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平成24年度 総務常任委員会行政調査

公開日 2014年03月27日

更新日 2021年12月14日

【総務常任委員会行政調査】

  平成24年11月6日火曜日から11月8日木曜日

11月6日 宇都宮市調査の写真 11月7日 長野市調査の写真 11月8日 交通事業者懇談会の写真

○11月6日 宇都宮市調査

 

<所見>

 

宇都宮市においても、少子高齢化、人口減少、モータリゼーションが進行してきた結果、公共交通利用者の減少が進み、公共交通事業者の収益の悪化、利用料金や ダイヤ設定など公共交通のおけるサービス低下が進み、不便さによりさらに自動車利用が増加、公共交通利用の減少へとつながっていくという負のスパイラルへ陥っている。

これらの要因により、中心市街地から遠隔地への人口流出が進み、人口が拡散し、まちづくりの上では、中心市街地の活力低下、行政コストの増大、交通に関しては、交通渋滞の発生、環境への負荷増大、車を利用できない人への移動の自由度の低下を招くなど都市形成の上で重大な問題を発生させている。

これらの問題を解消するため、行政が支援し、公共交通サービス水準の向上を図り、交通事業者の収益を向上させ、利用者の増加、人口の集約を図り、集約型の都市構造の実現を支える宇都宮都市交通戦略を策定し将来にわたり持続可能な公共交通の実現を目指している。

宇都宮市は、新幹線が停車する宇都宮駅を中心に、都心環状線、内環状線、宇都宮環状線、放射状に12放射道路が取り囲み、市民の居住地は、中心市街地から放射状に移動が進んでいる。このため、基幹・幹線の公共交通ネットワークの構築と、それを補完する公共交通の整備を目標としている。

その戦略としては、中心市街地を循環する路線の新設、その外側に結節点としてのトランジットセンターを整備し、トランジットセンターを経由した中心市街地への移動を促し、渋滞対策にもなるよう考慮している。また、トランジットセンターの外側に各地域内交通を導入し、地域の生活に密着した移動手段を確保し地域での生活の対応を図ろうとしている。

具体的には、中心市街地南循環線や放射状路線のバス路線新設の社会実験、トランジットセンターでの駅舎橋上化、駅前広場の整備、駐輪場の整備、バス総合案合システムの導入、PTPS(公共車両優先システム)の導入、地域内交通としては、タクシー事業へ運行委託 し、定時定路方式あるいはデマンド方式で導入を進めている。

本市は、宇都宮市とは異なり、中心市街地が分散していること、扇型の地形、市町 村合併により海岸沿いに長距離にわたり居住していること、また全国的にも少子高齢化が先鋭的に進行、公共交通の負のスパイラルが進行しているため、宇都宮市の駅を中心とした公共交通体系だけでは対処できないものと考えられるが、地域内交通の考え方は参考にし、早急に対策を講じる必要があると考える。

 


○11月7日 長野市調査

 

<所見>

 

長野市は日本地図の真ん中に位置する長野盆地の緑豊かな山々に囲まれた場所に位置している。明治4年に長野県になり、長野市は明治30年に市制を施行した。 明治・大正・昭和・平成と近郊地域と合併を繰り返し、平成22年1月では面積834平方キロメートルで人口は約39万人となった。長野駅前から1.8キロメートルの所に善光寺があり、門前町として現在も市街地側が善光寺口として栄えている。人口は減少傾向で高齢化も進展している中で市街地の拡大と中心市街 地の空洞化が進み自動車利用に適した都市形成が進行している。市内を縦断する幹線道路は交通量も多く混雑し、公共交通から自動車へのシフトが一気に進み公共交通への依存率も下がり、バス利用では高齢者が約2割で運転免許を持たない高齢者にとってバスは必要不可欠なものとなっている。

市内のバス会社は川中島バスと長電バスの2社である。利用者はここ30年で約30%に減少している。利用者減少、サービス低下、さらなる利用の低下と悪循環している。

長野駅を中心としたバスネットワークを形成しているが、交通弱者対策、とりわけ不便なのが、面積の7割を占める中山間地域で、ここではバスのほか乗合タクシーなど地域の特性に応じた移動手段を導入している。

長野市のバスに関する各種施策として、生活路線バス以外の乗合バスとしてコミュニティバスや乗合タクシーを運行している。市営バスはあるが、利用者数は減少 し採算性が厳しい状態である。路線バスの廃止によりスクールバスでの対応が増加しており、少子化による利用者は減少しても遠距離通学助成費は大きくは減少しておらず、福祉移送サービスの利用件数は増加傾向にある。

平成19年に施行された公共交通活性化法にのっとた長野市地域公共交通総連携計画に平成20年から取り組み、22年に循環バスの実証運行をはじめた。既存の路線バス、中心市街地活性化としての市街地交通の円滑化、そして高齢者の交通手段確保のためのコミュニティバス、乗合バス、乗合タクシーなど地域の要望に合う交通活性化、実証運行を経て本格運行を進めている。

乗合タクシーは乗合バスより低価格で費用を圧縮できるので、行政サイドは助かるが、タクシー業者からは苦しいという話は聞いている。

バ スのICカード化については、カードの管理及び運営を長野市公共交通活性化・再生協議会(以下「協議会」という。」)が行い、バス会社はバスの運営のみ行 い、バス会社の負担を省いている。実際の運行には、協議会が利用者の希望の日時、利用区間などを記録したメモリーをバス車載のナビに差し込み、行路や時間な どが表示された映像に基づきドライバーが運転している。営業や経理、宣伝、教宣活動も協議会が中心に行い、カードへの入金の練習や子どもには公共交通を知ってもらうための教育も行い、初期のトラブルはあったにせよ、現在は当たり前に利用されている。

PTPS(公共車両優先システム)は、大量公共交通機関であるバス等の運行を円滑に行わせ、バス等の定時運行を確保するとともに利用を促進して、道路の利用効率を向上させる施策である。バスレーンなどのような交通規制施策と交通信号機など交通インフラを制御するシステムを合わせたものであるが、警察と連携しなければ実現できず、その警察がシステム導入に前向きでないため、着手・検討に至っていない。

コミュニティバス等の運営は自治体が行うほうが過疎債や合併特例債等の財源を利用できる長所がある。朝夕の通学時はスクールバスとして主に子どもたちが利用し、閑散となる日中帯は高齢者が利用する運用としている。

乗合タクシーの料金は70歳以上100円で地域によって異なり200円の地域もある。利用者については、地区によって状況が違うが、1日当たり10人、多いところで40人くらいで普通車、ジャンボタクシーの予約によるドア・ツー・ドアで運行している地域が多い。(小型バスからジャンボタクシーに変更した地区 もある。)運行業者については、補助金を交付する方式のため、入札はできないが、タクシー協会の協力の下、見積書を提出してもらい、価格の一番安いところと契約している。タクシー車両は昼間はそんなに忙しくないため、儲けは少ないが、効率的に車両を使用できる。

小・中学校のスクールバスは小学校4キロメートル以上、中学校6キロメートル以上、学校から離れていると教育委員会は移動手段を確保しなければならない、財源は国から手当されるらしい。

70 歳以上の高齢者のお出かけを支える「おでかけパスポート」は路線バス、循環バス、乗合タクシーが利用でき、対象となる高齢者数は5万5,000人と発行枚 数は多いが、実際の申込みは約4万人で、利用上限はない。距離が遠いところだと1,500円かかっていたのが、100円になった。

長野市は 駅周辺に行政機関も集中し東西南北の放射線状に開発が進められた。買い物や医療サービスなどの施設も中心地にあり、中心地から遠くなるにつけ、範囲は広く なり、交通網は薄くなり公共交通の便は悪くなる。何らかにより自家用車等の移動手段を確保できる住民はいいが、そうでない方は高額な交通費を拠出しなければならない。

函館市はその円を縦と横に4等分したような地形である。扇の要が中心地で先に行くほど公共交通網は薄くなる。また、東部地区の海岸沿いの南茅部、椴法華、恵山、戸井地区に暮らす住民の公共交通をどう確保するか、または保証するかも市の課題である。コミュニティバス、乗合バス・タクシー、スクールバス等、本市の現状に沿う取り組みを早急に進めなければならない。

 


○11月8日 交通事業者懇談会

 

<所見>

 

飯 綱町iバスについては、路線バスの運行に変えて平成19年10月から運行を開始した。iバス乗車対象地域の全世帯の60%以上の登録があり、町内どこに住んでいても高齢者等が買い物や病院に行けるよう電話予約によりドア・ツー・ドアでワゴン車で送迎するデマンド交通であり、住民から大変に喜ばれている。

利用者は飯綱町に事前登録し、利用の1時間前までに電話予約すれば病院や買い物等に出かけることができ、また帰りも自宅まで戻ることができるシステムである。

4地域のうち3地域を長電バス(株)が担当、1地域は地元のタクシー会社が担当しており、朝夕は通勤・通学利用者がいるので、ワゴン車ではなく大型バスを使用、昼間はワゴン車に変えて運行している。

料金は大人300円、小学生200円、幼児は無料で、各地域7便の運行には、5名の乗務員があたっている。

予約受付は飯綱町で行い、データをカード化したものを運転手に渡し、カーナビにセットし、運行している。

信濃町の新交通システムについては、平成24年4月からデマンド方式による新交通システム「ふれあいコスモス号」という愛称で運行している。運行方法等はi バスとほぼ同じ内容だが、ダイヤがこちらの方が多い。まだ、利用は少ないが、冬季に向かい利用もふえるのではないかと見込んでいる。

料金は大人300円、中学生以下は無料、4地域のうち、富士里地区は2台運行だが、各地域8便(路線バス含む)で乗務員は10名である。

飯山市菜の花タクシーについては、平成24年10月から運行している。内容は上記2件と同じで朝夕はスクールバスを兼ねた路線バスで、昼間はワゴン車で平日4便、土曜・休日7便デマンド方式で運行している。

料金は同一の区域内は200円、区をまたぐ場合は最高500円で、こちらは小さなデマンドなので、予約も含め、長電バス(営業所)で行っている。

地域の移動手段としてバスは大変重要な手段であるが、定時定路方式だけでは、移動需要とマッチできず、結果、赤字路線、経営圧迫、経費削減、サービス低下、 利用のさらなる減少という連鎖の一因だとすれば、デマンド方式は移動需要に沿った効率的なバス運行と考えられ、ニーズに合わせ大量輸送、少量輸送に適した 車両を柔軟に使用することも可能である。路線バスに比べ、町や市からの助成額は少なく済み、函館でも東部4地域や旧市内でも比較的、中心部から離れている 地域で試行する価値があるのではないかと考える。

長電バスでは、デマンドバスの運行まで、行政がすべて事前に準備を進めてくれたので、安心して実施することができたと感想を述べていた。行政が民間任せではなく、主体的に民間と協力し、努力をしていけば厳しい状況下でも活路が見いだせることを感じた。

 
 
 
 
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