「文化芸術振興条例について」
京都市では、1978(昭和53)年世界文化自由都市宣言を行い「広く世界と文化的に交わることによって、優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市でなければならない」と決意し、これを実現するための長期的な指針として、1996(平成8)年「京都市芸術文化振興計画」を策定し、この振興計画では、芸 術文化の東京一極集中や全国の他都市の文化振興への取り組みによる、相対的な地位の低下を危機と捉え、「京都芸術センタ−」の設立や「京都市芸術文化特別 奨励制度」を創設し、さまざまな芸術文化振興事業を展開し、一層の推進を図るため、振興計画の総括と近年の芸術文化を取り巻く環境の変化に対応するため、 2003(平成15)年「京都芸術文化振興計画推進プログラム」を策定、更に、京都が世界に対して日本を代表する文化芸術都市であることを改めて市民に認識してもらうとともに、対外的にアピールするために2006(平成18)年3月を目途に「京都文化芸術都市創生条例」を制定する。
これまでの具体的な取り組みとしては、京都芸術センタ−開設や京都市芸術文化特別奨励制度の創設、日本伝統音楽研究センタ−の開設、京都市立芸術大学の充実、芸能文化イベントの実施や京都市立美術館別館の開設等の芸術文化施設の整備に取り組んできた。
中心市街地にあった学校を利用するなど、中心市街地の活性化にも役立てるなど別の視点からも考えられている。
奨励金は3ヵ年で528件の応募があり、3ヵ年で11件に対しそれぞれ300万円の奨励金を交付している。
イベントの充実では、京都の観光の閑散期である9月から10月をはさみ、11月中旬まで京都文化祭典を開催し約50万人の参加(内京都市民約25万人)がある。
条例案のなかには、市の責務を市民との連携をうたい、市民の責務は京都の文化芸術が日常生活の中で豊かに育まれてきたことを思い起こし、将来に引き継ぐこととし、あくまでも市民が中心となり、その活動を市が支援する事を念頭においているものと思われる。
京都らしさを取り入れ、1200年余りの歴史を持つ京都ならではの京ことば、衣食住、宗教文化、年中行事等、くらしの文化を尊重しているのも特筆すべき点と感じた。
又、芸術活動とまちづくりを融合し、公共施設、遊休施設等を拠点に地域の特性を活かした、芸術活動を支援するなど新たな試みも図っていこうとしている。
当市においても、京都市の条例を参考にし、函館らしい文化芸術振興条例とは何か、市民が情報発信や、参加しやすい振興条例を策定する必要があると学んできた。
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