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市長記者会見(令和6年2月7日)

公開日 2024年02月19日

更新日 2024年03月19日

記者会見

日時・場所

  • 日時 令和6年2月7日 水曜日 午後1時30分
  • 場所 市役所8階大会議室

会見事項

会見の様子(動画)

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発表事項

(市長)
 お忙しいところをお集まりをいただき,ありがとうございます。
 令和6年度予算案の概要がまとまりましたので,皆様にご説明いたします。
 お手元に資料をお配りしておりますが,私からは,総括的に予算編成の考え方などについてお話させていただきます。
 資料の1ページをお開き願います。
 令和6年度の予算編成の考え方についてですが,国の総合経済対策である定額減税の影響に伴う市税収入の減少はあるものの,譲与税交付金,地方交付税は増額を見込んだところでありますが,歳出においては,物価高騰などに伴う資材価格や労務単価の上昇による委託料等や,高齢者人口の増加に伴う介護保険や後期高齢者の医療給付などの社会保障関係経費が負担増となったところであります。
 このような中,予算編成にあたりましては,今後も着実に行財政改革を推進し,健全な行財政運営に努めることを基本に,限られた財源の中においても,喫緊の課題である人口減少への対策として,子ども・子育て,教育など,未来に向けた効果的な施策を総合的に実施するとともに,誰もが幸せにあふれ,安心して暮らすことのできるまちづくりに向けた各種施策に取り組むこととし,子どもたちの未来を守ります,医療・福祉・暮らしを支えます,経済・観光を再生します,文化・スポーツ振興で未来を育みます,の4つの分野を柱として,予算を編成したところであります。
 その結果,一般会計は1,432億7,000万円で,令和5年度の6月補正後の予算額と比較して3.7%の減,特別会計は963億9,900万円で3.8%の減,企業会計は516億5,700万円で4.1%の増,合計では2,913億2,600万円で2.5%の減となったところであります。
 次に,歳入・歳出についてご説明いたします。
 2ページをお開き願います。
 歳入についてですが,予算計上の考え方につきましては記載のとおりでございまして,まず,(1)の市税につきましては,税制改正による定額減税に伴う減額や固定資産の評価替えなどを勘案し,前年度比2.0%減の313億4,000万円を計上いたしました。(2)の譲与税・交付金は,地方財政計画などを参考に,定額減税に伴う減収補填特例交付金など,前年度比3.4%増の93億1,800万円を計上いたしました。次に,(3)の地方交付税ですが,普通交付税と特別交付税の合計で前年度比5.0%増の345億7,500万円を計上いたしました。(4)の臨時財政対策債は,地方財政計画などを勘案し,前年度比63.0%減の6億3,000万円を計上いたしました。なお,米印に記載の地方交付税と臨時財政対策債の合計では,前年度予算に比べ5億7,800万円の増,また,その下の参考に記載のとおり,令和5年度見込額に比べ6億9,700万円の増となっております。
 次に,3ページをお開き願います。(5)の市債につきましては,事業費の財源として地方債計画などを参考に,前年度比25.7%減の64億4,800万円を計上いたしました。なお,参考として市債残高の状況を記載しておりますが,一般会計につきましては,過去に発行した市債の償還に伴う減や臨時財政対策債の発行減により減少する見込みでございまして,全会計合計におきましても70億7,500万円減少する見込みとなっております。
 次,(6)の基金繰入金ですが,(ア)の財政調整基金につきましては,定額減税調整給付金など,国の総合経済対策および情報システム標準化関係経費など臨時的財政需要の一般財源相当分に対して,14億6,500万円を繰り入れることとしたところであり,
令和6年度当初予算における残高は約71億円となる見込みであります。
 (イ)の公共施設整備等基金から(オ)のその他特定目的基金につきましては,事業の実施に必要な財源として,記載のとおりそれぞれ繰り入れるものでございます。
 次に,4ページをお開き願います。
 歳出の概要ですが,予算計上の考え方や一般会計の性質別の内容は記載のとおりとなっておりまして,主なものでご説明いたしますと,人件費は,職員数や定年および普通退職者数の増などを見込み,前年度比8.5%の増,扶助費は,障害福祉費の増のほか,児童手当において対象年齢の引き上げなど,国制度の拡充による増などを見込み,前年度比 0.8%の増,物件費および補助費等は,新型コロナウイルス感染症関係経費などの減により,前年度比物件費では11.0%の減,補助費等では9.5%の減,普通建設事業費は,千代台公園陸上競技場改修事業や消防緊急情報システム整備の減などにより,前年度比3.8%の減となっております。
 次に,5ページをお開き願います。
 特別会計・企業会計の概要でありますが,港湾事業については,弁天地区などの整備に伴う国直轄の整備負担金などを計上いたしました。次に,国民健康保険事業については,保険料率の統一に向けた賦課割合の改定によって生じる保険料負担の激変緩和を図るため,基金を活用して保険料上昇の抑制を図ったところでございまして,その結果,1人あたりの保険料は,8万1,105円としたところでございます。自転車競走事業については,記念競輪の開催経費などを計上し,収益金については一般会計へ繰り出すほか,施設整備基金へ積み立てることとしております。介護保険事業については,第9期介護保険事業計画に基づき,保険料を6,640円に改定するものであります。水道事業,公共下水道事業,交通事業および病院事業については,記載のとおりとなっております。
 次に,6ページをお開き願います。
 主要施策の主な内容でございまして,4つの分野の柱ごとにご説明をいたします。
 まず,(1)「子どもたちの未来を守ります」についてでございますが,令和5年6月補正予算に準備経費を計上しておりました第2子以降の保育料の完全無償化や,小学校へ入学した子ども1人あたり10万円の祝金の支給を実施するほか,公立はこだて未来大学の授業料・入学料について,入学時3年前から函館圏域に生計維持者が住所を有する学部生を対象として無償化いたします。また,保育人材の確保を図るため,保育士等として新たに就労する方および継続して就労する方への奨励金の支給のほか,特別支援教育支援員等を増員するとともに,子どもの居場所づくりの推進にかかわって,小学生を対象に町会館等において学習支援をきっかけとした居場所づくりを新たに実施するほか,生活困窮世帯の中学生を対象とした放課後の無料学習支援事業の定員を拡充いたします。
 次に,(2)「医療,福祉,暮らしを支えます」についてでございますが,看護系大学等の設置可能性について議論する検討会議を開催するほか,介護人材等の確保を図るため,介護職等として新たに就労する方への奨励金の支給や,施設や設備の老朽化が進んでいる南茅部病院の移転新築に係る基本設計を実施いたします。また,老朽化している道路の適切な維持管理に向け,損傷状況を把握する調査の実施や,バス・タクシーの公共交通運転手の確保を図るため,従業員の二種免許取得費用を負担する公共交通事業者に対する助成のほか,西部地区においてAIデマンド交通の導入に向けた実証運行を実施するとともに,高齢者の外出を支援するため,交通料金助成の上限額を引き上げます。さらに,重度障がい者等への就労支援として,通勤支援や職場などにおける業務介助などを行うとともに,動物愛護管理センターを開設し,北海道と共同運用いたします。
 (3)の「経済・観光を再生します」についてでございますが,ブルーカーボンについて,養殖コンブのCO2 吸収量をモデル地区で調査するほか,市内中小企業等の人材の確保に向け,新たに就職する若者の奨学金の返還支援や,民間事業者のノウハウを活用し,ふるさと納税寄付拡大を目指すとともに,食品関連事業者が行う商品開発への支援を行い,新たな特産品開発を促進します。また,さらなるインバウンド需要を掘り起こすため,アメリカ市場へのプロモーションの実施や外国人観光客を東京から東北・函館へ誘客するイーストジャパン・キャンペーンを実施するほか,函館空港国際航空便の就航促進を図るため,函館空港に就航する航空会社への支援を行います。さらに,移住・定住者誘致を推進するため,移住検討者への宿泊料の助成や移住者への支援金の支給のほか,本年度実施しております新幹線の函館駅乗り入れに関する調査結果について,議会や市民の皆様への説明や関係機関との調整を行いながら,検討を深めてまいります。
 最後に,(4)「文化・スポーツ振興で未来を育みます」についてでございますが,(仮称)総合ミュージアムの整備に向け,関係団体等により構成される検討会議を開催するほか,本年8月に開催されるモルック世界大会を支援してまいります。
 以上,私から予算案の概要をご説明いたしましたが,7ページ以降の資料は,事前にレクチャーをお受けのことと存じますので,省略させていただきます。
 以上でございます。

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幹事社質問

(記者)
 2024年度(令和6年度)の予算編成にあたってどんな点に力を入れましたか,お伺いします。
(市長)
 令和6年度,2024年度の予算編成につきましては,市民の皆様の安全・安心な暮らしを守るということはもとより,喫緊の課題である急速な人口減少への対応に取り組むこととしたところであります。これらは,何か1つの事業で解決するものではなく,各種施策を総合的に実施する必要がありますが,とりわけ人口減少対策については,子ども・子育て,教育といった未来への投資に注力するということが重要であると考えておりまして,若い人に選んでもらえる魅力のあるまち,安心して暮らすことのできるまちの実現に寄与するものと考えています。
 昨年6月の補正予算に計上して準備を進めてまいりました第2子以降の保育料の完全無償化ですとか,小学校に入学した子ども1人あたり10万円の入学祝金の支給を実施することに加えまして,公立はこだて未来大学の授業料・入学料の無償化のほか,学習支援をきっかけとして,子どもが家庭や学校以外にも安全で安心して過ごすことができる居場所づくりなどの施策にも新たに取り組んでいくこととしたところであります。
 加えて,幅広い世代のウェルビーイングの向上にも配意したところでありまして,例えば,高齢者の交通料金助成の拡充でありますとか,働く世代のがん対策や糖尿病対策など,健康増進の制度などにも意を配したところであります。

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各社質問

(記者)
 人口減少対策に関係する政策について,いくつか挙げていただきましたが,こういった政策がおそらく市長の中で体系立てて考えられているのかと思います。どのような効果がそれぞれあって,どのような未来に繋がっていくというようなビジョンを描いているのか教えてください。
(市長)
 先ほども申し上げましたが,何か1つ魔法の杖で人口減少の対策ができるものでありませんし,腰を据えて長期的に取り組まなければならないものが多いところであります。一方で,非常に加速している人口減少を最小限に食い止めていくために,昨年6月に設置しました人口減少対策本部において重点方針であります,移住・定住の促進,それから子ども・教育への支援,そして仕事の創出という柱を掲げたところでありまして,本部会議において関係部局に対し横断的に取り組みを行わせています。
 この3つの重点方針の達成に向けて,令和6年度の予算の主な取り組みとしては,1つ目の移住・定住の促進については,まず移住のセクションを新たに設置する,移住支援金の拡充,それからお試し移住の新規実施など,2つ目の子ども・教育への支援については,第2子以降の保育料無償化の実施とか,入学祝金の支給,公立はこだて未来大学授業料の無償化など,そして,3つ目の仕事の創出については,市内企業の認知度向上を図るための函館エリア企業採用情報発信支援事業を拡充しています。その他,奨学金の返還支援事業や企業誘致のためのさらなる強化のための会議を設置するなど,総合的に事業を実施する予定としております。
 今後も効果的な施策を迅速に実施していくことで,人口減少対策を積極的に進めてまいります。

(記者)
 今回の予算を全体的に見たときに,市長のいわゆる目玉と言えるような政策というのが,基本的に民生分野が中心といいますか,子育て・教育が中心という印象を受けましたが,そういう理解でよろしいでしょうか。
(市長)
 何かストーリー的にはそういう話ぶりになってしまったのかもしれませんが,最初の幹事社質問のときに申し上げたのは,市民が安全で安心できる暮らしを守っていく,それはもとより,急速な人口減少に対応していくという重点の置き方です。言ってみれば,どこか1つ何かその花があるような予算にはどうしてもならないのが今回の予算組みだったという印象があります。
 もちろん,人口減少対策にあたって,未来への投資が大事であるというストーリーをいろいろな場面でどうしても語るので,そこに重点を置いたように見えるかもしれませんが,一方で,幅広い世代の市民の幸福度を上げていく,そして,先ほど申し上げた安全で安心できる暮らしを守っていくことが,地方自治体の根本的な使命ですから,総合的な予算づけになっているかと思います。
 民生部門とか子どもだけにフォーカスしたという印象ではありませんし,実際そういう予算ではありません。

(記者)
 ちょっと細かい施策についてお伺いします。ふるさと納税の令和6年度の目標額が30億円になっています。今年度が20億円で,2年目の新年度が30億円ということで,4年100億円を目指している中で,新年度の30億円という設定がちょっと少ないのではないかという印象を受けました。どのような理由で30億円の設定になったのでしょうか。
(市長)
 まず,今年度はふるさと納税に係る業務をお手製といいますか,直営でやっています。ふるさと納税の業務を行っている課は,他にもいろいろ総括的な業務を行っている課で,それほど人員の多くない中で,物産協会のスタッフと直営で行っているのが今年度の進め方でした。
 既に10億を超えている自治体は他にもありますが,10億円を超えてくると,相当に膨大なタスクがありまして,なかなかこれを直営でやるのは大変で,多分そのような自治体はほとんどないのではないかと思います。ただ,令和5年度については,私が市長に就任したのが年度の途中からでしたので,令和6年度からは包括委託で行いますが,そういう切り替えができませんでした。ですから,本格的なスタートは,来年度からになるというイメージでいます。
 また,なぜ30億円にしたかということですが,何か緻密な数字を積み上げていくことが今からできるわけはもちろんありません。例えば,イメージですが,30億,60億,90億,最後10億の分のラストスパートで100億に届くという,そういう感じでいけるのではないかというもので,本当にイメージです。
 決して,来年度,令和6年度の30億円が少ないとは全く思っていません。良いところではないかと思います。感も入っていますが,決して少ないとは思っていません。

(記者)
 新幹線乗り入れの検討調査費として50万円が入っています。これはおそらく説明にあたっての出張経費の金額なのかと見たのですが,例えば3月下旬に示される調査の結果次第では補正するのかどうか,どういう見立てて今後調査費が増えたり減ったりするのか教えてください。
(市長)
 ご指摘のとおりです。3月に調査結果が出ますので,その前に何か予算付けをして動くという段階ではありません。ただ,出張旅費は必要なので予算として計上していますが,3月に調査結果を得た後にどのような展開になるかについては,今後の検討事項ということになります。

(記者)
 行財政改革についてお伺いします。限られた財源の中で施策をそれぞれ考えられたと思いますが,今回は,例えばどういったところで切り詰めていったといいますか,厳しい財源の中で財源を確保していくためにどのような努力があったのか,教えてください。
(市長)
 財政の見通しを令和4年3月に出しています。これを踏まえて令和5年度予算とかいろいろ検討してきました。その後,想像以上に物価高騰が進み,いろいろなコストが高くなっておりまして,今回予算を組むときの非常に苦労したポイントになっています。その他にも突発的な需要というのが,多々あります。
 ですから,今回なかなか盛り込み切れなかったもの,特に一度制度化すると後年次に負担が生じるようなものは盛り込めなかったのが大いにあったというのが本当のところです。こうした中で,先ほども限られた財源の中でということと申し上げましたが,やはり既存事業を検証して見直していくというのもそうですし,それから自主財源をしっかり確保していくということは,不断の努力として当然にやらなければならないところです。
 今回に関して言うと,本当に様々な分野で細かく既存の事業も新しい事業についても精査をしました。ただ,既存の事業を,例えば何か大きくこれをやめましたとか,すごく話題性があるというか,あるいは市民にも影響が出るようなものについては,あまりないような格好で落ち着かせることができました。例えば,多岐にわたって小さな節約を重ねるとか,そういったことによって今回の予算編成に何とかこぎつけたところであります。
 いずれにしても財政的に厳しい状況がこれからも続いていくと思います。例えば,起債の償還が増えていく時期も出てくるでしょうし,大きな施設の改修というのも出てくると思います。また,学校のクーラーについてもかなり大きな金額になってきます。本格的に設置していくのは令和7年度以降になってくると思いますから,その時期を見据えて,財政規律についてはしっかり重んじていかなければなりません。一方で,この人口減少対策は本当に待ったなしの課題が多いので,メリハリをきかせて今後の財政運営に臨まなければならないと,今回編成してみて思いを新たにしたところです。

(記者)
 主な施策の内容で新たな特産品開発の促進というものが今回入っていますが,これはふるさと納税の拡大を目指す中でのものなのか,あるいは特産品のイカが不良だからとか,理由とか狙いを教えてください。
(市長)
 函館の特産品については,例えば物産店での販売とか旅行者のお土産とか,それから今話のあったふるさと納税の返礼品とか,いろいろなニーズを踏まえながら多くの人から選ばれるための魅力ある特産品の開発促進については,必要というか不可欠な取り組みであります。
 一方で,お話のあったイカの不漁によってこれまでも魚種転換の補助金を出してきました。これはイカの製造からイカ以外に切り替えるときに補助金を出していたものですが,今回は,より狙いを広くしたと言った方が正しいと思います。特産品の開発に向けての補助金ということになります。やはりエネルギー価格や物価高騰が非常に影響していますので,市内事業者の厳しい経営環境はずっと続いていますので,イカ加工業者も含めた新商品の開発に取り組む食品関連事業者に対しまして,経費の一部を助成する制度を今回新たに創設したところであります。
 具体的には,補助率は3分の2で,補助上限額は500万円としています。もちろんこれによって,ふるさと納税の返礼品の開発にも繋げていくという狙いがあるのは,もちろんでございます。

(記者)
 予算の話から離れますが,スルメイカの不漁の件について,お伺いします。シーズンが昨年6月から先月末で終了し,取り扱い量が過去最低になりました。まず,これに関しての市長の受け止めをお願いします。
(市長)
 大変な事態だということに尽きます。グラフで見ると,想像をはるかに超えるような,考えられないような減り方をしています。漁家にしても,それからイカの水産加工業者にしても,もうかなり前から非常に苦しんでいる状態であります。特に,燃料が高くなっておりますので,出漁してもどうにもならないときもある状況ですので,非常に厳しい,そして喫緊の課題というのが印象というか認識です。

(記者)
 現在,市として燃料代を補助したり加工業者に補助したりしていると思いますが,今後さらにどのような支援が必要だと考えていますか。
(市長)
 まず,燃料代の支援については,もちろん引き続きやらなければならないと考えております。加工業者について,魚種転換の補助金を始めた頃は,補助金の使いにくさなのか,あるいはそう簡単に切り替えられないなど,いろいろな事情もあったかもしれませんが,あまり利用されていませんでした。ただ,だんだん利用される傾向が出てきましたし,いろいろと動きが広がってきているということもあります。ですから,今回は,もちろんイカからの転換ということもありますが,その他のものも踏まえてはいますが,引き続きイカから業種転換する水産加工業者に対して支援をしていくことについては,引き続き行ってまいります。

(記者)
 漁師さんからは,高齢化が結構進んでいて,若い人はイカが取れないからやりたくなるような職種ではないという話を聞いています。このままではイカの漁師さんがいなくなるのではないかという話をしている人もいまして,やはりイカのまち函館のブランドの一つがイカだと思うので,なかなかイカが取れない状況になってくると思いますが,イカが食べられないとなると観光にも影響が出る可能性があると思います。その辺はどのようにイカのまちとしてのブランドを保持していくために,何か対策は考えていますでしょうか。
(市長)
 重要な視点が2つあると思います。それは,イカの不良により後継者がいないという人手不足にも繋がるような産業構造の視点と,それから食のブランド,まちとしてのブランド力のお話と2つ含んでいるのではないかと思います。その2つとも本当にこのまちが抱える一番のテーマであり,大問題であります。
 漁業もそうですが,農業も含めて,どの分野も人手不足ですが,1次産業の後継者不足についてはそのままにしておいて良いわけはありません。1次産業をしっかりとケアしてサポートすることは,とても重要なことと思っています。そのため,後継者対策を今回盛り込んでいます。
 その他,イカも本当に厳しい状況ではありますが,その他にも海水温の変化によって捕れる魚種が変わってきておりまして,これまでの主力の魚類がほとんど捕れなくなっているものが多くあります。もちろんコンブもそうです。ですから,函館や近郊の漁業全体にとって今本当に正念場を迎えていると思いますので,知恵を合わせて,それから北海道とも協力しながら,人手不足対策,後継者の育成や確保に取り組んでいきます。
 一方,ブランドの方についても,これまでとちょっと違う形のプロモーションが良いのかどうか,ブランド構築に知恵を出していかければならないと思います。これも市役所だけで知恵が出てくるものでもありませんから,幅広く協議をしながら,ブランド構築にもしっかり力を入れて,食のまち,食の都「函館」を確立・推進していきたいと考えております。

(記者)
 予算の話に戻ります。市長は先ほど,健全な財政運営に努めることを基本に編成されたとおっしゃっていましたが,当初予算で1,400億円台は過去最高で,コロナ禍前からすると,かなり繰り上がっているような印象を持っています。それに加えて財政調整基金にも14億円手をつけていらっしゃるということで,1つ目として,市長はこういう大きな予算になってしまったことについて,なぜこうなったのかと思っていらっしゃるのか。また,今後の話になりますが,なかなかこういう規模の,財調であれば14億円を毎年使い続けたら5年でなくなりますので,翌年度以降難しくなるのかと思いますが,どのように財政規律を守りながら公約を実現していこうと考えていらっしゃるのか,この2点についてお聞かせください。
(市長)
 財政調整基金については,これまでも突発的な災害への対応とか,あるいは臨時的に多額の財政需要が生じるときに,現在の財政状況,それから今後の財政の見通しを勘案して,適時・適切に活用してきたところであります。その時々の事情によって,うまく積み上げられるときもあれば,使っていくようなときも出てくるわけでございます。
 今回の繰入については,定額減税の調整給付金,国の総合対策に伴う経費の一般財源相当分で,この分が1億数千万円です。また,国の標準化の動きに合わせてシステムを再構築しなければなりませんが,これにもかなりコストがかかりまして,持ち出し分もありますので,そこに今回充当しています。
 それから,日乃出清掃工場の焼却炉を更新していますが,焼却炉の停止期間については適切なゴミ処理をしなければならないということもあります。そして,もちろん小・中学校のスポットクーラーの冷房機器の購入もあります。そのような臨時的な財政需要がちょうど重なった時期という認識です。結果的に,14億6,500万円を今回繰り入れておりますが,これをずっと続けていくわけにはいきません。
 先ほど,ふるさと納税が30億円では足りないのではないかという質問がありましたが,そういったことを考えれば,確かにもう少しふるさと納税について野心的に予算組みをしても良いのかもしれません。ふるさと納税,それから宿泊税についてこれから着手していきますが,自主財源の確保についてしっかり検討しなければならないと考えております。

(記者)
 先ほどの質問と重なるところがありますが,なかなか財政が厳しくて入れられなかった施策があったというお話があったかと思いますが,仮に入れられない施策としてどのようなことを考えていらっしゃたのかというのが1つと,逆に,これだけは絶対に入れたい,今回どうしても入れたいという施策があったとすれば,それが何で,どういう理由だったのかということを教えてください。
(市長)
 1つ2つ挙げるという次元では実はありません。138もの公約があって,その中には予算が必要なものや必要ではないものが様々入っていますが,その中で今回盛り込まれてるものは40前後だと思います。取り組みたいものは本当にたくさんありますし,この1年間だけでもう新たな課題も出てきております。
 いずれにしても,既存の事業で見直しができる部分はあると思います。あるいは,もっと国とか北海道の交付金とかを活用できる要素はあると思いますので,そちらの方もしっかり精査して進めたいと思います。

(記者)
 最後に,予算と離れてしまいますが,函館の観光大使についての記事を掲載しました。そのことについてお伺いします。函館の観光大使については,ホームページなどで一般公開されていませんが,情報公開請求を行ったところ292人の方々の名簿が公開されました。取材した関係で専門家からは公表すべきではないかという声もありますが,今後公開するとか,対応を見直すということは検討されていますでしょうか。
(市長)
 今回の新聞記事を見て認識したという,正直そういう段階です。情報をしっかりと把握してませんが,要は非公表を望む方が対象の中にいらっしゃるのだと思います。今回公開した292人の中に非公表を望んだ方も公開したのかどうか分かっていません。
 この分からない状況で喋ると,間違った回答になってしまうかもしれませんが,他の自治体では,例えば観光協会的な機能を担うところが委嘱をするようなところもあるのかもしれません。函館市は,自治体が委嘱をしていますので,公表しますかしませんかということを確認しているのかもしれません。
 あまり詳細な制度が分からない中で言うのもあれですが,市が委嘱をするのであれば,そもそも非公表を望むというケースは,むしろ違和感があるのではないかと思います。ただ,そのようなねやり取りをして292人の中に公表して良い方と公表を望まない方がいるのであれば,ホームページですべて出すということにはならないだろうというのが今の印象です。情報公開に対してどのように公開したのか分かりませんが,そういう認識です。

(記者)
 分かりました。そのような上であれですが,正直結構292人という数字は多いと感じます。今の段階での市長の考えをお聞きしますが,減らしていくとか,それこそやり取りをしていくとかということは考えていらっしゃいますか。
(市長)
 単純に数が多いですか少ないですかと聞かれたら,印象としては多いですという答えにはなりますが,ただ,私もよく知る観光大使の方はたくさんおります。活動に温度差はありますが,非常に頑張っていただいて,もう体を張ってPRしてくれる方もたくさんおりますし,本当に送り込んでくれる方もたくさんおりますので,何か減らすという発想は全く持っておりません。ただ,公表・非公表の取り扱いについては,よく観光部と話をした方が良いと思っています。

(記者)
 高齢者交通料金助成事業について伺います。全国的にいわゆる敬老パスの見直しが相次ぐ中で,今回助成金額が倍となるような事業を行う理由と財源をどのように確保しようとしているのか,お考えをお聞かせください。
(市長)
 高齢者交通料金の助成ですが,実は現在年間の上限額は6,000円です。これを,年間の上限額を1万円まで引き上げるというのが,今回の拡充です。
 函館市は,高齢化率はもちろん高いのですが,それだけではなく中核市や類似団体と比較して一人暮らしの高齢者が実は非常に多いという傾向があるまちです。それによって当然,一人暮らしだからすぐということではありませんが,外出を控えがちになったりします。外に出ないっていうのは,いろいろなコミュニケーションを取らなくなりますし,ひいては健康にも関わってくるものですし,場合によっては認知症のリスクも高まってきます。外出を何とか促していくというのは,非常に大事なポイントだと思っています。
 一昨年の7月に市役所を退職して,それから9か月間政治活動をしていろいろな所を回ってお話を聞きましたが,高齢者が多いまちですから,高齢者の方に非常によくお会いしました。その中で6,000円の上限額ではすぐなくなるので,何とかここを増やして欲しいという声が実は非常に多くありました。何かそれだけでやるというのはちょっとエビデンスが足りないような気もしますが,そもそも6,000円は決して多い額ではありません。かなり少ないです。1万円でも,どちらかといえば不十分ではないかと思います。高齢者の足という意味でも,それから外出をぜひ促したいという意味でも,これは最低限の対策だと思っています。

 

※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。

 

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