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令和3年度(2021年度)の税制改正(個人市民税)

公開日 2020年07月02日

更新日 2022年03月04日

給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替え

働き方の多様化を踏まえ,働き方改革を後押しする等の観点から,特定の収入にのみ適用される給与所得控除および公的年金等控除の控除額は一律10万円引き下げ,どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額は10万円引き上げられます。

 

図:給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替

                                        (財務省HPより)

 

※給与所得と年金所得の双方を有する方については,片方に係る控除のみが減額されます。  

 

給与所得控除の見直し

1 給与所得控除額が一律10万円引き下げられます。

2 給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が850万円,その上限額が195万円にそれぞれ引き下げられます。

 

給与等の収額(A)

給与所得控除額

改正後

改正前

 

162万5千円以下

55万円

65万円

 

162万5千円超180万円以下

(A)×40%−10万円

(A)×40%

 

180万円超360万円以下

(A)×30%+8万円

(A)×30%+18万円

 

360万円超660万円以下

(A)×20%+44万円

(A)×20%+54万円

 

660万円超850万円以下

(A)×10%+110万円

(A)×10%+120万円

 

850万円超1,000万円以下

195万円

 

1,000万円超

220万円

 

※ 給与等の収入額が660万円以下の場合は,給与所得は上記の表にかかわらず所得税法別表第5により求めます。

 

公的年金等控除の見直し

1 公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。

2 公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合,公的年金等控除額は195万5千円が上限とされます。

3 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超え2,000万円以下の場合には一律10万円,2,000万円を超える場合には一律20万円が上記1および2の見直し後の控除額から引き下げられます。

 

65歳未満の場合

公的年金
の収入金
(A)

公的年金等控除額

改正後

改正前

公的年等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得

1,000万円以下

1,000万円超
2,000万円以下

2,000万円超

区分なし

130万円以下

60万円

50万円

40万円

70万円

130万円超
410万円以下

(A)×25%+
27万5千円

(A)×25%+
17万5千円

(A)×25%+
7万5千円

(A)×25%+
37万5千円

410万円超
770万円以下

(A)×15%+
68万5千円

(A)×15%+
58万5千円

(A)×15%+
48万5千円

(A)×15%+
78万5千円

770万円超
1,000万円以下

(A)×5%+
145万5千円

(A)×5%+
135万5千円

(A)×5%+
125万5千円

(A)×5%+
155万5千円

 

1,000万円超

 

195万5千円

 

185万5千円

 

175万5千円

 

 65歳以上の場合

公的年
の収入
(A)

公的年金等控除額

改正後

改正前

公的年等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額

1,000万円以下

1,000万円超
2,000万円以下

2,000万円超

区分なし

330万円以下

110万円

100万円

90万円

120万円

330万円超
410万円以下

(A)×25%+
27万5千円

(A)×25%+
17万5千円

(A)×25%+
7万5千円

(A)×25%+
37万5千円 

410万円超
770万円以下

(A)×15%+
68万5千円

(A)×15%+
58万5千円

(A)×15%+
48万5千円

(A)×15%+
78万5千円 

770万円超
1,000万円以下

(A)×5%+
145万5千円

(A)×5%+
135万5千円

(A)×5%+
125万5千円

(A)×5%+
155万5千円

1,000万円超

195万5千円

185万5千円

175万5千円

 

 基礎控除の見直し

 

1 基礎控除額が10万円引き上げられます。

2 合計所得金額が2,400万円を超えると,その金額に応じて控除額が逓減し,2,500万円を超えると,基礎控除は適用されなくなります。

3 上記1および2の見直しに伴い,前年の合計所得金額が2,500万円を超えると,調整控除が適用されなくなります。

 

所得割の納税義務者の前年の合計所得金

 

基礎控除額

 

 

改正後

 

 

改正前

 

 

2,400万円以下

 

43万円

33万円
(所得制限なし)

 

2,400万円超2,450万円以下

 

 

29万円

 

2,450万円超2,500万円以下

 

15万円

 

 

2,500万円超

 

適用なし

 

 

所得金額調整控除の創設

 1 給与等の収入金額が850万円を超え,次のいずれかに該当する場合には,給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額が,給与所得の金額から控除されます。 

 

 ・ 本人が特別障がい者に該当する

 

 ・ 年齢23歳未満の扶養親族を有する

 

 ・ 特別障がい者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有する

 

 控除額=(給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)−850万円)×10%
 

2 給与所得および公的年金等に係る雑所得の金額があり,給与所得および公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合には,給与所得(10万円を限度)および公的年金等に係る雑所得(10万円を限度)の金額の合計額から10万円を控除した残額が,給与所得の金額から控除されます。

 

 控除額=(給与所得(10万円を超える場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得(10万円を超える場合は10万円))−10万円

  

非課税基準・所得控除等の適用に係る合計所得金額要件等の見直し

 

要件等

 改正後

改正前

同一生計配偶者および扶養親族の合計所得金額要件

48万円以下

38万円以下

配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件

48万円超133万円以下

38万円超123万円以下

勤労学生の合計所得金額要件

75万円以下

65万円以下

家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について,必要経費に算入する金額の最低保障額

55万円

65万円

ひとり親に係る生計を一にする子の総所得金額等要件

48万円以下

38万円以下

雑損控除に係る親族の総所得金等要件

48万円以下

38万円以下

障がい者,未成年者,寡婦およびひとり親に対する個人市民税・道民税の非課税措置の合計所得金額要件

135万円以下

125万円以下

均等割の非課税限度額の合計所得金
(非課税となる方

同一生計配偶者および扶養親族がない方

32万円+10万円

32万円

同一生計配偶者または扶養親族がある方

32万円×(同一生計配偶者+扶養親族+本人)+10万円+19万円

32万円×(同一生計配偶者+扶養親族+本人)19万円

所得割の非課税限度額の総所得金額等
(均等割のみ課税される方

同一生計配偶者および扶養親族がない方

35万円+10万円

35万円

同一生計配偶者または扶養親族がある方

35万円×(同一生計配偶者+扶養親族+本人)+10万円+32万円

35万円×(同一生計配偶者+扶養親族+本人)+32万円

 

未婚のひとり親に対する税制上の措置および寡婦(寡夫)控除の見直し

全てのひとり親家庭の子どもに対して公平な税制を実現する観点から,「婚姻歴の有無による不公平」と「男性のひとり親と女性のひとり親の間の不公平」を同時に解消するために,以下の措置が講じられました。

1 ひとり親控除について


  婚姻歴や性別にかかわらず,生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有し合計所得金額が500万円以下である単身者について,「ひとり親控除」(控除額30万円)を適用することとなりました。

2 寡婦控除の見直し


  上記以外の寡婦については,引き続き寡婦控除として控除額26万円を適用することとし,寡婦控除適用の際は所得制限(合計所得金額が500万円以下)を設けることとなりました。 

 

  ※ ひとり親控除,寡婦控除のいずれについても,住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者は対象外とされました。

3 個人住民税の非課税措置の見直し


  1もしくは2に該当し,かつ,合計所得金額が135万円以下である方は,個人市民税・道民税の非課税措置の対象となります

 

  ※平成31年度の税制改正は令和2年度の税制改正により見直され,児童扶養手当受給者(18歳以下の児童の父または母)に限定されなくなりました。



【改正前後の所得控除の額】  

 

本人が女性の場合

 

・改正前                           (単位:万円)    

配偶関係 死別 離別

本人所得
(合計所得金額)

500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超
扶養親族  30 26 30 26
子以外  26 26 26 26
 26


・改正後                                          (単位:万円) 

配偶関係 死別 離別 未婚

本人所得
(合計所得金額)

500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超
扶養親族 30※1 30※1 30※1
子以外 26※2 26※2
26※2

※1ひとり親控除 ※2寡婦控除

 

本人が男性の場合

 

・改正前                           (単位:万円)  

配偶関係 死別 離別

本人所得
(合計所得金額)

500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超
扶養親族  26 26
子以外


・改正後                                          (単位:万円) 

配偶関係 死別 離別 未婚

本人所得
(合計所得金額)

500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超
扶養親族 30※1 30※1 30※1
子以外

※1ひとり親控除

 

 

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