公開日 2026年08月18日
更新日 2026年08月24日
回答
受付年月日
令和8年8月3日
ご意見等要旨
函館市では、令和8年4月から令和13年3月までの5か年を計画期間とする「函館市特定居住促進計画」を策定し、二地域居住者の誘致による地域活性化を図るとしています。また、令和8年度市政執行方針においても、地域おこし協力隊の制度を活用した二地域居住推進コーディネーターの設置により、関係人口の増加や移住・定住者の誘致を図るとの方針が示されています。
総務省が発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査(令和8年1月1日時点)によると、函館市の人口(日本人住民)は前年比4,032人減の23万574人となっています。減少数は道内市町村で札幌市・旭川市に次いで3番目に多く、減少率は1.72%と前年比0.05ポイント悪化しています。内訳は自然減が3,564人、社会減が468人です。また、道南18市町全体でも前年比7,400人減の37万7,865人となっており、全市町で前年より減少しています。
市の移住・人口減担当は「自然減、社会減とも大きく進行しており、厳しい現状認識に変わりはない」と受け止めており、「長期的な視点で複数の施策を組み合わせて対策に取り組む」としています。
こうした深刻な人口減少の状況を踏まえ、特定居住促進計画をはじめとする関連施策について、市民として以下の点についてお伺いします。
1.特定居住促進区域の設定根拠について
函館市特定居住促進計画において、特定居住促進区域は函館市立地適正化計画における居住誘導区域とされており、現在の計画では主として旧函館市エリアが対象となっています。
この区域設定の根拠と経緯についてお聞きします。特定居住促進区域を旧函館市エリアに設定した主な理由はどのようなものでしょうか。また、戸井・恵山・椴法華・南茅部という東部4地域については、本計画の対象外となっていますが、これらの地域における二地域居住や移住・定住促進については、本計画とは別の施策として対応されているのでしょうか。
東部4地域はいずれも高齢化率が高く、人口減少が著しく進行している地域であることから、これらの地域における居住促進のあり方についての市の考え方をお聞かせいただけますでしょうか。
2.目標数値の設定根拠と実効性について
本計画では、5年間の目標として以下が設定されています。函館市が主催または共催する地域住民との交流事業での二地域居住者参加者数が5年間で30人、二地域居住の相談件数が5年間で60件、お試し居住事業参加者数が5年間で50件です。
これらの目標数値の設定根拠についてお聞きします。5年間で相談件数60件という目標は、年間12件に相当します。函館市の人口減少が年間4,032人(令和8年1月1日時点)という規模で進行している状況において、この目標水準が地域活性化や人口減少対策として十分な効果をもたらすと判断した根拠はどのようなものでしょうか。
また、相談件数・参加者数という入口側の指標に加えて、実際に移住・定住に至った件数や二地域居住として継続している件数といった出口側の成果指標を設定・把握する仕組みが設けられているかどうかについてもお聞かせください。
隣接する七飯町が唯一3人の社会増を達成し、「移住施策の成果ではないか」と評価されていることと比較したとき、函館市の施策がどのような差別化・独自性を持って取り組まれているかについても、お聞かせいただけますでしょうか。
3.二地域居住推進コーディネーターの役割と評価について
函館市地域おこし協力隊として二地域居住推進コーディネーターが設置されており、株式会社Local Revolutionと連携していると承知しています。
以下の点についてお聞きします。二地域居住推進コーディネーターの具体的な業務内容・活動範囲・対象地域はどのように定められているでしょうか。コーディネーターの活動成果をどのような指標で評価し、その結果をどのように施策に反映させる仕組みになっているでしょうか。また、コーディネーターの任期終了後に、その活動の成果や蓄積されたノウハウをどのように継承・活用する計画があるかについてもお聞かせいただけますでしょうか。
地域おこし協力隊は、任期終了後に当該地域に定住する事例も多く、関係人口から定住人口への転換という観点からも重要な制度です。コーディネーター自身が将来的に地域に定住し、二地域居住促進の担い手として継続的に携わることへの期待や支援の仕組みについても、お聞かせいただけますでしょうか。
4.交流人口・関係人口から定住人口への転換について
市政執行方針では、関係人口の増加や移住・定住者の誘致を図るとの方針が示されています。交流人口・関係人口の拡大は、将来的な移住・定住につながる重要な入口として位置づけられています。
一方で、函館市を訪れた交流人口や関係人口として関わりを持つようになった人々が、実際にどの程度の割合で定住人口へ転換しているかという出口側の把握がなければ、施策の実効性を評価することが難しくなります。
函館市において、交流人口・関係人口・定住人口という段階的な変化を追跡・評価するための仕組みが設計されているかどうかをお聞きします。また、そうした仕組みがない場合、今後設ける予定があるかどうかについてもお聞かせください。
函館市の人口動態において、社会減が前年比27人減り2年続けて改善しているという事実は、施策の効果が一部で表れている可能性を示しています。この改善傾向がどのような施策によってもたらされたものかを分析・把握しているかについても、お聞かせいただけますでしょうか。
5.移住・定住を求める層への対応について
二地域居住や関係人口の拡大は重要な取り組みですが、地域によっては二地域居住よりも完全な移住・定住を求める声が存在する可能性があります。特に東部4地域のような人口減少が深刻な地域では、関係人口として関わる人々よりも、実際に地域に根付いて生活・就労・子育てを行う定住者の確保が、地域コミュニティの持続という観点から切実な課題である場合があります。
市の移住・人口減担当が「特に若者に地元へ残ってもらい、一度出て行っても戻ってきてもらう取り組みとして、雇用の創出・拡大に力を入れる」と強調されているように、移住・定住の実現には住まいだけでなく仕事・子育て・医療・交通といった生活基盤の整備が不可欠で函館市として、二地域居住・関係人口の促進と、完全な移住・定住促進のバランスをどのように考えているかをお聞かせいただけますでしょうか。また、移住・定住を希望する方々に対して、住まい・仕事・子育て・医療・交通といった生活基盤に関する支援がどのように整備されているかについても、現時点での状況をお聞かせいただけま
すでしょうか。
6.部局横断的な連携について
本計画および関連施策は、企画部・観光部・東部4支所・教育委員会・地域おこし協力隊担当部局など複数の部局にまたがる性格を持っています。
関係する部局間での情報共有・役割分担・連絡調整の仕組みが、どのように設けられているかをお聞かせいただけますでしょうか。特に、二地域居住推進コーディネーターの活動と観光施策・移住施策・地域支援施策との間の連携がどのように設計されているかについて、お聞きしたいと考えます。
また、本計画の進捗状況を市民が定期的に把握できる形での情報公開の予定があるかどうかについても、お聞かせいただけますでしょうか。
7.地域おこし協力隊制度全体との関係について
函館市における地域おこし協力隊は、二地域居住推進コーディネーター以外にも複数の分野で活動していると承知しています。
地域おこし協力隊全体の活動状況・定着率・任期終了後の状況について、現時点で把握されているデータがあればお聞かせいただけますでしょうか。また、協力隊員が任期終了後に函館市内に定住した場合の支援制度の内容についても、お聞かせいただけますでしょうか。
地域おこし協力隊という制度が、関係人口から定住人口への転換において実際にどの程度機能しているかを把握することは、今後の施策設計において重要と考えます。七飯町が移住施策の強化により社会増を達成している事例は、制度の活用方法と地域への定着支援のあり方が成果に直結することを示唆しており、函館市としてこうした近隣自治体の事例及び道内外の自治体で成果に繋げている実例をどのように参考にされているかについてもお聞かせいただけますでしょうか。
本計画および関連施策が、二地域居住・関係人口の拡大という入口にとどまらず、函館市、特に人口減少が深刻な地域における定住人口の確保と地域コミュニティの持続という出口につながる実効性ある取り組みへと発展することを、市民として期待しております。
年間4,032人という人口減少のペースを踏まえると、長期的な視点での複数施策の組み合わせとともに、各施策の成果を可視化し、効果のある取り組みを迅速に強化・拡充していくサイクルの確立が重要と考えます。
長文ではありますが、本投稿意見は要約せずに、関係部局が連携した上でのご回答をよろしくお願いいたします。
市の回答
このたびは,本市の特定居住促進計画等に関してご質問やご意見をいただきありがとうございます。ご質問いただきました各点につきまして,以下のとおりお答えいたします。
1.特定居住促進区域の設定根拠について
函館市特定居住促進計画については,広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律(広活法)に基づく国のガイドラインに沿って策定しておりますが,このガイドラインにおいて,「特定居住促進区域の検討に当たっては,都市計画区域マスタープラン(都市計画区域の整備,開発,保全の方針),市町村都市計画マスタープラン等と調和を図りながら検討を進めることが必要であり,立地適正化計画等の他法令による計画がある場合は,当該計画の内容を考慮することも重要である(広活法第22条第12項)。」とされていることを踏まえ,本計画では函館市立地適正化計画における居住誘導区域と一致させたもの
です。
東部地域については,本計画の特定居住促進区域として設定していないものの,二地域居住や移住・定住の促進は旧函館市域と同様,希望者のニーズに沿って各支所や関係部局と連携し対応しております。
また,生活基盤の維持や産業振興はもとより,東部地域の豊かな自然や食などの地域資源を活かした魅力発信や地域おこし協力隊員の配置など,地域の特性やニーズに即した居住促進・関係人口創出に取り組んでいるところです。
2.目標数値の設定根拠と実効性について
本計画における目標につきましては,ガイドラインにおいて「地域が求める二地域居住のゴールやその分析手法自体を計画策定期間において検討していく場合も考えられるため,中間的・暫定的な指標として,例えば,計画された取組の実績として,特定居住拠点施設の利用者数や開催したイベントの参加者数等の設定も考えられる。」とされております。これを踏まえ,計画の目標には,本市における二地域居住促進の第一歩として受入体制や意識醸成の取り組みの実績見込みを勘案した数値を設定しています。今後は,単なる相談件数の把握にとどまらず,設置するコーディネーターの活動等を通じて,実際の二地域居住者数の把握にも努めてまいります。
なお,近隣自治体との比較については,各自治体の置かれた地理的条件や産業構造,住宅事情等が異なるため単純な比較はなじまないところですが,豊富な歴史・文化・観光資源,自然環境と都市の利便性の共存など本市ならではの強みを活かし,移住・定住等の促進に努めております。
3.二地域居住推進コーディネーターの役割と評価について
本計画においては,居住先として本市が多くの人に選ばれるまちとなるよう二地域居住者の誘致を進めるため,「住まいの充実」,「なりわい(仕事)の支援」,「コミュニティの参画促進」に取り組むこととしております。
コーディネーターはその具体化に向けて,二地域居住希望者への相談対応のほか,市および移住サポートセンター,先輩移住者である移住サポーターと連携を図りながら,不動産物件や兼業・副業等の情報収集・情報提供,居住体験プログラムの検討,本市での二地域居住に関する情報発信などを行う予定であり,着任後は相談者への対応状況や取組姿勢などについて受託業者とともに総合的に評価してまいりたいと考えております。
また,任期終了後には,コーディネーターが構築した受入体制や蓄積した知見を,市の移住相談窓口において継続的に活用することはもとより,隊員の定住支援については,副業を可能とするなど起業・就職に向けた準備ができる制度設計としており,着任後においては受託業者とともに定住を後押ししてまいります。
4.交流人口・関係人口から定住人口への転換について
交流人口・関係人口・定住人口を段階的に追跡する仕組みは全国の自治体において課題となっているところです。
関係人口の把握については,住所地以外の地域に継続的に関わる人を可視化し,地域の担い手確保や活性化につなげることを目的に,現在総務省が「ふるさと住民登録制度」の構築を検討しており,本市ではその動向を注視しているところです。
なお,社会減は様々な要因が複合的に影響するものであり,要因の特定には困難な面もございますが,今後も移住相談での聞き取りや二地域居住者の実態把握に努め,施策に生かしてまいります。
5.移住・定住を求める層への対応について|6.部局横断的な連携について
「移住・定住の促進」,「子ども・教育への支援」,「しごとの創出」を人口減少対策の重点方針として,住まい・仕事・子育て・医療等の生活基盤に関する各種支援施策を効果的に組み合わせながら,移住等に関わらず総合的な対策として部局横断的に取り組んでいるところであり,「移住・定住の促進」については,現在,需要が高まっている二地域居住への対応の強化を進めながら引き続き力を入れており,移住・定住を希望される方の個々のニーズに応じた相談対応などに取り組んでおります。
また,本計画の策定時においても庁内の全部局や関係団体への意見照会を行い,意見の反映に努めており,本計画の進捗管理および効果検証につきましては,ガイドラインの「市町村は,計画期間が終了した時点での評価において,設定した目標の達成状況等を踏まえて効果を評価し,その結果を公表することが望まれる。」との規定に則り,適切に対応してまいります。なお,年度ごとの取組実績につきましても,進捗状況を点検のうえ,ホームページ等でお知らせしてまいります。
7.地域おこし協力隊制度全体との関係について
本市においてこれまで配置した地域おこし協力隊員は,現在活動中の南茅部地域世界遺産活用支援事業の1名を含め4名おり,任期終了時点で市内に定住した者は1名と把握しております。定住後の支援制度として,これまでの隊員で任期終了後に創業を希望された事例がないため本市においては制度化しておりませんが,地域おこし協力隊員等の起業・事業承継に要する経費が国の地方財政措置として認められております。
これまでの実績を踏まえ,今回の二地域居住推進コーディネーターの導入にあたっては,先進自治体の取組事例やノウハウを十分に参考にしながら,任期中のサポート体制や任期後の定着を見据えた環境整備を行ってきたところであり,着任後においても隊員が地域に定着できるよう継続的なサポートを行ってまいります。
以上,本計画および関連施策が,定住人口の確保と地域コミュニティの持続につながるよう引き続き取り組んでまいります。
回答区分
その他
担当部課名(電話番号)
企画部移住・人口減担当(21-3689)
回答年月日
令和8年8月18日