平成20年度 民生常任委員会行政調査

2014年3月27日

【民生常任委員会行政調査】

  平成20年10月27日月曜日から10月29日水曜日

10月28日 大垣市調査の写真 10月29日 金沢市調査の写真

○10月28日 大垣市調査

 

<所見>

 

(1)患者の確保について

医療圏人口40万人の中で、圏内最大規模の病院でもあることから、患者数は非常に多いが、それでも最近は減少傾向にある。

救急センターで診察した患者が、そのまま診療を受けるというケースにつながるとの考え方から、1次救急も積極的に受け入れる体制をとっている。また、地域連携を強化し良好な関係を保つ努力もしている。ただ、1次救急に患者が殺到するという傾向もあり、診療時間外の医師の体制確保がたいへんなようである。

 

(2)医師の確保について

一方、多くの患者を診療するためには、医師の確保が不可欠であるが、全国的に医師が不足しており、診療科によっては休診とせざるを得なくなったという病院も多いのではないか。

大垣市民病院では、医師は名古屋大学(医師の8割を占める)をはじめ、3大学から派遣してもらっており、もし、医師の引き上げがあった場合は、必ず代わりの医師を派遣してもらうようにしている。

医師の増員は難しいとのことだが、研修医には、研修修了後、少しでも病院に残ってもらえるようにしており、雇用の身分や勤務条件の整備に力を入れている。

研修医については、初期研修2年目から常勤嘱託として勤務してもらい、時間外勤務手当も支給されている。さらに後期研修医は正職員扱いである。

また、医師診療手当(業績に応じた手当)を支給している。

医師不足に悩むところが多い産科医については、一時、4人まで減ったことがあるが、現在は8人おり、医師の採用面接で、産科・婦人科をめざす医師をより多く採用している。

 

(3)看護について

医師の確保とあわせて、看護職員の確保も病院の運営・経営には不可欠であるが、診療報酬の高いいわゆる7対1看護(函館市は導入済み)は、取得しようと考えており、収益もさらに2億円が見込めるとのことであるが、看護師がさらに140人必要となり、毎年、50~60人の応募しかないことなどからすると厳しいとのことである。

看護師の養成・確保については、市が看護学校をバックアップしており、市民病院からの講師の派遣などを行っているが、そうしたつながりから、市民病院へ就職を希望する者も多い。

また、看護師のための寮も設置されている。ただ、建物が古いため、現在は、半数しか入居していないが、このように働きやすい環境といったことにも配慮がされている。

 

(4)病床稼働率の向上

健全経営のためにも、病床の稼働率のアップは重要であるが、大垣市民病院では、病床管理委員会が設置されており、毎日、10時現在の病床の状況が報告されることになっている。

病床稼働率を上げるためには、入院の基準を見直し、病棟や診療科を越えて、1日や2日なら入院させるという対応が必要だとの考えであり、病床に限らず、診察室も整備し、患者が多い診療科については、診察室を増やしたり、手術室の稼働状況のチェックなども必要とのことだった。

 

(5)その他、特徴的な点

大垣市民病院は、立地条件やおかれている環境としては、患者が多く来院する状況にあり、それが、黒字経営が維持されている要因のひとつだと考えられるが、それでも常に健全経営となるように、努力していると言える。

医師や看護師の確保、病床の稼働率向上などをはじめ、日常的に、費用対効果を念頭に業務が行われているようである。

また、市民病院の施設を見ると、患者が検査を受けた後、例えば気分が悪くなったりした場合、回復するまで休める部屋(リカバリー室)や、検査を受けるまでの間待機する部屋などが設置されているほか、玄関には、職員を2名配置し、来院する患者のクルマの乗り降りなどにも気を配っており、必要に応じて介助などもしているようである。これらは、患者本位の対応であり、接遇面なども、常時、事務局長や看護部長が院内を巡回し、必要な指導などを行っているとのことである。

また、市議会に市民病院に係る特別委員会が常設されており、財政的には黒字であるから、その点についての議論はないようだが、少しでも患者にとって利用しやすい病院となるよう、各種要望等についての議論が交わされているとのことであった。

委員会には、市民病院の看護部門の責任者も出席している。

 

(6)まとめ

当市の函館市立病院は、累積債務38億円余を抱える中、財政的な建て直しが急務であり、経費節減などの取り組みはもちろん重要だが、一方、どうやったらより利用してもらえるのか、診療を受けるならこの病院でと思っていただけるか、という視点も持ち合わせるべきではないかと考えられ、そうしたことにつながるのであれば、程度問題ではあるが、ハード・ソフトあわせて充実させるための投資を行うことを検討してみる必要はあるのではないか。

近く、改革プランの素案が公表されることになっているが、市立病院の経営状況・財政状況の改善が、大きな課題とされている中で、いろいろな角度から十分な議論が必要だと考えられるが、大垣市民病院は、医療圏内随一の大規模病院で、経営も黒字経営であり、当市の市立病院は、第3次救急など、他の病院とは違う機能はあると言え、同等以上の規模の病院が市内にいくつもあるなど、おかれている状況は違うが、いかに医師や看護師を確保するのか、また、モチベーションをどう高めるのかといったことや、患者のための診療はどうあるべきかなどの意識の持ち方については、大いに参考になるのではないか。

 


○10月29日 金沢市調査

 

<所見>

 

【「地域連携」を軸とした経営改善で単年度黒字の達成】

 

「地域連携」を軸とした経営改善を図って、単年度黒字を達成した金沢市立病院を視察し、市立函館病院の経営健全化へ向けての多くの示唆をいただくことができました。事務局からは、「病院としての質の向上を図り、患者の満足度を高めることにより、最終的には経営は黒字になる」との話がありました。我が市立函館病院の経営健全化には、何が必要なのかを改めて教えていただいたように思います。

同病院では、8期続いた赤字を改善するため、単年度収支黒字化を目標にした経営改善計画に2007年度から取り組んでいます。地域の開業医の方々と連携の強化を図り、内外の声に率直に耳を傾け、病院内の環境を整備するなどソフト面での改善向上に努力しています。その結果、病床利用率が約10%も上昇し、入院患者数の増加により、収支が改善し、初年度の07年度決算で黒字の見通しとなりました。このような金沢市立病院の取り組みはかなり評価できるものであり、私たちも本当に多くのことを学ばせていただきました。

まず、感じたことはトップの姿勢が大切であり、トップの思いが病院全体を大きく動かすことができるということです。市立病院は、「地域連携型病院」をスローガンに掲げて、市内の開業医との連携強化に努めましたが、その先頭を切ったのは07年4月に着任したばかりの高田重男院長でした。同病院は、もともと市内140余りの開業医を「登録医」と名付けて提携を結んでいましたが、患者の紹介率は決して高くはありませんでした。このような現状でしたが、高田院長が中心に登録医のほとんどを訪問し、言うなれば営業をして歩かれたわけです。その際に、院長自らが改善計画を説明し、情報交換を密にし、連携を図ったということです。と同時に、それまで10床だった開放病床を20床に拡大し、かかりつけ登録医と市立病院とで協働して治療に当たる体制を確立したことも特筆されます。

また、高田院長は営業回りのほかに、率先して院内の患者を回り、患者の声に誠実に耳を傾け、院内環境の整備向上に反映されるようにして、患者からは好評を得ています。事務局の方々も異口同音に、院長が先頭に立つことによって、職員のモチベーションも向上し、より一層の経営改善につながっていると評価しています。

さらに、同病院では、全職員の接遇の改善向上に徹底して取り組んでいることは注目されます。事務局の説明では、今年度は全職員対象に外部講師により、1回2時間全5回の接遇研修を実施しているとのことです。院長を筆頭に全ての医師や看護師、各専門職員や事務職員等、例外なく受講しているとのこと。我が市立函館病院でもぜひ取り組んでもらいたいと願うものです。

金沢市立病院の視察を終えて率直に思い感じたことは、「病院の経営改善のポイントはトップのやる気とそれを支える全職員の一体感である」ということです。そして、私たちの市立函館病院には、「市民に愛され、信頼され、必要とされる病院経営」をぜひ目指していただきたいと切に願い、報告とさせていただきます。

 
 
 
 
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