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平成23年度 経済建設常任委員会行政調査

公開日 2014年03月27日

更新日 2021年12月14日

【経済建設常任委員会行政調査】

  平成23年11月17日木から11月19日土曜日

11月17日 岐阜市調査の写真 11月18日 京都市調査の写真

○11月17日 岐阜市調査

 

<所見>

 

岐阜市役所において、岐阜市まちづくり推進部および景観整備機構に指定されている(財)岐阜市にぎわいまち公社から説明を受けた後、江戸期の歴史的まちなみ景観を形成し、市でも重点的に保全に取り組んでいる川原町地区の現地視察を行った。

両白山地と飛騨高地のあいだから伊勢湾へ流れる日本三大清流長良川をかかえる岐阜市では、まちが歩んできた歴史をいまに伝える歴史的まちなみを行政、市民、公社の3者が一体となり保全していく取り組みが活発に行われており、当市の景観保全に係る取り組みを考えるうえで非常に参考となるものであった。

鵜飼観覧の舟場(長良川)と川原町界隈とを結ぶ直線は、当市のように断続的ではなく、連続性を持って意図的に創り上げられている。その連続性は完璧であった。通り沿いの建物はひとつ残らず町家づくりのテーマを帯びた格子戸構えの建て方、または外装をほどこしてある。江戸中期まで特に栄えた鵜飼を伝統として受け継ぎ、鵜飼観覧を目的として訪れた人々に当時の雰囲気を、五感全てを通して浸透させている。

また、能動的に表現している部分ではないところで気になったのは、通りにおける上空の景色に電線が見当たらずに空が直接見えるところであった。昨今、上空の景色をクリアにするためには電柱・電線を 地中化する手法が多くとられているが、該当の通りにおいては、地中化ではなく、電柱を通り沿いから建物の裏側に移設し、電線の地上からの高度をさげた配線にすることでそれを実現しているところである。大幅な経費の節減を実現しながらにして同じ効果を生み出している。

岐阜市における「意図的な 連続性」は、線の誘導による近距離の観光資源の結び付けを有利に働かせる参考となる。近距離間の誘導は徒歩散策による、より踏み込んだ現地観察と消費行動につながる。まちなみを形成するうえでの岐阜市の資金面の取り組みについては、市民の積極的な賛同を促す仕組みづくりが課題と思われるが、テーマの連続性による観光資源の連結が際立っていることは、当市の景観形成を考えるうえで非常に参考になるものであった。

 


○11月18日 京都市調査

 

<所見>

 

京都市景観・まちづくりセンターにおいて、同センターおよび京町家の保全、再生に取り組むNPO法人京町家再生研究会から説明を受けた後、京町家の現地視察を行った。

岐阜市の事例が当市の景観形成にとって参考となる事例であるのに対し、京都市の事例は歴史的建造物の保存のために参考となる事例である。

まず、歴史的建造物の指定範囲であるが、指定は地区における限定ではなく、所在地は広範囲に及ぶ。その点において、函館市における明治・大正期に礎を築いた 建造物は当時の地勢柄、西部地区に生活文化圏が集中していたため、歴史的建造物が存在する場所も西部地区に集中しているのが必然であることから、京都市の 事例になぞらえる必要は無いものととらえる。

別の側面からの考察として、京都市では、歴史的建造物を保存する目的として、行政による積極的な財政支援がうかがえる。また、まちづくりに関わる事項を設立主旨としたNPOによる支援も浸透している。

当市との差はここにあると思われる。当市においては、伝統的建造物や景観形成指定建築物に指定された建物の所有者が、建物をその状態のまま保存し続けることが経済面または活用面で困難になり、指定解除を申し出る事例が増えている。そしてその結果、歴史の名残を称える建物が解体され、まちの雰囲気を創り上げて いる大切なパーツを損失している実態にある。

その点において、京都市の取り組みは、保存のためだけではなく、活用方法を含む、行政やNPOを介した提案と支援により、所有者または管理者の経済的な無理が生じづらく、かつ有効的な活用に市民からもその存在価値が広く認められている。

建物を使用している管理者が管理している建物が歴史的建造物であるということに誇りを持っているという現実も目を見張るものであり、まちづくりセンターの方が「建物は個人の物でも景観は公共の物」と話された言葉も、感覚として広く浸透しているようだ。

行 政とNPOの支援が建造物の所有者または管理者の負担を軽減し、長く、しかも有効的な活用が実現し、広くその存在価値が認められていることにより、保存および活用のための予算付けの強い根拠となる。この好循環に、歴史と景観を守る市民の自負が乗り、より一層伝統的建造物保存への理解や意識が深まっている。

当市においても、具体的数値ではなく、システムの起動として京都市の取り組みや取り組みによる影響を例とし、行政、市民、事業者が一体となった継続性のある好循環を生み出すことを目的とした細部にわたる検討を行う必要があると考える。

 
 
 
 
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