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令和5年度 総務常任委員会行政調査

公開日 2024年01月12日

総務常任委員会行政調査

令和5年11月7日火曜日から11月9日木曜日

 

11月7日 静岡市調査

 

<所見>

 旧静岡市と旧清水市が合併し両都心のほぼ中央に位置し、旧国鉄の静岡駅跡地を区画整理する中で生まれた土地を有効活用する目的で、いろいろな検討がされたがなかなか決まらず、平成29(2017)年に東静岡地区を文化・スポーツの殿堂として土地の方針が決まるまでの間、暫定的に必要最低限度の費用で「にぎわいづくりの実験場」という形で東静岡アート&スポーツ/ヒロバとして平成29年5月に供用開始した。
 施設については、全体:約24,000平方メートル、パーク:約7,000平方メートル(内テント1,200平方メートル)、駐車場:約3,250平方メートル(105台)、芝生広場:約12,000平方メートルとなっており、コンクリート舗装や水路、修景工事などの基盤整備として、約1億2,760万円、ローラースケートパークなどの施設整備として約1億2,000万円の費用がかかっている。また、ローラースケートパークの営業時間については、11時から21時までであり、会員料金については、小学生以下は無料、中・高生が300円/回、一般は500円/回となっている。

 整備のポイントとしては、次のとおりである。
 ・世代を超えて多種多様な人々が思い思いに自由な時間を過ごし、リラックスできる芝生広場
 ・若者を主なターゲットにアートやホビー、ローラースポーツなどを複合的に楽しめるにぎわいづくりの実験場
 ・スポーツが持つ力で誰もが健康で豊かな生活を実現すること

 私たちが視察した時間帯が早かったこともあり、利用する方は少なかったが、施設はスケートボード・BMX・インラインスケート・一輪車などさまざまな種類のローラースポーツのほか3×3が楽しめる。全体の7~8割がスケートボードの利用者であり、天候・季節問わずに大会が開催できる立派な施設で取り組めることはすばらしいと感じた。また、東静岡駅前という立地のよさもあり、市内外から若者や愛好者を中心に年間2万人を超える来場者があり、年々増加しているという説明を受けた一方で、施設周辺にはマンションなどがあり、騒音問題もあるということを伺ったので、その点にも配慮していくことが大切だと感じ、大変参考となった。
 今回の行政調査前には、函館アーバンスポーツ協会の方と懇談を行った。また、函館市内のボルダリングやスケートボードの施設で、4歳や5歳ぐらいの小さな子どもたちが転んでも起きて一生懸命にやっている姿を実際に見て、あのような子どもたちが輝ける環境づくりを、できることからまず整えていくことが函館市でも必要であると改めて感じた。

 


11月8日 笠間市調査

 

<所見>

 地域・経済活性化をめざした「アーバンスポーツ振興」関連事業の可能性を検討するため、先進的な事業を行っている茨城県笠間市を行政調査した。

(1)「ムラサキパークかさま」について
 1 笠間芸術の森公園(県立)は、茨城の新しい文化の発信基地として「伝統工芸と新しい造形美術」をテーマにした公園。イベント広場や野外コンサート広場、「県立陶芸美術館」、陶芸を体験できる「工芸の丘」、「あそびの杜」などがある。令和3年にあそびの杜を拡大する形でスケートパークがオープンし新たな賑わいを創出している。県と市双方の負担により,県の施設をより充実させることができている。
 2 指定管理制度を利用し、多くの有力スケートボード選手が所属している(株)ムラサキスポーツが独立採算制で運営している。また、ネーミングライツを初めて導入し「ムラサキパークかさま」として、財源確保、ブランド力向上、指定管理者のモチベーション向上に役立っている。
 3 初級・中級・上級者、国際大会にも対応できる多様なゾーン構成と、雨天時も練習できる屋内施設、平日の仕事や学校帰りも十分に練習できる夜間照明と営業時間、道具の購入や修理、相談等ができる店舗兼管理棟、斜面に腰を下ろし練習や大会を観戦できる臨場感あふれるスタジアム型観覧エリアなど、利用者のニーズを取り入れた施設となっている。

(2)アーバンスポーツの普及・振興について
 1 当初は教育委員会の管轄だったが、独立して「笠間スポーツコミッション」を設立。スポーツ関係者に加え、観光、商工、鉄道、新聞、保険等さまざまな組織・企業が関り、大会誘致や教室・イベント開催、関連商品開発など一丸となってスケートパークを盛り上げる取り組みを行っている。
 2 地域おこし協力隊にBMXのアスリートを採用し、新たな視点を取り入れている。
 3 市全体で見ると競技を行える人は少数であるが、観覧・応援するのもスポーツの愉しさであるため、市民の理解を得てまち全体にスケートボード文化を浸透させるとりくみを積極的に行っている。(見学会、シンポジウム、無料体験会、ふるさと納税等)

(3)まとめ
 アスリート当事者を中心とするアーバンスポーツ協会だけでなくさまざまな立場・視点をもつ機関と連携するためにも、まずは教育委員会が窓口となることや関連する部局と十分に連携して進めていくことが必要と考える。
 今後検討を進めていく上では、例えば練習場としてだけでなく公式な大会を開催できるといった規模や、市外からの集客、若者特に学生の利用が多いことを想定して公共交通の便も考慮する必要がある。
 函館を活気あるまちにするための一手段として、また競技者のための事業のみならず市民の楽しみの一つとなりうる事業として、アーバンスポーツ振興(環境整備、人材育成等)に積極的に取り組むべきと考える。

 


11月9日 横須賀市調査

 

<所見>

 横須賀市は、人口約38万人(令和5(2023)年1月現在)の中核市であり、うみかぜ公園は「横須賀市海辺ニュータウン」(安浦地区埋め立て事業)のシンボル緑地として整備され、平成8(1996)年12月1日開設している。魅力は、東京湾で唯一の自然島である「猿島」が目の前に迫り、浦賀水道を航行する船舶を一望できる絶好の眺望である。
 全体面積は約5.2haで、芝生広場・円形花壇・水の丘(噴水)・遊具広場・親水護岸・展望デッキ・スポーツ広場(壁打ちテニス・3×3バスケットコート・オフロード自転車走行路・スケーティングエリア)・駐車場(約160台)が整備されており、ゴールデンウィークなどには、市民や子どもたちがバーベキューや遊具広場、芝すべりなどを楽しむことができる。
 スケーティングエリアについては、「新しい街に若者が集まれるスポーツ広場を」とのコンセプトで進めたプランであり、平成8年にAJSA(全日本スケートボード協会)横須賀地区代表からアドバイスを受けている。また、「スケートボードパークの実現を」と10代を中心とした316人の署名が提出されていて、事前にボーダーたちの意見も取り入れられている。
 利用方法は自由利用となっていて、団体でイベントなどに利用するときは有料となっている。利用人数は、令和4(2022)年度は168,367人で、今年度も5か月で83,264人であり、月平均でも約16,000人が利用。中でもスポーツ広場の年間利用は4万~5万人と増加傾向にある。
 うみかぜ公園全体の施設整備については、上物整備費に約15億円、下物整備費に約36億円。スポーツ広場全体(約5,000平方メートル)の工事費は約1億3,000万円。また、スケーティングエリア(全天候舗装、リンク、滑り台、ベンチ、築山、ウォールベンチ、他)約500平方メートルの請負工事費は約1,530万円 (国費2/1、一般財源2/1)で、平成29(2018)年度の老朽化・整備の充実のためのリニューアル工事では約4,150万円を要した。
 横須賀市のめざすまちづくりの方向性として「音楽・スポーツ・エンターティメント都市」を掲げていて、わくわくがあふれるまちづくりや市民が地元を楽しみ、まちに誇りや愛着を持つことはもちろん、横須賀市の新たな魅力を創造、発信するために、民間企業や関係機関と連携しながらさまざまな取り組みを進めている。
 令和4年度、自治体では珍しい「アーバンスポーツ推進担当課」を組織している。「アーバンスポーツ元年」と位置づけ、「アーバンスポーツのまち横須賀!」を打ち出し、BMXやストリートダンスを中心にアーバンスポーツの大会や普及事業を進めている。約43,000人にアーバンスポーツの魅力を伝え、今後も横須賀市がアーバンスポーツの聖地として根づき「誰もが輝けるかっこいいまち」となることをめざしている。
 普及啓発の活動にも積極的で横須賀市内の小学校訪問事業やBMXの体験会、特に体育館でのデモンストレーションでは99%の児童が興味を持ってくれたというアンケート結果もある。また、商業施設やイベント会場での体験会や講演会、交流会も行われ、まさしくアーバンスポーツでの地域活性化につながっている。
 景観は函館市でいうと緑の島(面積8万平方メートル)の環境に似ている。調査の日も快晴で海を一望できる環境でスポーツができるほか、海沿いでは市民が釣りを楽しむことができ、スポーツ広場のスケーティングエリアでは若者たちが、壁打ちテニスでは中高年の市民が自由に利用し、楽しんでいる様子が見られた。
 BMXパークは平日13:00〜17:00、土日祝日11:00〜17:00で有料となっている(2時間、1日コースがある)。行政としてアーバンスポーツ推進課ができたことによりイベントや事業なども積極的に行うことができるほか、地域の活性化にもつなげることができるということで、若年層を中心とした交流ができ活性化につながっている。
 函館市としても、スケートボードの禁止エリアをたくさんつくるのではなく、「誰もがスポーツを楽しめるまち」、「アーバンスポーツで若年層がわくわくできるまち」、「アーバンスポーツで地域が活性化できるまち」、「スポーツでオリンピック選手が育成できるまち」をめざすべきだという感想を持った。
 この間、函館アーバンスポーツ協会の皆さんとの懇談を委員会の調査として行ったほか、スケートボード施設やボルダリング施設も見学した。アーバンスポーツができる屋内、屋外の環境を整えることが必須であり、できるところから関係者と協力して実施すべきだと考える。今後の函館市の取り組みを進める上で、とても参考になった。

 
 
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