大変残念な出来事が繰り返されることのないよう,利用者の皆様一人ひとりが利用する際のルールやマナーを守って,お互いに譲り合いながら事故のないように利用していただくことが,一番大事なことだと感じています。
(記者)
この件に関しては,ドッグランの入口にポスターを貼るなどをして既に対策は講じているかと思いますが,その他トラブル防止のために何か対策をされる予定はありますでしょうか。
(市長)
9日にあらためていろいろなルールを一部抜粋して分かりやすくした看板を見やすい場所に設置したり,また,大型犬・小型犬の区別ができるよう,その大きさの目安を示した看板を設置したほか,市のホームページにもその内容を掲載したところです。
愛犬家の方に非常に多く利用されていますので,今後においても利用者の状況を踏まえながら対策を検討していきたいと思います。
その他
(「つくる冒険 日本のアール・ブリュット45人-たとえば,「も」を何百回と書く。」の紹介)
(市長)
後ほど別に記者レクチャーが行われますが,机上に配布しているこちらのチラシになります。
このたび一般社団法人日本財団 DIVERSITY IN THE ARTSが,道立函館美術館との共催による企画展を,7月12日から9月7日までの期間で開催されることになりました。
「アール・ブリュット」とは,フランスの画家ジャン・デュビュッフェが精神障がい者や独学の作り手による既存の文化の枠組みには収まらないような独創的な作品に心を打たれて提唱した美術の概念です。
今回の企画展は,日本のアール・ブリュットの作り手45人による作品約450点を展示する予定で,過去最大級のスケールで日本のアールブリュット作品の数々を鑑賞いただける,またとない機会になると考えています。当市の進めるインクルージョンの理念に適うものでありまして,函館市としても応援しているところであります。
その他,今回のコレクションには,北海道出身の作り手4名の作品が含まれているほか,本企画展の開催に合わせて道南地域のアール・ブリュット作家の作品も紹介される予定になっています。
ぜひ多くの方にご覧いただきたく,私から紹介させていただきました。
※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

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