令和元年度(平成31年度) 民生常任委員会行政調査

2020年1月17日

【民生常任委員会行政調査】

  令和元年11月12日火曜日~11月14日木曜日

○11月13日 豊橋市調査 ○11月13日 京都市調査
 豊橋市視察の様子.JPG

京都市視察の様子.JPG 

○11月13日 豊橋市調査

 

<所見>

 

「愛知県豊橋市の取り組み」
 豊橋市は南は太平洋、西は三河湾に面しており、太平洋に面している表浜海岸は、アカウミガメの産卵地として知られている。豊橋市では平成25年4月から、ごみとして出されるレジ袋自体を少しでも減らすために、市内の販売店や530(ゴミゼロ)運動環境協議会と協力して有料化によるレジ袋の削減に取り組んできた。
 プラスチックごみによる海洋汚染は世界中で深刻化しており、日本沿岸においても、この汚染により海岸の景観を損なうだけでなく海洋生物や鳥類への絡まりや誤食、誤飲が発生するなど生物や生態系が受ける被害は拡大している。
 豊橋市は海洋汚染問題に積極的に立ち向かうため、530運動環境協議会と共同で、ポイ捨てされるプラスチックごみゼロを目指す「とよはしプラ530宣言~海洋汚染防止はレジ袋・プラストローをやめることから始めよう~ 」を平成30年12月1日に行った。

 

「530運動の始まり~環境協議会の設立~運営」
 昭和40年代、豊橋市近郊の自然歩道が整備され、その利用者が増加すると共に山道に捨てられる大量のごみが問題となり、豊橋山岳会会長が「自分のゴミは自分で持ちかえりましょう」を合い言葉に530運動の推進を豊橋市へ提唱し、官民一体の530運動推進連絡会が設立された。昭和50年11月11日には初の全市一斉530運動実践活動が開催され、約12万人が参加した。
 平成14年4月、530運動推進連絡会を含む豊橋市の環境保全4団体が統合し、市民の意識を高め、環境に配慮したまちづくりの実現のため官民一体で530運動環境協議会を設立し、様々な取り組みを展開している。
 取り組みの主な内容は、(1)市内町内会や事業者、市内小中学校など全市を巻き込んだ毎年春と秋の2回行う「530運動」。(2)子どもの頃から環境について考えることが大事との思いから幼稚園・保育園・こども園を対象とした「幼児環境教育訪問指導」。(3)市民にも地球環境、ごみ減量、省資源・省エネルギー、リサイクルなどの理解を深めてもらうためのイベント「530のまち環境フェスタ」。他にも(4)「No!包装キャンペーン」、(5)「クリーンアップ大作戦」や「530広報大使」「530看板の設置」など様々な取り組みを行っている。

 

「530運動環境協議会」
 530運動環境協議会の会員は平成30年度末で、法人(団体)会員は147団体、個人は376人となっている。また、530運動等の参加人数は平成30年度で175,900人となっており、豊橋市の人口376,181人(平成31年4月1日現在)の実に約半数の人が参加している。「530運動」が市民に定着している事が伺える。

 

「レジ袋有料化等について」
 平成25年2月21日、豊橋市と530運動環境協議会、市内の協力店の3者で「レジ袋削減に関する協定」を締結した。事業者はレジ袋の無料配布を中止し、レジ袋の収益金(年間約110万円)を環境保全活動や社会貢献活動等への活用に当てている。また、協定締結点に対して「レジ袋削減に関する報告書」の提出を求め、レジ袋の辞退率(店舗ごと、全体)を算出して定量的成果を把握している。平成30年度の実績は参加事業者19事業者44店舗、レジ袋辞退率80.5%、レジ袋削減枚数24,804,445枚で、レジ袋削減重量248トン、二酸化炭素削減量1,488トン、原油削減量454キロリットルと大きな効果を上げている。
 「豊橋まつり」では紙ストローを提供することによるプラスチック製ストローの廃止の取り組みや、「環境フェスタ」来場者に「マイ箸、マイ食器」の持参を呼びかけたり、市内の事業者である三菱ケミカル(株)による生分解性プラスチックコップ・ストローの展示配布を行った。

 

「豊橋市バイオマス利活用センター」
 「分ければ『資源』混ぜれば『ごみ』」や「とよはしプラ530宣言」を要約したチラシを配布し、市民や事業者への啓発に取り組んでいる。
 平成29年10月には「豊橋市バイオマス利活用センター」を稼働させ、「生ごみ」を焼却処分せずに、し尿と浄化槽汚泥や下水汚泥と生ごみを「資源」として発電し、電力を売却して収益を上げると同時に、「生ごみ」の焼却量も減らして焼却コストの削減にもつなげている。

 

「まとめ」
 環境省は函館市を含む全国10海岸で漂着ごみの構成を調べ、最新の平成28年度の結果をまとめた。それによると、ペットボトルや発泡スチロール、食品容器などのプラスチックごみである「人工物」の割合が函館市は55%と全国で最も高かった。
 令和元年版環境白書では「2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるという試算もあり」と警鐘を鳴らしている。
 豊橋市の様々な取り組みは「海洋プラスチックごみ削減」をはじめ、函館市が進める地球温暖化防止や循環型社会の形成などについて大いに参考になった。

 


○11月13日 京都市調査

 

<所見>

 

 事業としては「しまつのこころ条例」をもとに、2R(削減:リユース、再利用:リユース)の運動、啓発(冊子・しまつのこころ得配布)を主として推進している。
 データの把握は、関係事業者からの毎年の報告に基づいて排出ごみの総量を集計している。
 なお、京都市での計測史上ピークであった82万トンのごみ排出量は、現在約4割から5割程度の削減にまで実績を上げている。
 一方、取り組みによる削減はやや限界との見方も拭えなく、達成目標である年間39万トンの排出量までの削減はなかなか厳しい印象もあるとのことである。

 しまつのこころ条例の改定にあたっては、広く市民の理解を得なければ達成できない方針を定めた内容であることから、市民の意見を広く聴取し、また事業者団体などの意見聴取も行い、広く賛成意見を得た上での改正であったことを主張していた。作るだけで終わりになる条例ではなく、実効性を持たせた条例とするための注意点とのこと。今後は観光客に向けて、より効果的な周知の仕方を模索するとのことである。

 修学旅行への取り組みについては、全国に知らせる必要があるので、学校単位で取り組んでいただいている。
 買い物時のレジ袋拒否、食品ロスについて実施してもらっている。
 「参加校を募集中!」という形式で募集し、修学旅行で京都市内に宿泊する学校に応募してもらって、先着順に学校単位を対象としてエコバッグの配布もしている。
エコ・アクション+1(プラスワン)として、逆に参加校からアイデアを募ったりもしている。

 容器を持ち歩き、飲食店で飲み物を注文する際に持参の容器に注入してもらうことでプラスチックのコップやストローの使用を減らす目的で展開しているマイボトルもそこそこ浸透している。エコポイントと50円引きのサービスや、ポイントがたまったら抽選応募などで浸透した。開始4年で制度の見直し検討も必要と捉えている。
 マイボトルは、持ち運びが物理的に大変という意見もあるが、視点を変えて、それを「カッコイイ」という捉え方ができるような風潮が浸透すれば、乗り越えられるのではないかなどといった発想で臨んでいる。

 市内全体での活動を容易にするための条例策定・改定にあたっては、実効性に重点を置き、市民や関係団体の賛同を得られるよう意見聴取や周知にまずは力を入れたことが取り組みの駆け出しをスムーズにしたようだ。
 条例の周知や理念の共有にとどまらず、実際にどのように活動すれば効果を発揮しやすいかをわかりやすく示すための冊子「しまつのこころ得」の存在が実効性をより高めた。
 さらに、そのわかりやすい活動事例は、市民生活にとどまらず、京都に旅行に来る人、イベントの参加者ならびにイベント運営関係者、宴会での料理提供時、プラスチックの海洋汚染など、それぞれの属性や場面によってどのような行動ができるかというところまでわかりやすく示している。
 また、これらの活動の呼びかけは対市民や市内滞在中の旅行者にとどまらず、修学旅行先を京都市に決定している他都道府県の学校にも事前に周知しており、その理念を学習したあとに京都市に訪れることによって、京都市に滞在中のごみの排出量の削減も実現している上、その当事者たちにごみ排出量削減への意識向上を促すことにも寄与している。
 マイボトルの浸透にはまだまだ伸びしろが残っているようだが、これが市民にトレンド化すれば来訪者への普及も望めるかもしれない。

 今回の視察テーマは、漂着ごみによる海洋汚染を課題としたものであるが、ごみ排出量の大幅な削減を実現した京都市の取り組みを参考とし、陸上でのごみ排出量の削減を図ることで、間接的にではあるが、海洋ならびに函館の三方を囲む岸壁や浜辺での環境保全の一助としたい。

 
 
 
 
 
 
 
 
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