平成29年度 民生常任委員会行政調査

2018年3月16日

【民生常任委員会行政調査】

  平成29年11月6日月曜日~11月8日水曜日

○11月6日 横浜市調査 ○11月7日 浜松市調査
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○11月6日 横浜市調査

 

<所見>

 

  横浜市は、人口373万人を超す政令指定都市。高齢者は約89万人で高齢化率は24%。平成34年には高齢者が約100万人、高齢化率約26%と試算されている。
「健康寿命日本一の都市」を目指し、『元気なうちから介護予防!』をテーマにさまざまな介護予防に取り組んでいる。
介護が必要となった原因疾患では、ロコモティブシンドロームと脳血管疾患で約5割
を占めるが、それらはすべて予防可能。また60歳を超えるとさまざまな疾患にかかる人がふえることから、定年前からの生活習慣改善と予防、健康づくりが大切と考え、健康寿命日本一を目指すことにつながった。
市民の健康づくりの指針を定めている「第2期健康横浜21」(平成25年3月から10年間の計画)については、生活習慣の改善として食生活、歯・口腔、喫煙・飲酒、運動、休養・こころの5つの分野から取り組みを進め、生活習慣病の重症化予防としてガン検診、特定健診の普及を進めている。また、全市民を対象に目標を立てており、乳幼児~青年期(育ち・学びの世代)、成人期(働き・子育て世代)、高齢期(稔りの世代)と3つのライフステージに分けて各々に行動目標を設定している。本年10月にその中間評価がまとめられ、結果として「休養・こころ」の分野が全世代において遅れており、今後強化が必要と分析されていた。
横浜市は函館市ほどは高齢化率が進行しておらず、若年層も多いのだが、定年前・高
齢者になる前に健康づくり・介護予防を始めることが重要という認識のもと各事業に取り組んでいる。函館市も同様に全世代が共通して「健康づくり」に取り組むような大枠の仕組みづくり、また若いうちから健康を意識する取り組みが必要ではないかと感じた。そして、横浜のように縦軸(5つの分野)と横軸(世代)をきちんと設定し、どの世代がどの分野に注力すべきかを把握分析できるようになればと感じた。
 主だった介護予防の取り組みを二つ挙げる。
 1.元気づくりステーション事業(高齢者が身近な場で主体的に介護予防に取り組めるための事業)では、毎年徐々に拠点数を伸ばしているが、小学校区である378拠点にはまだ届かず、現状274拠点。自主グループの結成は簡単には進まないものの、全地区に設置することが当面の課題。活動の映像を見たところ、吹き矢、スクエアステップ、ノルディックウォーキング、体操、麻雀健康講座等、幅広い。自分がやりたい活動がその拠点にあれば結構だが、キャパシティの問題等で自分の拠点の活動が限られてしまうこともあると感じた。また、まだ参加したことがない人への啓蒙、新しい人の勧誘も今後の課題と感じる。
 2.よこはまシニアボランティアポイント事業(高齢者が介護施設などでボランティア活動を行った場合にポイントを得られ、たまったポイントに応じて寄附・換金が可能)では、徐々に市民に浸透しており一定の役割を果たしているものの、今後ますます高齢者がふえることからボランティア登録者数の増加、働ける場の確保、また登録後活動につながっていない人への対策が課題と捉えられていた。こちらも[1.]と同様に、決まった人だけでなく、いかに広げていけるか、やりがいを感じる活動を提供できるかが肝であるように感じた。
どの世代の人もいずれは高齢者になるので、健康づくりは早くから始めるにこしたこ
とはない。若いうちはあまり意識しにくいのだが、体が動きにくくなってはじめて意識したのでは遅い。という意味では、横浜の全世代を対象にした健康づくりに関する各事業は長期的にみて理想的であると感じた。函館の現状を把握した上で、どのような取り組みができるのか委員会の中で議論を深めたい。

 


○11月7日 浜松市調査

 

<所見>

 

 【健康づくりと介護予防】

「健康寿命日本一」

 浜松市は、平成22年には、すでに健康寿命が全国20大都市の中では、男女とも1位となっており、この時点での健康寿命は、男性72.9歳、女性75.94歳となっている。
 その要因としては、次のような項目が挙げられている。
1. 気候が温暖(日照時間は政令市1位)
2. 都市でありながら自然が豊か(山海の幸、地場産品が豊富)
3. 就労率が高い(企業が多い、第一次産業も盛ん)
4. 医療体制が充実
 一方、標準化死亡比という指標で見ると、糖尿病や腎不全といった病気で県平均を上回る状態である。
 恵まれた環境下で、健康寿命をさらに伸ばし、日本一を維持しようとするのが、浜松市の現在の取り組みである。

「生活習慣病の予防」

 こうした中で、健康増進計画である「健康はままつ21」(平成25~34年度)が策定され、理念や取り組み目標は他市とそう大きくは変わらないのであろうが、
中間評価からの課題として、「健康に関心の低い青壮年期への健康づくりの取り組み強化」、「民間企業との連携強化、市民協働で取り組む健康づくりの推進」を挙げ、特に食育の分野では、「はままつ食育発信店事業」の取り組みが行われている。
 家計調査からわかる浜松市の特徴として、都道府県庁所在市及び政令市別のランキングでは、調理食品(弁当・惣菜)の消費金額は第1位という状況とのことだが、「はままつ食育発信店事業」として、当該店舗と協働で食や健康づくりに関する情報を発信し、健康的な食事を身近に選択できるような環境を整備し、市民の健康づくりを食生活の面から支援する取り組みが実施されている。
現在、市内68店舗(平成29年度)が登録し、「惣菜や弁当への表示(栄養成分、食事バランスガイド、野菜重量表示)」、「健康づくり情報の発信(糖尿病予防や減塩、野菜について資料配布やポスター掲示)」、また、「健康応援弁当事業」として、市民が健康に配慮した食事を選択できる環境づくりをすすめるため、エネルギーや野菜の量、塩分等一定の基準を満たす弁当を製造・販売する店舗を食品関連事業所に公募し、事業所と協働で実施するなどの取り組みが行われている。
これらは食育にとどまらず、生活習慣病の予防の取り組みでもあるが、函館市でも「毎日プラス1皿の野菜」キャンペーンなどが取り組まれているが、飲食店にとどまらず、惣菜や弁当なども、健康により良いものが販売されるよう働きかけるなど、企業との協働を模索すべきではないだろうか。

「介護予防の取り組み~ロコモーショントレーニング事業」

 浜松市の高齢化率は、26%であり、高齢単身世帯は27万210世帯、高齢夫婦世帯は
33万997世帯で、全世帯33万1,642世帯のうち、高齢者のみの世帯は18%となっている。(平成27年度国勢調査)
 また、平成29年4月1日現在の介護認定者は、3万6,210人で、高齢者の17.3%である。
 浜松市の第6期介護保険事業計画によれば、今後も高齢者はふえ続け、それに伴い要支援・要介護者もふえると推計されているが、そういう中にあって、今後も健康寿命日本一(20大都市)の都市を目指すとされている。
 健康づくりと介護予防においては、市民一人ひとりが「自分の健康は自分で守りつくる」との意識を向上させるよう、健康づくりの普及啓発が行われているが、とりわけロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防のため、平成26年度から取り組みを始めた、サロン型と在宅型のロコモーショントレーニングが特徴的である。
 在宅型は、利用ニーズが少なく平成28年度から実施を見合わせたが、サロン型は、何かの集まりの機会などで利用されており、平成29年度9月末では、トレーニングの普及員養成数が213人、実施団体が354団体、参加者は7,722人となっており、実施団体数と参加者は毎年ふえ続けている。
 課題としては、実施団体への活動費の支払いについて、請求に伴う提出書類の作成が困難で辞退する団体もあり、継続しやすい仕組みづくりが必要とのことだった。
 取り組みによる運動機能の改善効果としては、平成26年度の結果では、片足立位時間に改善が見られる(平均時間14%の伸び)などの効果が確認されている。
函館市でも、先日、介護予防体操教室モデル事業の受託者が決定されたが、今後、開
催しやすく、参加しやすい体制とし多くの市民が参加されることを期待したい。
 こうした介護予防の取り組みは、決して介護給付費の面だけからの取り組みではなく、結果として介護を必要としない生活は健康寿命を伸ばすことにもなり、さらに地域で集まって予防体操を行うなどの機会が地域での交流の場となることも期待できるなど、高齢者本人や地域にとってプラスの面が大きいと思われる。

「市民協働での健康づくり~健康はままつ21推進会議」

 また、浜松市の健康づくりの取り組みの特徴として、「健康はままつ21推進会議」が挙げられる。
 これは市民協働で「健康はままつ21」を推進することを目的に設置されたそうだが、来年2月に、全国健康保険協会静岡支部と浜松商工会議所との共催により、講演会などの開催が予定されているとのことだった。
 計画を策定するための委員会は函館市でも設置されるが、浜松市のような取り組みは、計画における取り組みを浸透・推進させるための手法として参考になるのでないかと思う。

「うごく&スマイル(貯めよう!健康ポイント)~市民が健康づくりに取り組む仕掛け」

 「うごく&スマイル」事業は、「健康はままつ21」に基づき、市民の「自分の健康は自分で守る」という意識を高め、気軽に楽しく健康づくりに取り組む市民を増やすことを目指して実施されている。
 
 日常生活の中の健康づくりの取り組みを「健康ポイント」として記録し、ポイントを貯めた人は特典を受けることができる仕組みで、県内の約840店舗で割引サービス等が受けられるものである。
 具体的には、「週2回以上、1回30分以上の運動をしている」「毎食、野菜を一皿食べるようにしている」などの項目に対し、実践できたら1ポイント(1日最高1ポイント)で10ポイント貯まるとハガキで応募し、「ふじのくに健康いきいきカード」がもらえるという流れである。
平成28年度の参加者数は1,715人(申込は1人年1回のみ)だが、参加者の年齢が高
く、50歳以上の人が6割とのことなので、若年層に関心を持ってもらうことが課題と言えるのではないか。
 また、自己申告なので信憑性の担保に懸念がないのかということと、人口からすると参加者が少ないのではないかと感じたが、生活習慣のチェックと改善のきっかけや動機づけのために、函館でも、特に青年から中高年に対しての取り組みとして参考にできるのではないか。

「ささえあいポイント事業」

 「ささえあいポイント事業」は、高齢者の社会参加を奨励・支援し、ボランティア活動を通じた地域貢献意識や介護予防意識の向上と、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を継続できうるよう支え合い活動の活性化を図ることを目的とし、ボランティア活動を行った人に対してポイントを付与し、換金・寄附することができる制度であるが、平成28年度末で2,860人が登録している。
 函館市でも、同様の制度が「介護支援ボランティアポイント事業」として実施されているが、元気な高齢者は支える側として活動してもらうことで、生きがいのひとつとなることが期待され、本人の生活の質の向上にもプラスであり、地域での交流の促進も期待できる。
 現在は、介護保険法による地域支援事業であり、市の指定した介護保険事業所・施設でのボランティア活動が対象だが、今後、介護予防や地域への貢献、生きがいといった面を考えると、さらに他の分野への拡大も検討されていいのではないかと思う。

 

「まとめ」

 浜松市は健康づくり・介護予防の面から地域を見ると、温暖な気候や、豊かな自然、高い就労率など、恵まれた環境にあるといえるのかもしれないが、さらに取り組み体制も各区役所に保健センターがあり、保健師約100人、栄養士約30人体制で行っているので、80万都市といっても、キメの細かい取り組みが可能になっているように感じた。
取り組みの内容については地域の特性にあったものが必要であり、函館においては、どのような取り組みが合っているのか、何に取り組まなければならないのか、結果が十分なものとなるよう検討することが大切である。
 介護予防というと、イメージとして、高齢者ないしは高齢者に近づきつつある年代のことと思われがちだが、高齢者になっても元気で過ごすためには、若いときからの生活習慣が重要だと思われ、きちんと健診を受けることや、適度に身体を動かすこと、望ましい食生活など、それぞれについて市民自らが取り組もうという気持ちを持ってもらえるようにすることも大切である。
 今後も、函館市としての取り組みが十分なものとなるよう民生常任委員会としても、機会を捉えて議論することを心がけたい。

 
 
 
 
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