藤沢市議会では、平成25年4月に「藤沢市議会基本条例」を制定のもと、現在、議員35人、事務局14人の体制で議会運営を行っている。 藤沢市議会の議会改革の取り組みは、議会基本条例の制定前は、「開かれた議会」、「市民に親しまれる身近な議会」を推進するため、条例の策定に向けた協議が進められてきた。 基本条例制定後は、条例の運用管理のもと、新たな課題を積極的に検討し実施につなげているとのことであり、主な取り組みとしては、 〇 議会報告会の開催 〇 本会議・委員会のインターネット中継 〇 請願・陳情提出者の意見陳述 〇 広報広聴委員会の設置 〇 質疑や一般質問の一問一答方式の採用 など、「開かれた議会」、「市民に親しまれる身近な議会」を推進する取り組みのほか、
〇 理事者からの施策説明資料の提出 〇 事務事業評価シートの参照 〇 議員間討議の実施 など、議会本来の役割である議案等審査を充実させるための取り組みが行われていた。 また、議会日程については、函館が試行で運用している、議案審査後に一般質問を行っていた。 当委員会が、主な調査項目としていた「委員会審査における議員間討議」については、藤沢市議会においては、 〇 議案については、当初予算、決算については「予算決算特別委員会」、補正予算につ
いては「補正予算等常任委員会」、条例、請願、陳情については「各常任委員会」へ付
託し、審査している。 〇 賛否態度確認後、議員間討議を行う。 〇 議員間討議は、賛否態度が全会一致の場合は基本的に行わないが、分かれた場合は必
ず行う。 〇 議員間討議が活発になるのは、重要なものや注目が高い案件や請願・陳情など傍聴が
多い場面だ。 〇 議会基本条例のもと、理事者から詳しく事業内容が示されている施策説明資料が提出
されていることから、内容や数字だけを確認するような質問は行わない。 などの説明を受けた。 また、会議のインターネット配信については、資料のとおり3か年の閲覧実績や評価、課題の説明を受けた。
函館市議会では、この度、約4年間続けた試行での議会運営の検証を行い、委員会審査にあたっては、「論点整理 → 質疑 → 議員間討議」の流れで本格実施することが当委員会で決定したところであるが、議会本来の役割を果たすとともに、市民に審査結果の過程等がより分かりやすくすることなど、審査をさらに充実させていきたいから、この度の藤沢市議会の行政調査により、議員間討議とはどうあるべきか、どのような場面で行われるのか、また議案の説明資料の充実など実際の取り組みを聞いて、今後、当委員会で検討していくうえで大変参考になり、有意義な調査となった。 また、調査項目の「議会改革への取り組み」の一環で説明を受けた議会報告会については、若者に興味を持ってもらう取り組みや、現在の開催形式に至るまでの経緯など、市民へ議会活動を知っていただくための工夫と努力を知ることができ、今後、議会活動の広報を進めていくうえで貴重な話を聞くことができた。
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