平成28年度 総務常任委員会行政調査

2017年2月14日

【総務常任委員会行政調査】

  平成28年11月10日木曜日から11月12日土曜日

11月10日 宇都宮市調査の写真

11月11日 豊島区調査の写真
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○11月10日 宇都宮市調査

 

<所見>

 

1 「うつのみやいきいき学校プラン(宇都宮市学校教育推進計画)」について
 平成18年度から平成29年度までの12カ年計画としたもので、市の人づくりの指針を示した「宮っこ未来ビジョン」の学校教育推進分野の個別計画に当たる。
 目的を、「心豊かでたくましく生きる人づくりを推進するための指針として『宮っこ未来ビジョン』を踏まえ、宇都宮市学校教育の理念や基本方針及び基本目標、指針、事業等を明らかにし、豊かな心と健やかな体を持ち、創造性や共生の精神を備えた宮っこを育む教育活動の展開と、新しい時代にふさわしい学校づくりを進めること」としている。
 計画内容に関しては第1章から第5章まで位置付けられており、計画の概要、現状と課題、理念・方針・目標、展開、推進に当たって、といわゆるPDCAのスタイルで誰もが共通目標として認識しやすいものとなっており、ここに導入しやすさの工夫がみられる。
 計画の推進及び進行管理については、学校教育に関わる全ての施策・事業等において学校教育推進計画の具体化が図られ、指標の実現を含めた基本目標の達成が図られやすいように「学校教育スタンダード」を基に指導助言を行うとしている。
 学校教育推進懇談会を毎年開催し、計画の実績評価を行っている。構成メンバーは、学識経験者である大学教授、幼稚園関係者、PTA、自治会メンバー、青年会議所、公募など幅広く組織化している。

 

2 学校教育スタンダードについて 
 「うつのみや“いきいき学校”プラン」の基本理念、基本方針の具現化と基本目標の達成のため到達目標を含め、学校が取り組むことなど保護者や地域住民などに周知し、各学校が家庭・地域・企業からの協力・参画を得ながら具体的取り組みを推進するとともに、家庭との連携を深め、目指す児童生徒の実現を図るものと位置付けている。
 到達目標を「児童生徒の学力を保証するため、義務教育修了時に身に付けるべき能力や態度を、「知・徳・対」の3つの視点から示したもの」としている。こうした非常にわかりやすく誰もが理解できる言葉であらわすことが、負担なく身近な共通目標となり、より達成しやすいものと感じた。 

 

3 スタンダードダイアリーの活用
 いわゆる従来の連絡帳の学校と家庭の記録を一体化させたもので、連絡事項の周知徹底や児童生徒の生活指導、保護者との連絡に活用している。
 生徒一人一人にきめ細やかな指導が充実しており、家庭と学校の相互理解が深まる非常に有効なツールである。ぜひ本市でも導入していただきたいと感じた。

 

4 学校図書館司書の配置について
 地域学校圏ごとの学校図書館司書連携の形態ができており、配置状況として、全小・中学校へ1名づつ配置している。
 子供たちの一人一人に応じた読書指導をすることができ、また学習に必要な資料の利用も身につくなど期待される効果は未知数である。(※平成28年度の予算は212,040千円)

 

5 「会話科」の設置
 さまざまな人々と協力し、ともに生きるために必要なコミュニケーションへの積極的な態度、日本語による豊かな表現力、英語によるコミュニケーション能力を身につけさせる指導の充実を図るため設置された。
 コミュニケーションを図る機会がふえることと、また英語などに親しむ活動を通して交流を深めようとする意欲が向上するとともに人間関係の向上が見られた。

 

 以上、大きく5点の取り組みを通して、「子どもに夢、学校に活力、地域に絆」のプランを児童生徒中心に保護者、地域、企業も一体となって計画の実現に向けている。
その熱意と情熱は教育長はじめ市長も取り組みに参加する姿こそが、学力向上への環境の基盤となっているのだと確信した行政調査であった。

 

 


○11月11日 豊島区調査

 

<所見>

 

 「『学ばせたい 通わせたい 教育都市としま』の実現に向けて」というテーマで東京都豊島区が実践している「学力向上に向けた取り組み、教育ビジョン」について説明を受けた。
 「子供は社会を映す鏡」と言われるように、教育をめぐる現状は社会の変化とともに大きく変化している。こうした中で、学校におけるいじめや不登校、学力や体力の低下などは、首都圏や地方の別を問わず全国共通の課題となっている。豊島区はこれらの課題に対し、豊島区教育ビジョンを作成し、独自の教育施策を実施し、実を結び始めている。平成28年度全国学力・学習状況調査結果では小学校第6学年・中学校第3学年の平均正答率はともに全国平均を大きく上回った。
 以下に具体的な取り組みを述べる。

 

(1) 小中一貫教育連携プログラム
 「小中一貫教育は学びの連続性を大切にする」として、交換授業・小中交流授業・部活動などの小中連携プログラムを実施している。豊島区立小学校は22校、中学校は8校あるが、中学校ブロックごとにテーマを設けている。例えば駒込中学校ブロックは「学習意欲の向上・学習習慣の確立」、西池袋中学校ブロックは「社会を生き抜く力の育成」など各ブロック毎にテーマを決め取り組んでいる。また、小学校入学前の幼稚園保育園との連携プログラムも実施している。こうした取り組みにより、「知徳体の力」が確実に身につくようになっている。

 

(2) 豊島区独自の学力調査をもとにした授業改善
 授業改善に取り組むために、前年度の「授業改善推進プラン」に基づく取り組みの成果や学力調査の結果分析、教員間での課題の共有、学校の学力向上の取り組みや内容が保護者に理解されているかどうかの説明責任などを3段階で評価し、授業改善プランを作成し、実施している。

 

(3) 教育研究推進校の充実
 小学校22校と中学校8校の合計30校を約3年に一度の割合で教育研究推進校に指定し、各学校がテーマを設け学力向上に取り組んでいる。平成27、28年度研究推進校は6校で、そのうちの一校である朝日小学校は「表現する力・考える力を育てる算数科の指導」、また西池袋中学校は「道徳授業の指導と評価の充実」である。

 

(4) 能代市との教育連携
 平成25年1月に秋田県能代市と教育連携を締結し、教員や生徒の相互交流を実施している。年1回、豊島区立小・中学校の全教員を集めて教育フォーラムを開催し、模範授業やシンポジウムを実施している。このことにより、教師の授業力・指導力が確実に向上した。また、豊島区の中学生が能代市でいなか体験をし、能代市の中学生が豊島区にある立教大学の協力を得てイングリッシュキャンプを行うなど、中学生の相互交流が行われている。

 

(5) 小・中学校補修支援チューター事業
 放課後や長期休業期間を利用して、大学生を補修支援チューターとして配置し、基礎学力の定着を図っている。

 

(6) 学校・地域が連携して、安全・安心な学校づくり~インターナショナルセーフスクール~
 「インターナショナルセーフスクール」とは、WHOセーフコミュニティ協働センターから、より安全な教育環境づくりに取り組む学校に与えられる国際認証で、児童の危険予測回避能力の育成や地域・保護者と連携した子供の見守り体制を充実させることを目的にしている。国際認証を取得した学校は、平成26年度時点では1校だけだったが、来年度には6校が認証校となる予定である。こうした取り組みにより、朋有小学校では校内のけがが平成24年度は1,111件あったものが、平成26年度には678件と約半減した。

 

(7) アクティブ・ラーニングの土台をつくる図書館の学習・情報センター化
 「本を読む場所としての図書館」から「図書室とICT機器を利用した調べ学習できる部屋」と一新し、「図書館」は今まで以上に楽しく学べる場所となった。また、豊島区立小・中学校全校に学校図書館司書を配置し、学校図書館の環境整備を進め、読書力や国語力等の向上を図っている。

 

(8) ICT環境の整備
 平成25年度まではパソコンルームで学習用パソコンを活用していたが、平成26年度以降はパソコンルームを廃止し、普通教室でいつでもどこでもパソコンを活用した学習ができるように全小・中学校にタブレットパソコンを導入した。また、教職員の事務負担を軽減し、子供と向き合う時間を確保するため、平成26年度よりデータセンターを立ち上げ、校務支援システムを導入した。

 

(9) がんに関する教育の推進
 日本人の2人に1人が一生のうちにがんになると言われており、がんは日本人の死亡原因のトップとなっている。豊島区では全国初の区立小・中学校で独自教育プログラムを開発し、がんに対する子供たちや保護者の意識を高め、命の大切さを学ぶ教育の充実を図っている。

 

(10) ふるさと学習プログラム
 豊島区役所新庁舎が平成27年5月にオープンし、新庁舎の10階屋上には、かつての豊島区の自然を再現した「豊島の森」を整備した。ビルの上にあるとは思えない程の自然で埋め尽くされた「豊島の森」で全小・中学校の生徒が「ふるさと豊島区」の歴史や文化を学び、ふるさとに誇りを持ち、世界に発信できる子供の育成に努めている。

 

(11) グローバル化に対応した英語教育の充実
 豊島区では平成18年度より、全国に先駆けて小学校1年生から英語活動を実施した。また、平成27年度より、幼稚園でも「英語遊び」を導入し、自分が生まれ育った豊島に愛着と誇りを持つとともに、日本語でも英語でも発信できる英語教育を推進している。

 

(12) 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた教育の推進
 全学年で横断的に年間35時間を使い、オリンピック・パラリンピックの精神を学ぶとともに、体力の向上や国際感覚に富む人材の育成と言語コミュニケーション能力の向上に努めている。

 

 豊島区は「教育は、家庭と学校、地域が連携して行わなければならないものであるとの認識に立って、全ての区民が教育に参加すること」を目指している。
 担当者からの説明の最後は「子どもに学びがいを、教師に教えがいを、学校に元気を!」という言葉で締めくくられた。
 豊島区では上記のようにさまざまな取り組みを通して、子供たちが自ら学び行動する個性と創造性豊かな人間教育を進めている。
 函館市としても豊島区の良い点を取り入れ、子供の「生きる力」を育む学校教育の推進に役立てていければと強く思った。

 

 
 
 
 
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