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令和6年度市政執行方針

公開日 2024年02月22日

令和6年度市政執行方針


1 はじめに 


2 主要施策の推進
   (1) 子どもたちの未来を守ります
   (2) 医療,福祉,暮らしを支えます
   (3) 経済・観光を再生します
   (4) 文化・スポーツ振興で未来を育みます


3 むすび

 

アンカーアンカーアンカー1 はじめに 

 

 令和6年第1回市議会定例会の開会にあたり,市政執行につきまして,私の所信を申し述べさせていただきます。

 

 昨年4月に市民の皆様の温かいご支援をいただき市長に就任して以来,はや10か月が経過しました。私は,この間,市民の皆様の声に耳を傾け,その声に応えるべく,市民一人ひとりに温かく寄り添う行政を推進し,誰も置き去りにしない優しさに満ちたまちを目指して,各般の施策に全力で取り組んでまいりました。

 

 昨年は,新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行し,行動制限のない日常が戻るなか,全国各地で各種行事がコロナ禍前のように開催され,飲食や観光など様々な分野において社会経済活動や日常生活の正常化が進んでおり,本市も同様に,様々なイベントが開かれるとともに,国内外を問わず多くの観光客が訪れるなど,コロナ禍前の賑わいを取り戻してきております。

 

 一方,本市を取り巻く社会環境は大変厳しく,全国的な輸入物価の上昇に伴う物価高が依然として続いているほか,多くの業種で労働力不足が常態化するなど,急速に進む人口減少だけではなく,様々な課題が山積しており,誰もが幸せにあふれ,安心して暮らすことのできるまちを実現させることは,決して平坦な道のりではありません。これらの課題に対応すべく私が掲げる多くの政策につきましても,取り組みはまだ緒に就いたばかりでありますが,いつまでも住み続けたいと思えるような輝きに満ちたまちに向かって,市民一人ひとりの声にしっかりと耳を傾け,先を見越しながら着実に取り組みを進めてまいります。

 

 厚生労働省が公表した2022年(令和4年)の人口動態統計において,我が国の出生数は77万人と統計開始以降で最少を更新しているなか,本市の出生数も過去最少を更新し続け,2023年(令和5年)には954人と初めて1千人を割り込み,人口減少数も4千人を超えるなど,少子化と人口減少に歯止めがかからない状況にあります。
 また,国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと,2050年には我が国の人口が2020年(令和2年)から約2割,2,100万人が減少し,本市においては約4割,10万人が減少するほか,65歳以上の人口が半数近くを占めるとなっております。

 

 このような急激な人口の減少を最小限に食い止めるため,昨年6月に「人口減少対策本部」を立ち上げ,市の総力を挙げて取り組む体制を構築し,「移住・定住の促進」,「子ども・教育への支援」,「しごとの創出」を重点方針として,対策を進めているところであります。

 

 急速な少子高齢化と人口減少は,地域経済の縮小や地域の閉塞感を招くとともに,地域を支える人材の不足により,安全・安心なまちづくりの基盤をおびやかすことが危惧されます。
 人口減少対策は,一朝一夕に効果が現れるものではありませんが,若年層の流出を食い止め,選ばれるまちになるためには,結婚,出産,子育て,進学,就職などの人生の節目における,未来に向けた効果的な施策を総合的に実施する必要があります。

 

 こうした未来への投資は,将来世代のためだけではなく,現役世代の今後を支えるための投資でもあります。そしてまた,将来世代が次の函館の未来を創っていく。こうして,住みよいまちを将来にわたって残していくのは,私たち現役世代の責務でもあります。
 今ここに住む市民の皆様の安全・安心な暮らしを守ることはもとより,このまちの将来を担う人材を大切に育むとともに,若者たちがこのまちに残り,ほかのまちからも訪れ,生活の場として選んでいただけるよう,魅力あるしごとを創出し,活気にあふれ,賑わいのあるまちを目指していかなければなりません。

 

 こうした取り組みをスピード感をもって着実に推進し,若者をはじめとする多くの方に選ばれるまちの実現に向けて,力を尽くしてまいります。

    

アンカーアンカー2 主要施策の推進

 

 次に,主な施策についてご説明申しあげます。

 

(1) 子どもたちの未来を守ります
 

 1点目は,子どもたちの未来を守ることです。

 

 国においては,次元の異なる少子化対策を推進するため「こども未来戦略」を策定し,若い世代が希望どおり結婚でき,希望する誰もが子どもを持ち,安心して子育てができるとともに,子どもたちが,いかなる環境,家庭状況にあっても分け隔てなく笑顔で暮らせる社会の実現に向けて,取り組みを加速させています。
 本市においては,若年層の転出超過などにより,子どもを生み育てる世代が減少し,出生数の減少が続いているなか,この流れを早急に変えることが必要です。
 困難な課題である少子化対策を先送りすることなく,地域全体で子どもや子育て中の方々を温かく見守り,応援し,将来に明るい希望の持てるまちの実現に向け,効果的で切れ目のない施策を総動員し,取り組んでまいります。

 

 子どもを生み育てたいという希望がかなえられるよう,子育て世帯の経済的な負担の軽減を図るため,認可保育施設における第2子以降の保育料の完全無償化と小学校に入学した子どもへの1人10万円の祝金の支給を実施します。
 また,子どもにかかる教育費は大学在学中がピークとなることから,公立はこだて未来大学の授業料と入学料について,広域連合を構成している函館市,北斗市,七飯町に生計維持者が入学時3年前から継続して住所を有する学部生を対象に無償化します。
 このほか,不妊治療の支援にも引き続き取り組んでまいります。

 

 全ての妊産婦から,子育て世帯とその子どもまで,母子保健と児童福祉に関する相談支援を一体的に行う「子ども家庭センター」を設置し,児童虐待やヤングケアラーに対する支援体制を強化します。

 

 保育環境のさらなる充実に向け,保育人材不足に対応するため,保育士等の新規就労時および就労年数に応じた奨励金を支給します。
 また,国において新たな給付制度として検討されている「こども誰でも通園制度」については,本市における利用者のニーズ等の調査・分析を行うため,本格実施を見据え試行的に取り組みます。
 このほか,病気で自宅保育が困難な児童の一時保育を行う病児保育事業については,民間事業所の閉所により休止していましたが,市立函館病院の保育施設内において再開し,安心して子育てできる環境の充実を図ってまいります。

 

 放課後の子どもの安全・安心な居場所の確保を図るため,放課後児童クラブのエアコンの設置費用に対する支援を行うほか,南茅部地区において新たに放課後児童の預かり事業を実施するなど,子どもや子育て世帯にやさしい環境づくりに努めます。

 

 教育環境の充実については,デジタル社会にふさわしい学びの実現に向け,学校ICTサポートセンターの継続配置などICTを活用した学びの質の向上を図るとともに,学力向上非常勤講師の配置を拡充するほか,小学校でのスクールカウンセラーの派遣拡充や小・中学校の特別支援教育支援員の増員,不登校生徒への支援などにより,子ども一人ひとりの多様なニーズに応じた教育環境を整備してまいります。
 また,子どもたちの健康を守り,学習環境を改善するため,全ての市立の学校等の普通教室などにおける令和7年度(2025年度)以降の常設型エアコンの整備に向け取り組みを進めるとともに,当面の対策として,本年夏までにスポットクーラーなどを配備します。
 さらに,町会館等における学習支援をきっかけとして,子どもが家庭や学校以外にも安全で安心して過ごすことができる居場所づくりを推進するほか,生活困窮世帯の中学生に対する学習支援事業の定員を拡充し,将来の自立に向けた支援を行ってまいります。

 

 子どもたちや子どもを生み育てる世代が「函館で学びたい,学ばせたい」と思えるよう,未来を見据えた様々な学びの環境づくりを前に進めてまいります。

 

(2) 医療,福祉,暮らしを支えます
 

 2点目は,医療,福祉,暮らしを支えることです。

 

 このまちに住む誰もが安心して健やかに暮らし,市民一人ひとりが互いを尊重してともに生き生きと暮らせるまちを実現するため,医療,福祉サービスの充実など,市民の暮らしを守ることに力を注いでまいります。

 

 世界中で猛威をふるった新型コロナウイルス感染症については,令和6年度(2024年度)に高齢者インフルエンザ予防接種と同様に定期接種となることから,引き続き円滑かつ適正なワクチン接種の提供体制の確保に努めます。
 また,函館市感染症予防計画に基づき,新興感染症のまん延を想定し,感染症対策を担う人材の養成や保健師等の外部人材の受け入れ体制を整備するとともに,平時から感染症対策物資の備蓄を行うなど,有事における速やかな体制の構築に取り組んでまいります。

 

 少子高齢化の進行により,看護職や介護職の確保がより一層の課題となることが見込まれることから,幅広い知識と高度な技術を持つ看護師を地域で養成するための看護系大学等の設置可能性等について,外部有識者を含めた検討会議を設置し検討を進めるほか,介護サービス事業所や障害福祉サービス事業所における必要な介護人材の確保を支援するため,新規就労などに対する奨励金の支給を開始します。

 

 また,将来にわたって地域の医療体制を維持するため,施設や設備の老朽化が進んでいる南茅部病院について,有床の診療所としての移転,新築に向け基本設計を実施します。

 

 健康の維持・増進については,第3次函館市健康増進計画に基づき,引き続きがん検診の無料クーポンを発行し,がん検診の受診率が低い傾向にある40代の若い世代を含めた受診率の向上を図るとともに,様々な合併症などを引き起こす原因となっている糖尿病の発症と重症化を予防するため,運動や食生活の改善と健診の受診につながるイベントを開催するなど,「健康寿命日本一」を目指した取り組みを進めてまいります。
 このほか,骨髄バンクに登録するドナーの仕事や日常生活における負担軽減と登録者等の増加を図るため,新たな助成制度を設けます。

 

 地域住民が相互に支えあいながら,住み慣れた地域で安心して暮らしていくうえで重要な役割を果たしている町会の負担軽減を図り,持続可能な運営へと転換していくため,近年の物価高騰などの影響を踏まえ,街路灯の設置費用の助成を拡充するほか,若い世代の参画を促進するなど,町会活動の活性化に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 デジタルの活用が進む社会において,市民がより幸せを感じられる暮らしを支えるため,デジタル技術のさらなる普及・活用を図っていくことが不可欠であります。このため,函館市デジタル変革推進ビジョンに基づき,スマートフォンに関する教室の開催や相談窓口の開設により情報格差の解消に取り組むほか,官民協働の推進体制を整備し,地域課題の解決に取り組むことで地域のデジタル変革を推進してまいります。

 

 生活環境の維持・向上については,老朽化している道路の適切な維持管理に向け,損傷状況を把握する調査を行うほか,除排雪作業の効率化と市民サービスの向上を図るため,GPSを活用した除雪管理システムの試験運用を実施するなど,安全で円滑な交通環境を整備してまいります。

 

 公共交通では,バスやタクシーの運転手不足に対応するため,二種免許取得費用を負担する公共交通事業者を支援する新たな制度を設け,新規就業者の確保につなげるほか,西部地区において,利用者の予約に応じてリアルタイムに最適な配車を行うAIデマンド交通の導入に向けた実証運行を実施するなど,将来にわたって持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて取り組んでまいります。

 

 高齢者の社会参加を促進するため外出を支援する交通料金助成の上限額を引き上げるほか,全国で多発する特殊詐欺被害を防ぐための機器の購入を引き続き支援します。
 また,高齢者の運転免許の保有割合が増加傾向にあるなか,自動車の運転操作誤りによる重大な交通事故の防止や事故発生時の被害軽減を図るため,安全運転を支援する装置の設置に対して助成します。

 

 障がい保健福祉については,手話言語条例や障害者コミュニケーション条例の制定に向けて新たに検討委員会を設置し,検討を進めるほか,重度の障がいのある方などが,通勤時や職場等において障害福祉サービスと同等のサービスを受けられる制度を設け,社会参加の促進を図ってまいります。

 

 障がいの有無や年齢,性別,国籍などの違いを超えて,ともに活躍できる地域社会の実現を図るインクルージョンの理念を共有するため,その普及と理解促進に向けたイベントやセミナーを開催するほか,授産製品の販売促進と併せて障がい者等の芸術作品を展示するボーダーレスアート展を開催します。

 

 市立函館保健所や犬猫管理所で担っている動物愛護管理の機能を拡充するため,新たに北海道と連携のうえ,動物愛護管理センターの共同運用を開始し,保健所が引き取りした犬猫の長期収容や,新しい飼い主探しによる譲渡等を行うほか,動物の愛護や適正な飼養についての啓発を強化してまいります。

 

 近年,全国的に自然災害が激甚化,頻発化しているなか,本年1月1日に発生した能登半島地震では,石川県能登地方をはじめとした周辺地域に大きな被害をもたらしました。
 こうした予測困難な災害から市民の生命・財産を守るため,全庁的な災害対策の統括,調整などを行う危機管理監を新たに設置し,初動対応をより迅速かつ的確に行う体制を整備します。

 

(3) 経済・観光を再生します
 

 3点目は,経済と観光の再生です。

 

 長きにわたるコロナ禍を乗り越え,30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など経済に前向きな動きがみられるなど,我が国の経済は新たなステージに移行する好機を迎えております。
 本市においても,地域経済の本格的な回復やさらなる活性化に向け,様々な業種の経済活動を支援する取り組みを進めるほか,人材の確保や生産性向上による労働力不足の解消や,函館の発展を支える魅力ある仕事の創出などにより,地元の若者や移住を検討する方に選ばれるまちを目指してまいります。

 

 本市の基幹産業のひとつである漁業の振興については,漁業就業者の確保に向け就業体験を行うほか,海洋環境の変化などにより資源が減少している天然コンブの資源回復に向けた漁場の整備に引き続き取り組むなど,漁業の持続的発展につながる取り組みを推進してまいります。
 また,大気中の二酸化炭素のうち,コンブなどの海藻に吸収・貯留される炭素であるブルーカーボンについて,モデル地区を選定し,吸収量の調査を実施します。
 農業では,農村地域の自然や文化,人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動であるグリーン・ツーリズムの推進として,ツアー商品の造成やワインの普及と機運醸成を目的としたイベントを実施するほか,目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の策定を進めます。

 

 経済振興については,函館市中小企業振興基本条例に基づく中長期的な方向性を示す経済振興計画の策定に向けて検討を進めてまいります。
 また,市内での就職を促進し,本市の産業を担う人材の確保および定着を図るため,市内の企業などに就職する若者の奨学金の返還支援を行います。
 企業誘致については,新たに市内に立地する企業への設備投資等に関する助成を継続するほか,都市部における誘致イベントへの参加や,地方進出を検討しているIT企業等への効果的なPRを展開するなど誘致活動を強化します。

 

 ふるさと納税については,寄附額のさらなる増額に向けて,民間事業者のノウハウを活用しながら,返礼品の磨き上げや充実を図るとともに,市場の動向に即した効果的なプロモーションを行うなど,寄附額100億円の目標に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 函館の新たな特産品の開発につなげるため,食品関連事業者の新商品開発にかかる設備投資等を支援する制度を新たに設けるほか,海外販路の拡大を図るため,台湾で開催される物産展に参加し,本市商品の効果的なPRを行うなど,「食の都・函館」のブランド構築に向けた取り組みを進めます。

 

 函館駅前・大門地区において,函館の顔としてふさわしい新たな賑わい空間を創出するため,棒二森屋跡地の市街地再開発事業を支援するとともに,新たな公共施設の整備に向けた検討を進めます。

 

 世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」については,国内外へ魅力を広く発信するとともに,市民や観光客など来訪者の受け入れ体制の充実に努めるほか,世界遺産としての価値を広く伝えていく拠点施設の誘致に取り組むなど,引き続きその価値や魅力を高めてまいります。また,南茅部地域において,地域おこし協力隊による地域資源の掘り起こしや新たなブランド構築などを図ってまいります。

 

 令和5年(2023年)の訪日外国人旅行消費額が5兆円を超え過去最高を更新しているなか,本市においても,新たな観光基本計画に基づき,1人あたりの観光消費額の増大や宿泊日数の増加,繁閑差の是正など観光業の活性化に向けた取り組みを進めていく必要があります。
 このため,官民の幅広い連携による観光地域づくりを推進する法人の設立に向けて観光事業者や市民との意見交換会を行うほか,さらなるインバウンド需要を掘り起こすため,中国人富裕層やアメリカ人観光客の誘致に向けたプロモーションに努めるとともに,多言語に対応した映像コンテンツの充実を図ります。
 また,東北地方と連携し,外国人観光客を東京から東日本に誘客する「イーストジャパン・キャンペーン」や,函館山からの夜景の魅力向上と山頂展望台の混雑緩和に向けた実証事業を行うほか,アドベンチャートラベルの普及促進と未来の担い手の確保に向けた体験会を実施します。
 

 昨年は,台湾との定期便の運航が再開し,本年2月から新規航空会社による台湾定期便が就航したほか,香港と初めての季節定期便が就航するなど,航空路線の回復・拡大が図られており,今後も函館空港に就航する航空会社への支援を行ってまいります。
 また,新たに空港業務を担う人材の安定的な確保につながる支援により,空港運営会社と連携しながら路線拡大に向けて取り組んでまいります。
 今年度,過去最多に並ぶ47回寄港したクルーズ船については,来年度はその数をさらに上回る最多の寄港が見込まれるところであり,さらなる寄港に向け,アメリカで開催されるクルーズ見本市に青函圏が共同で出展するなど寄港地としての函館の魅力を発信し,積極的なクルーズ船の誘致を進めます。

 

 移住・定住の促進については,移住関連施策を含む人口減少対策を総合的に推進する担当課を新設し,移住検討者等のニーズに沿ったきめ細やかな対応ができる体制を構築します。
 また,移住検討者に対し,本市での移住体験にかかる費用を助成するお試し移住事業を実施するとともに,東京圏からの移住者の経済的負担を軽減する移住支援金の対象を拡充するほか,新たに移住サポーターを認定し,移住者や移住検討者への情報提供や相談対応を行う事業を実施するなど,効果的な移住・定住施策を進めてまいります。

 

 新幹線の函館駅乗り入れ調査については,本年3月中に取りまとめる調査結果に基づき,議会や市民の皆様への説明や関係機関との調整を行いながら,検討を深めてまいります。

 

 国においては,化石エネルギー中心の産業・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する,グリーントランスフォーメーション(GX)を通じた脱炭素,エネルギーの安定供給,経済成長を同時に実現するべく取り組みを加速させており,道南地域においては,先般「函館渡島檜山ゼロカーボン北海道推進協議会」を設立したところであり,北海道や国などとも緊密に連携しながらGXに関する取り組みを進めてまいります。
 本市においては,ゼロカーボンシティの実現に向け,引き続き,新エネルギーシステム等の導入に対する支援や省エネルギー性能の高い家電への買い換えを促すほか,新たに事業者向けの脱炭素セミナーを開催するなど,温室効果ガスの排出を削減する取り組みを進めるとともに,日乃出清掃工場の廃棄物発電を利用したエネルギー地産地消の取り組みの検討を進めてまいります。

 

(4) 文化・スポーツ振興で未来を育みます
 

 4点目は,文化・スポーツ振興で未来を育むことです。

 

 このまちを明るい未来に導くためには,市民生活を守り,子ども施策の充実や地域経済の活性化を図ることはもとより,私たちに感動や活力,心の潤いをもたらし,地域に誇りと愛着を生み,心豊かな社会を育む,文化・スポーツの振興は重要であります。
 このため,市民の皆様が文化・スポーツに身近にふれあう機会を提供するとともに,国内外の多くの方々をひきつける新たな魅力づくりに努めてまいります。

 

 文化財等の保存整備については,五稜郭跡の石垣修理を行うとともに,歴史的建造物の修理等の支援に引き続き取り組むほか,大船遺跡について保存活用計画を策定し,新たな魅力創出による積極的な活用を図ってまいります。
 また,西部地区ならではのまちづくりを推進するため,重要な既存ストックである西小・中学校跡地の有効活用に向け公募型プロポーザルを実施するほか,歴史的な町並み景観を守り,未来へとつなげるため,市民活動団体との協働により,フォーラムを開催します。
 

 多くの市民や来訪者に利用されている市民会館については,新たにWi-Fi設備を設置し,文化活動やイベント,コンベンションなどにおける利用者の利便性向上を図ります。

 

 本市の歴史や多様な文化を総合的に学ぶことができる(仮称)総合ミュージアムの整備については,その方向性について検討を進めるため,関係団体等により構成される検討会議による議論を重ねてまいります。

 

 千代台公園陸上競技場については,日本陸上競技連盟の第2種公認に必要な施設改修等を行っており,本年春に予定しているリニューアルオープンにより,地域の陸上競技のさらなる振興につながるものと期待しております。
 また,函館マラソンについては,昨年,4年ぶりに沿道での声援が戻るなか,全国47都道府県のほか国外からのランナーも含め,多くの方にご参加いただいており,本年も魅力あふれる大会となるよう取り組んでまいります。
 モルックについては,性別や年齢,障がいの有無にかかわらず誰もが気軽に楽しめ,近年,盛り上がりを見せており,本年8月に本市において国内で初めての世界大会が開催されることから,その開催に向け支援するほか,市内で開催されるイベントのなかでパラスポーツやニュースポーツ,アーバンスポーツの体験会を行うなど,市民の誰もがスポーツに親しめる環境を整えてまいります。

 

アンカーアンカー3 むすび

 

 私たちの先人は,幾多の災害や苦難,様々な変革を乗り越え,このまちを発展させてまいりました。先人たちが築いてきたこのまちには,「自然」,「景観」,「歴史」,「食」をはじめとする数多くの魅力にあふれています。そのなかで,本当の函館の魅力となる財産は,先人の優れた叡智と情熱を受け継いだ市民一人ひとりであると考えております。

 

 人口減少という困難な課題に立ち向かい,社会の大きな変化に対応し,このまちに生きる私たちの思いをこれからの未来を築く世代へ引き継ぎ発展させるためには,新たな変革が必要となります。
 今,デジタルが社会に大きな変革をもたらしています。様々な分野においてデジタル技術が身近なものとなり,人々の日々の生活や働き方なども含め,社会のあり方そのものが大きく変化しつつあります。
 そうした変化を函館が抱える様々な課題を解決へと導く好機と捉え,市民一人ひとりが今日まで受け継ぎ,培ってきたまちづくりへの情熱と,デジタルの持つ変革の力により,新たな函館の魅力を生み出し,持続可能で豊かさを実感できる,便利で快適な住みよいまちづくりに,皆様とともに挑戦してまいります。

 

 私は,市民の皆様が函館のまちを何とかしたいという強い思いと覚悟を,このまちが明るい未来へと前進する力に変え,今ここに住む市民だけではなく,未来を担う子どもたちがこのまちに誇りや希望を持ち,全ての市民が誰一人取り残されることなく,笑顔で幸せに暮らせる社会の実現に向けて,全力で市政運営に臨んでまいります。

 

 市議会ならびに市民の皆様のご理解とご協力を,心からお願い申しあげます。

 

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