公開日 2026年09月01日
更新日 2026年09月07日
回答
受付年月日
令和8年8月17日
ご意見等要旨
函館市政策アドバイザー設置要綱(令和6年6月14日施行)および公開されている意見交換会の会議録(令和6年度第1回・第2回、令和7年度第1回、令和8年度第1回の計4回分)を精読した上で、以下の点についてお尋ねします。
本投稿は、公開されている設置要綱および会議録という一次資料のみを根拠としており、特定の個人を批判するものではありません。制度の実効性と市民への説明責任の観点から、事実確認として質問するものです。
【第1問】成果指標の設定状況について
設置要綱第1条には、本制度の目的として「専門的知識や経験を有する者から助言および提言を得て、効果的な市政運営を行うこと」と定められています。
公開されている4回分の会議録を精読したところ、本制度が「効果的な市政運営」にどの程度寄与したかを客観的に測定するための成果指標(KPI等)が制度上設定されていることを示す記述が、会議録・設置要綱のいずれにも見当たりませんでした。
本市が直面する若者流出・雇用創出・市民所得の向上という根本的な政策課題は、4回の会議を通じてアドバイザー全員が共通して指摘し続けている課題です。しかし、これらの課題に対して本制度がどの程度貢献したかを測る仕組みが存在しないとすれば、制度の目的である「効果的な市政運営」の達成を客観的に評価することは困難です。
また令和6年度第2回会議録において市長は「施策展開の方向性はインターチェンジ的な役割であり、何らかの市の計画になるということではない」と発言されています。この発言は制度の性格を説明するものとして理解できますが、一方でこの位置づけのもとでは提言が実際の計画・予算に接続されたかどうかの追跡が制度的に担保されないという構造的な問題を内包しています。
(1) 本制度の運用にあたり、設置目的である「効果的な市政運営」の達成度を客観的に評価するための成果指標(KPI等)は設定されていますか。設定されている場合は、その内容・測定方法・現時点での測定状況をお示しください。
(2) 設定されていない場合、その理由および今後の設定予定をお示しください。
(3) 市長が令和6年度第2回において発言された「インターチェンジ的な役割」という位置づけは、現在も変わっていませんか。変わっている場合は、どのように変わったかをお示しください。
【第2問】提言の政策接続の記録と公開について
令和8年度意見交換会(令和8年5月22日)の市長開会挨拶において、過去の提言に対する具体的な対応実績が口頭で列挙されました。LCC誘致・SEP船母港化・高専との連携強化・超広域プラットフォームの設立・内装改修補助制度の新設・合宿誘致等が例示されており、提言への対応を説明する姿勢は評価しています。
しかし以下の2点が確認できませんでした。
第一に、どの提言がどの会議録の何ページに基づき、どの予算科目・計画書・事業に、どのような経緯で反映されたかという接続の経路を示す文書記録が公開資料の中に存在しません。
第二に、設置要綱全7条のいずれにも、提言の採否記録・公開義務・政策接続に関する規定が存在しません。これは提言の取捨選択の判断が制度的に記録・公開される義務を負わない構造であることを意味します。
対応実績として列挙された施策の中には、アドバイザー会議設置以前から政策的潮流が存在していたものも含まれている可能性があります。そのため、どの施策がアドバイザーの提言によって実現・加速したものであり、どの施策が独立した行政判断によるものかが、現状では市民側から区別する手段がありません。
提言への対応を口頭で説明することは重要な一歩ですが、市民による独立した検証を可能にするためには、文書による記録と公開が不可欠と考えます。
(1) アドバイザーからの提言について、採用・不採用・保留の別とその理由を記録した内部文書は作成されていますか。
(2) 作成されている場合、情報公開請求によって開示対象となりますか。また自発的な公開の予定はありますか。
(3) 作成されていない場合、提言の取捨選択はどのような手続きと判断基準に基づいて行われているかをお示しください。また文書化・公開する考えはありますか。
(4) 今後、提言と施策の対応関係を市民が追跡できる形で公開する仕組みを設ける予定はありますか。
【第3問】制度の費用と費用対効果について
設置要綱第4条により、アドバイザーへの謝礼金は会合招集時に日額12,000円と定められており、同条第2項により旅費が函館市職員等の旅費に関する条例の例によって支払われることが確認できます。
本制度は令和6年度に2回、令和7年度・令和8年度に各1回の計4回開催されています。公開情報から確認できる範囲で、出席者への謝礼金は1回あたり最大9名分・108,000円、4回合計で最大408,000円となります。これに加えて、アドバイザーの多くが東京圏を拠点としていることから、航空運賃・宿泊費等の旅費が相当額支出されていると理解しています。
公費を用いた制度である以上、その費用総額と費用対効果について市民への説明責任が生じると考えます。
(1) 令和6年度・令和7年度・令和8年度それぞれについて、本制度の運営にかかった総費用を謝礼金・旅費・会場費・その他経費の内訳を含めてお示しください。
(2) リモート参加のアドバイザーに対しても謝礼金・旅費は支払われていますか。要綱第4条の「出席」の解釈とあわせてお示しください。
(3) 支出した費用に見合う成果が得られているかについて、市としてどのように評価していますか。その評価の根拠・方法とあわせてお示しください。
【第4問】開催頻度の根拠とアドバイザーの関与実態について
設置要綱を精読したところ、開催頻度に関する規定が存在しないことを確認しました。第4条に「市長が開催する会合等に招集した場合」という表現があるのみで、年間の最低開催回数・開催基準に関する定めがありません。つまり開催するかどうか・何回開催するかは市長の裁量に完全に委ねられています。
また会議録から確認できる関与の実態として、以下の事実があります。令和7年度第1回(令和7年11月14日)では出席アドバイザーのうち複数名がオンラインでの参加でした。令和8年度(令和8年5月22日)では8名中2名が欠席でした。年1回という開催頻度のもとで欠席・オンライン参加が生じることは、要綱第1条が定める「専門的知識や経験を有する者から助言および提言を得る」という目的の達成に影響を与えうると考えます。
さらに設置要綱第5条第2項には「もっぱら自己の利益を図ることのみを目的とした助言等を行ってはならない」という規定がありますが、事前の利益相反申告義務・確認手続き・審査の仕組みに関する定めが要綱上存在しません。利益相反を事後的に禁止するだけでは、委嘱時点での問題を未然に防ぐ機能を果たせません。
(1) 開催回数は何を根拠にどのような基準で決定していますか。また令和6年度のみ2回・以降1回となった判断根拠をお示しください。
(2) 開催頻度・最低開催回数を要綱に明記することで制度の安定性を担保する考えはありますか。
(3) アドバイザーの委嘱にあたり、利益相反の有無を事前に確認する手続きはありますか。ある場合はその内容をお示しください。ない場合、導入の予定はありますか。
(4) オンライン参加・欠席に関するルール(参加形態の基準・欠席時の対応等)は定められていますか。定められていない場合、整備の予定はありますか。
【第5問】制度の選定基準と改善検討状況について
設置要綱第2条には「市長が委嘱する」とあるのみで、アドバイザーの選定基準・選定過程・選定理由の公開に関する規定が一切存在しません。また第6条の解嘱権限も市長のみに帰属しており、議会・市民・第三者機関による関与の余地が要綱上ありません。
4回の会議録を通じて確認できる構造的な傾向として、現在の8名のアドバイザーはいずれも東京圏または大阪圏を拠点としており、函館市・道南地域の内部事情に精通した人材が含まれていません。外部の俯瞰的な視点は制度として重要であり、その意義は理解しています。
一方で、地域の実態に根ざした知見とのバランスが、より実効的な助言を得るために必要ではないかと考えます。
また市民が日常的に感じている地域課題と、アドバイザー会議で議論される内容との間に乖離が生じていないかを定期的に確認する仕組みも、現行制度には見当たりません。
(1) アドバイザーの選定基準・選定過程を文書として市民に公開する考えはありますか。
(2) 市民が日常的に感じている地域課題をアドバイザー会議の議題に反映させる仕組みは現在ありますか。ある場合はその内容を、ない場合は導入の検討状況をお示しください。
(3) 地域の実態に精通した人材をアドバイザーに加えることや、市民の意見をアドバイザー会議に届ける仕組みを設けることを検討していますか。
(4) 以上の点も含め、現行制度の課題についての市の認識と、制度の実効性向上に向けた改善の検討状況を総括してお示しください。
以上5問についてご回答をお願いします。
市の回答
お問い合わせのあった質問に関しまして,以下のとおり回答させていただきます。
【第1問】成果指標の設定状況について
(1)および(2)のご質問への回答
政策アドバイザーは,本市の政策推進上の重要課題に関して専門的知識や経験を有する者から助言および提言をいただくことを目的として委嘱しており,その助言等についてはあくまで事業や計画策定等の参考とするものです。事業や計画策定自体は市が行うものであることから,成果指標は施策や各種計画等に設定すべきものと考え,アドバイザー制度には成果指標を設定しておりません。
また,今後の設定予定もありません。
(3)のご質問への回答
令和6年第2回意見交換会においては,第1回意見交換会でのアドバイザーの助言等を「意見の反映(施策展開の方向性)」として整理した資料を配付しており,その際における「インターチェンジ的な役割」という表現は,その資料の内容が各事業や計画に橋渡し・接続する役割を果たすことを説明したものであり,制度自体の性格を説明したものではありません。
なお,参考とすべき助言等については,各所管部局において予算編成や計画策定のプロセスに引き継ぎ,実際の施策展開に活かしております。
【第2問】提言の政策接続の記録と公開について
(1),(2)および(3)のご質問への回答
助言等についてはあくまで事業や計画策定等の参考とするものであるため,助言等の「採用・不採用・保留の別やその理由を一覧化して記載した文書」は作成しておらず,今後の作成予定もありません。
(4)のご質問への回答
助言等につきましては,これまでも広報誌「市政はこだて」や市ホームページ,市公式動画チャンネル等を通じて周知してまいりました。今後においても,市民の皆様に分かりやすく伝わるよう周知を工夫してまいりたいと考えております。
【第3問】制度の費用と費用対効果について
(1)のご質問への回答
経費の総額および内訳は以下のとおりです。
- 令和6年度(実績・2回開催分)3,006千円
- 内訳:謝礼金156千円,旅費1,495千円, 会場費994千円,その他361千円
- 令和7年度(実績・1回開催分,1回中止分)1,435千円
- 内訳:謝礼金92千円,旅費397千円,会場費(キャンセル料含む)906千円,その他40千円
- 令和8年度(予算・1回開催分)1,121千円
- 内訳:謝礼金108千円,旅費963千円,会場費45千円,その他5千円
※ 令和7年度については7月30日のカムチャツカ地震発生に伴う津波警報発令を受け7月31日開催予定の回を中止しています。
※ 謝礼金額につきましては,受取を辞退されたアドバイザーがいるため,出席人数と一致しない場合があります。
(2)のご質問への回答
オンライン参加であっても対面参加と同様に専門的知見に基づく助言等をいただくことが可能であることから,要綱第4条第1項に規定する役務の対価として謝礼金を支払っております。なお,旅費は支給しておりません。
(3)のご質問への回答
政策アドバイザーは,国内外の最新の動向や新たな着眼点から助言等をいただける専門的知識や経験を有する者であり,助言等を参考とすることで新たな視点が生まれ,実際に事業化につながったものもあることから,一定の成果が得られていると考えております。今後におきましても様々な場面を通じて助言等を参考にしながら,効率的な市政運営に努めてまいります。
【第4問】開催頻度の根拠とアドバイザーの関与実態について
(1),(2)および(4)のご質問への回答
アドバイザー意見交換会は,本市の現状や課題をアドバイザー間で同時に共有でき,多角的な視点から議論を深められるなどの効果が見込まれることから,必要に応じて開催したものであり,定期的な開催を前提としたものではありません。こうしたことから,要綱に開催回数等について明記する予定はありません。
(3)のご質問への回答
就任依頼の際に各アドバイザーに対して設置要綱の規定を確認いただいているほか,市におきましても委嘱前に経歴書等を徴取し,現在の役職や利害関係等において問題がないか事前に確認を行った上で委嘱を行っております。
【第5問】制度の選定基準と改善検討状況について
(1),(2)および(3)のご質問への回答
アドバイザーにつきましては,まちづくり・経済・観光・人口問題などの専門分野において優れた知識・経験を有し,国内外の最新動向や新たな着眼点から助言をいただける外部の有識者に打診し,就任について承諾をいただいた方を選定したものであり,選定基準や選定過程を明記した文書は作成しておりません。
委嘱にあたりましては,本市の現状や地域課題について事前に十分な説明を行っているほか,昨年度開催の意見交換会においては,市内の学生団体や経済団体の方々にも出席いただき,アドバイザーと直接意見交換を行うなど,市民の皆様の視点や地域の声をアドバイザーに届ける取り組みも実施しております。
(4)のご質問への回答
アドバイザーからの助言等により,新たな視点が得られて事業化に至ったものがあるなど一定の成果が挙げられていると考えておりますが,助言等には中長期的な視点で取り組むものもありますので,今後もいただいた助言等を有効に活用し,より一層効果的な市政運営に努めてまいります。
回答区分
その他
担当部課名(電話番号)
企画部移住・人口減担当(21-3689)
回答年月日
令和8年9月1日