第1次地域福祉計画 基本的な考え方

2014年3月29日

函館市地域福祉計画の基本的な考え方

    1. 地域福祉推進の基本理念

      少子高齢化や核家族化の進行,地域で相互に支え合う意識の希薄化,さらには,生活の質や豊かさを重視する志向の高まりなど,地域社会の構造が大きく変化するなかで,地域におけるきめ細かな福祉施策を展開するためには,すべての市民が福祉に対する理解を深め,地域での各種活動に積極的に参加するなど,行政だけではなく,地域で活動する団体や事業者,住民が様々な情報を共有し,一体となって,相互に連携・協力しながら取り組むことが大切になってきています。
      したがって,地域福祉の推進にあたっては,次に掲げる4つの基本的な理念のもとに,お互いに支え合うという意識を育みながら,より良い人間関係を構築し,誰もが主体的に活動できる環境づくりに取り組んでいきます。

      1. 住民参加
        障害の有無,年齢,性別など,人間にはそれぞれ異なった個性や特性がありますが,こうした特性等を超えてすべての市民が,地域社会の一員として,あらゆる分野の活動に参加できる機会を平等に保障されなければなりません。

        そして,このような社会は,福祉サービスを必要とする人にも,必要としない人にも等しく望ましい社会であるという意識を共有しなければ達成できるものではありません。

        したがって,このような意識を共有し,地域福祉を推進していくためには,計画の策定段階から具体の取組みにいたる様々な場面において,住民の主体的な参加を進めていくことが必要です。
      2. 共に生きる社会づくり
         
        地域福祉を推進するうえでは,人間の持つ多様性を,相互に認め合い,地域社会への参加を促しながら,地域で共に生きる住民相互の連携や心のつながりとそのためのシステムを構築することが必要です。

        また,福祉サービスの利用にあたっては,利用者個人の尊厳や基本的人権が尊重されるよう,地域全体で擁護できる仕組みづくりを進めることが必要です。
      3. 男女共同参画
        男性も女性も共に日々の暮らしのなかで,地域の課題に目を向け,社会の対等な構成員として,それらの課題解決の意思決定や諸活動に参画していくことが必要であり,地域福祉を推進するための諸活動は,男女共同参画の視点で展開されることが大切です。

      4. 福祉文化の創造
        地域住民が,自らの生活基盤である地域社会の問題を,自らの問題としてとらえ,事業者とも連携しながら,福祉サービスの提供に主体的に関わることが重要であり,また,福祉サービスを提供する事業者も,自らのサービス提供のあり方に常に目を向け,利用者の立場に立ったサービス提供を検証する必要があります。

        このような活動の積み重ねが,それぞれの地域に,個性ある福祉のあり方,即ち福祉文化を創造していくことにつながります。
    2. 地域福祉推進の基本的方向

      社会福祉法および国が示した地域福祉計画の策定指針等においては,地域福祉の推進に関し,計画に盛り込む事項として,
      1. 福祉サービスの適切な利用の促進
      2. 社会福祉を目的とする事業の健全な発達
      3. 地域福祉に関する活動への住民参加の促進
      の3つの事項を掲げ,これを踏まえながら,地域の実態に即した各種の施策の展開を図ることとしています。

      本市においては,これら3つの事項を地域福祉推進の基本的方向としますが,その具体的な内容は,次のとおりです。

      1. 福祉サービスの適切な利用の促進
        利用者本位のサービス提供体制を確立するためには,保健・医療・福祉に関するあらゆる相談に対応するとともに,サービス内容の周知や身近な場所での情報提供が必要となっています。

        このようなことから,市では,市内に3か所整備されている総合相談窓口において,これら相談等に対応していますが,窓口に出向いて相談できない利用者をはじめ,福祉的な支援を必要とするすべての人が,必要なサービスを確実に利用することができるよう,行政・関係事業者,地域住民との協力により,潜在的なニーズを把握することが必要になっています。

        具体例

        • 孤立,虐待,ひきこもり,サービス拒否などを早期に発見できる官民共同の情報ネットワーク機能の充実
        • 近隣住民や訪問サービス提供事業者などの活動支援や連携促進
        • 福祉活動団体同士の情報交換の場の創出
        • 福祉サービスに係わる出前講座や地域における懇談会の開催
        • 適正なサービス利用についての啓発 など
      2. 社会福祉を目的とする事業の健全な発達
        地域における福祉サービスが,事業者やNPO法人など,多様な主体によって提供されているなかで,サービス利用をめぐる様々なトラブルを未然に防ぐシステムや利用者が安心してサービスを選択できる環境づくりが必要となっています。

        このため,市では平成13年度から,「函館市福祉サービス苦情処理委員」を設置し,福祉サービスの提供に係わる苦情を,公平・公正な立場から解決してきており,サービス提供事業者自らの取組みによる苦情処理も進んできていますが,今後とも,これらの制度のさらなる周知を進め,制度の利用を促進するとともに,公的サービスと民間サービスの連携・役割分担を進め,質の高いサービスが安定的に提供されることが必要となっています。

        また,サービス提供事業者には,自らのサービスを評価するシステムや第三者機関による評価を通じ,サービスの質の向上に努めることが求められています。

        具体例

        • 民間による新規事業の開発やコーディネート機能への支援
        • 公的サービスと民間サービスとの連携・補完の促進
        • ニーズとサービスを適切に結びつける仕組みの確立
        • 保健師,ケアマネジャー,かかりつけ医の連携による情報の共有
        • 福祉サービス苦情処理制度の運用と苦情の発生を未然に防ぐためのサービス内容を点検・検証する体制の整備
        • 適切な事業者を選択可能なサービス情報の提供 など
      3. 地域福祉に関する活動への住民参加の促進
        これまでの地域における福祉活動は,民生委員,町会の在宅福祉委員やボランティアが中心となっていましたが,地域福祉を進めるためには,市民の一人ひとりが様々な地域の課題に目を向けるとともに,それらの課題を自らの課題として受け止め,その解決に取り組むことが求められています。

        近年では,民間活動団体や地域でのボランティア活動も活発化し,その活動内容も多様化しつつありますが,今後とも,社会福祉協議会が策定した「地域福祉実践計画」や各種団体および市民の自主的な活動との連携を図るなど,各種取組みへの支援強化が必要となっているほか,地域の構成員としての市職員の地域活動への積極的参加も求められています。

        具体例

        • 社会福祉従事者の専門性の向上やケアマネジメント,ソーシャルワーク体制の整備
        • 福祉サービスに係る情報の提供や活動拠点の整備
        • 事業者が行う交流会や簡単な介助方法についての勉強会の開催や活動に必要な知識や技術の修得に対する支援
        • 活動団体の内容や活動への参加に関する情報の一元的な提供
        • 福祉施策の立案や推進に市民が参加できる機会の拡充
        • 福祉分野以外の行政計画との整合性の確保と市の関連部局との連携
        • 市役所内におけるボランティア月間の実施検討など
         
    3. 地域福祉推進の基本的な方策

      地域福祉計画の策定にあたって実施した地域懇談会では,地域における福祉活動の場面で生じている様々な課題について活発な意見交換が行われましたが,これらの現状や課題を生み出している背景や要因と思われる事柄について,地域福祉計画策定委員会において検討し,地域福祉を進めるために必要なこととして,次の6項目を取りまとめました。

      地域福祉計画では,地域福祉推進の基本理念や基本的方向を踏まえながら,地域懇談会等で把握した市の実情を勘案し,これら6項目を課題解決に向けての基本的な方策として位置付け,行政・地域・住民の役割分担や協力・連携という視点での取組みも視野にいれながら,それぞれの役割に応じた各種の具体的な方策・事例の展開を通じ,地域福祉の推進を図ることとします。

      1. 地域での支援体制の構築
        福祉サービスを必要とする人も自分たちも同じ地域社会を構成する一員であるという意識を持ちながら,地域住民や行政,事業者がともに協力・連携するなかで,保健・医療・福祉などのサービスについて,気軽に相談を受け,サービスに関する情報を提供することができるよう,地域での支援体制の整備を進めます。
      2. 住民参加・人材育成の促進
        地域住民の地域における自立した生活を支援するためには,住民自らも「サービスの担い手」としての意識を高めながら,主体的に活動へ参加していくことが重要であり,そのためにも,生きがいづくりや交流事業などの充実に努めるほか,活動への参加機会の拡大や場の提供,さらには人材の養成・確保のための事業への参加促進を図ります。
      3. 活動団体の連携体制の整備
        地域福祉の推進において大きな役割を担う活動団体やボランティアなどの個々の機能や役割は,相互に連携・協働することで,より充実し,大きな効果が期待できるものであることから,それぞれの団体等が有する専門的な知識・能力の共有や行政・事業者等との連携を図り,地域の中で様々な立場から関わることのできる体制の整備を促進していきます。
      4. 情報の共有化・ネットワーク化の促進
        地域における福祉の実情をよく把握している町会や民生委員・児童委員,社会福祉協議会,在宅介護支援センターなどでは,それぞれが地域で活動し,様々な支援を行っていますが,それぞれが持つ情報の共有化を図ることにより,地域での要援護者への対応などが円滑に進められることから,基本的人権に配慮しながら,これら情報の共有化・ネットワーク化を促進します。
      5. 活動の場としての地域資源の活用
        地域福祉の目的の一つは,地域住民の参加を促し,地域の中で共に支え合う体制を構築することですが,その実現のためには,サービスが必要な人にとっては身近な地域で相談や必要な情報を得られることが,また,サービス提供をする事業者などにとってはサービス内容などの周知を通じ,事業活動を円滑に行えることが重要であり,さらには,住民と地域において専門的に活動している人との交流などが求められていることから,町会館など地域資源を活用した活動や専門的な知識を有する人的資源を活かす取組みを促進します。
      6. 意識の醸成
        地域福祉を進めるためには,社会福祉の意義を市民自らが理解し,責任と自覚を持って参加・支援していくことが重要であるとともに,福祉サービスの受け手となる場合にも,必要なサービスを適切に利用していくという意識が求められていることから,こうした意識の啓発のための活動の充実を図ります。
         
    4. 地域福祉計画と福祉のまちづくり条例との関係

      福祉のまちづくり条例では,その前文で,福祉のまちづくりの目的として,「すべての市民が安心して日常生活を営み,自らの意思で自由に行動し,真に豊かで,ゆとりと生きがいのある地域社会を築き上げていくため,あらゆる分野において障壁のないまちづくりに取り組んでいかなくてはならない」としています。

      また,市,事業者,市民は,この福祉のまちづくりの目的に向かって,連携協力しながら,取り組むこととしており,このためには,個人の特性や多様性を認め合い,住民相互が支え合い,連携し合うことのできるシステムづくりが不可欠ですが,この取組みこそ,まさに,地域福祉推進の取組みであり,したがって,地域福祉計画が目指すまちの姿も福祉のまちづくり条例が目指すものと同じです。

      本市の地域福祉計画は,福祉のまちづくりを推進するための意識の啓発と行政・市民の役割分担を通じた地域における具体的な活動を促進するために策定するものです。
    5. 地域福祉計画と既存福祉計画との関係

      地域を取り巻く様々な環境の変化から,サービス等を必要とする人が年々増加してきており,これまでも,それらの多様なニーズに応えるため,高齢者や障害者,子育てに関する計画を策定し,福祉サービスの目標量の設定とサービス提供体制の整備,サービスの利用促進などに関する身近な場所での情報提供,さらには,公的サービスを補完し,よりきめ細かなサービスを提供する主体としての,ボランティアやNPO法人などの積極的な参画を促進してきました。

      地域福祉計画は,こうした取組みに加え,福祉サービスの適切な利用の促進や社会福祉事業の健全な発達,福祉に対する市民意識の醸成や地域福祉活動への市民の主体的な参加の促進に関する方策を横断的な視点から取りまとめ,各種サービスに係る情報提供や利用にあたっての相談が気軽に行える,地域での温かい人間関係を形づくるため,行政・地域・住民が理念を共有しながら,協働して取り組む,共に支え合う地域社会づくりのための,全市民を対象とした計画です。
    6. 地域福祉計画の期間

計画の期間は,平成16年度から平成20年度までの5か年とし,必要に応じ見直しを行うこととします。
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