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市長定例記者会見(平成30年7月30日)

公開日 2018年09月05日

更新日 2021年12月14日

定例記者会見

日時 平成30年7月30日 月曜日 午後2時

場所 市役所8階大会議室


【会見事項】

 

幹事社質問

 

各社質問
 

                                                          【一覧へ戻る】

 


幹事社質問

 (幹事社)

幹事社からは質問を2点、お願いしたいと思います。

1点目は来年1月いっぱいで閉店する方針となっております棒二森屋ですが、地元からはアネックス館の閉店延期などの要望も出ておりますけれども、運営会社側は厳しいという姿勢のようですが、イオンと跡地整備に関する協定を結んだわけなんですけれども、市としてどんな支援、働きかけをしていくのかということをお聞かせください。

 

(市長)

6月末に,市とイオンが協定を締結しておりまして、その中で市として協力するのは、協議会に参加をして可能な支援を行っていくということと、もう1つは、事業を実施していく中で、補助金の検討をして、国の省庁等との協議や調整を行うということ、この2つが市の役割となっています。

今月の25日に,第1回目の協議会が開催されたということをお聞きしておりますが、支援の内容につきましては、具体的なものが固まらないと支援方法も固まっていきませんので、協議会の動向を注視していきたいと思っています。

ただ、1月で閉館されますので、それに伴う従業員の勤務先については、イオンが内部でできるだけ、他店舗で雇用を維持していきたいと言っていますので、そういうことや、テナントの皆さんの行き場所等について、市としてもハローワークや商工会議所などと連携をして協力をしていきたいと思っています。

一方で、市と市議会、商工会議所、中心市街地活性化協議会、都心商店街振興組合で、アネックス館を壊すまでの間の数年について駅前の賑わいを維持するためにも、その間閉店せずに維持してほしいというお願いと、駐車場が棒二森屋だけでなく大門全体の駐車場となっているところもありますので、その営業継続についてお願いしたところであります。

中合からは、駐車場については閉店後も継続するというお話でしたが、アネックス館についてはバックヤードやいろいろな設備の問題も含めて、本館と同時に整備をする中で新しい事業に取り組んでいきたいということもあって、私が中合の黒崎社長と閉店発表の前にお会いした段階では、とりわけさまざまな設備が本館のほうにあって、極めて多額の経費がかかるというようなお話を聞いていまして、そういう返事が要望の時点でも、私は東京出張中でしたので片岡副市長が代わりに行っていますけれども、はいという返事ではなかったやに聞いております。

いずれにしても地域の思いというものを重く受け止めているというお話もありましたので、もう少し私どもとしても働きかけをしながら、関係者の希望が少しでもかなうように努力していきたいと思います。

 

(幹事社)

2点目は韓国からの直行便についてです。先ごろ市長も含めて訪問団がトップセールスをして来られましたけれども、LCC路線開設の手応えと、実現した際の函館観光に対する影響、期待などについてお聞かせいただきたいと思います。

 

(市長)

7月10日から13日まで、LCCを含む定期航空路やチャーター便の誘致、それから南星海運の貨物船が函館に長年にわたって寄港していただいておりますので、そこをこれからもよろしくということと、高陽市の市長が代わったので、表敬訪問ということ、その主な3つの用件で韓国に行ってまいりました。

航空の関係については、2011年の東日本大震災そして福島原発事故の影響で、就航していた大韓航空がストップして、その後ずっと、もう7年にわたって運休しているわけで、私どもとしては何とか韓国便を復活させたいという思いがありました。

韓国からは、年間に700万人ぐらい日本に来ています。北海道にも60万人ぐらい来ていて、中国が60万人、台湾が58万人ぐらいだと思いますけれども、中国と並んで1位、2位を争うほど来ているのに、函館に来ているのは、たった2万4千人なんです。

台湾からは58万人が北海道に来ている中で、半数近くの28万人が函館に来ている。これはやっぱり2社で函館に週12便運航していて、新千歳とのインアウトで効率的に回っているというシステムが、台湾の観光客が多く函館に来ていただいている理由かなと思っています。中国からも60万人が北海道に来ている中で、8万人を超えていますからまあまあなんです。

韓国が北海道には60万人も来ているのに、函館には2万4千人しか来ていない理由がなぜかというところがあったのですが、韓国に行って分かったのは、韓国の旅行形態は、日本に来るのは2泊3日が主流で長くても3泊4日ということで、台湾や中国だと、もう1週間から10日に訪日期間が伸びています。

2泊や3泊では、東京に行ったら東京周辺だけ、札幌なら札幌周辺だけというように、長距離の移動ができません。新千歳便だけであれば、韓国の観光客は日程的に道央周辺にしか行けません。日程的に函館まで来る余裕がない。往復8時間もかけて函館まで来て戻るなんてことは、2泊3日ではできるわけがありません。

それが大きな要因で、韓国から大勢北海道に来ている割には函館に来ないのはそういうことなんだということが分かって、何とか函館にも定期航空路、できれば新千歳に就航している会社を誘致して、新千歳との間でのインアウト、函館に入って新千歳から帰る、新千歳に入って函館から帰るということであれば、函館、道南にも随分、韓国の観光客に来てもらえるのではないかということで、以前就航していた大韓航空、それからLCCのイースター航空とティーウェイ航空の3社をこの順番で訪問しました。

大韓航空は定期航空路を大都市に限っているようで、地方都市はどちらかというとLCCに任せているという感じかなと受け止めました。函館はなかなか定期航空路は難しく、チャーター便については検討したいということでしたので、その辺については、これからまた働きかけていきたいと思います。

イースター航空については、ほかの航空会社から函館に飛ぶという情報が入っていたのかなと思うんですが、いろいろ関心は示していましたけれども、即答ではありませんでした。条件の話に熱心で、いくら援助してくれるのかというような話になりました。

その後ティーウェイ航空に行きまして、そこで市としての支援の考え方等のお話をしたところ、ティーウェイ航空側から今年の12月20日からと、日にちまできちっと言ってくれました。火、木、土曜日の週3便を就航する計画を持っていて、これから仁川空港の発着枠の確保、それからこちら側の地上業務を行ってくれる会社等との協議などをして、国土交通省のほうに正式に申請していくように取り組んでいくというお話を伺って、私どもとしては非常に喜んで帰ってきたわけであります。

そうしたさまざまな調整、そして国土交通省の許可が下りれば12月から、一応今は3月までということで、その後中断しても、夏場にはまた再開するというお話ですが、我々としてはできれば搭乗率を高めてそれをずっとつなげていきたいと思っていますので、それも含めてティーウェイ航空と支援策等について協議を進めていきたいと思っています。ぜひ、週3便で始まっても、私としては新千歳との出入りが台湾のようにできて、函館の魅力が分かれば十分デイリーも可能だと思っていますので、そういう方向で取り組んでいければなと思っていました。

 

(記者)

 棒二森屋のことで3点あります。

25日に跡地整備の事業計画を考える協議会が始まり、そこには区分所有されている地権者の方も参加されていますが、いわゆる地元側の意見が割れた場合に、オブザーバーとして参加されている市が意見調整に乗り出すようなことは考えられますか。

 

(市長)

考えられないことではありませんが、ビジネスベースのことで、単純に公共施設をつくる際などの調整とは違います。市としてオブザーバーとして参加しているのは、もちろんそういうこともする意思はありますけれども、きちっとした議論の中で調整できることがあれば調整していきますが、まずは権利者同士でまとまっていくということが必要だし、そのときにはイオンが示している案が柱になっていくんだろうと思います。てんでんばらばらなことを言っても実現可能性はないわけで、それを柱にどういう議論をしていくかということを我々としても注視して、その中で調整すべきことがあれば調整したいと思います。

 

(記者)

ありがとうございます。2点目に行きます。

棒二森屋の跡地整備のところで、市街地の再開発事業の活用も検討されているかと思うんですけれども、そうなった場合には市にも補助金負担が発生すると思いますが、税金を投入する分、事業計画について要望や意見を市が述べるという場面は出てくるんでしょうか。

 

(市長)

市街地再開発の意義にかなって、駅前の活性化に資するものであれば、その中身に私どものような官があまりに口出しすることは、逆にビジネスの障害になるケースが多いと考えています。役人がやった商売というのはろくなものがありませんから、その辺はきちっと自重しながら見ていきたい。

ただ、まちづくり等の観点で意見を言うべきものがあれば申し上げていきたいと思います。

キラリスもシエスタもそうですが、私としてはあまり商業部分に踏み込むということは好ましくないと思っています。

 

(記者)

最後の1点なんですけれども、今後、中合、ダイエー、イオンに対してアネックス館の営業継続を要望していくことは考えていますか。また、考えている場合、そのタイミングはどのように考えているのでしょうか。

 

(市長)

正式なお返事が来ていない中では、継続して働きかけていくというのが当然です。

ただ、その場合に無理難題になるのかならないのか、相手にも断るなら断る理由、やるならまあやりますということになるんだけれども、その辺の理由をはっきりお聞きする中で、どっちにいくかということになります。我々としても、今の時点では、できれば願いをかなえてほしいと思っています。

 

 

 

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各社質問

(記者)

先日、住居手当の不正受給がさらに見つかって、総額3,800万円近くに上りました。このことについて市長自身がどう受け止めているかということと、防止策について教えてください。

 

(市長)

もともと札幌市で発覚後にすぐ、うちでもあるのではないかということで、調査をしたわけですが、その時点では札幌で問題になった親族間のものをまず調査して、1,200万円を超える不正受給があったわけです。

その後、親族間以外のものも含めて調査する必要があると、ただし人数が多いがために、持ち家に対する住居手当は廃止したため無いものの、住居手当を受けている全職員となると1,000人近くになるので、少し調査に時間を要していました。

その結果、自宅を建てて移ったのに、アパート時代の住居手当をそのまま受けていたとか、家賃が下がったのに申告をしていなかったりとさまざまな案件があって、また2,500万円を超えるような不正受給だということで、前回もお詫びを申し上げましたが、本当に市役所に対する不信を招きかねないということで、私もとんでもないと思っておりまして、心からお詫びを申し上げます。

該当する職員には全額返済させるとともに、きちっと処分もしていきたいと思っています。単なる過失、うかっりしていたとか、そんなことで済まされる案件ではないと、私自身は思っています。

今後ですが、一番の原因は、寒冷地手当などほかの手当てについては毎年きちっと調査票を出させているのに、この住居手当についてはそういうことがなされていなかったということが、不正を許したということにつながっているわけで、そこは抜本的に、毎年必ず手当認定時期に契約書などきちんとした証拠書類を提出させる現況調査を実施していきたいと思っています。

それから親族間の契約については条例改正をしたいと思っています。最終的には議会に提出をしなければならないので、私が確定的なことは申し上げられませんが、私としては3親等内の親族との家賃のやり取りを住居手当の対象から外すという条例を提案したいと考えております。

 

(記者)

先ほどなんですが、全国のPAC3を撤収するという報道が出ました。函館駐屯地にもありますが、何か連絡などは来ているのでしょうか。

 

(市長)

PAC3の撤収について、私のほうでは聞いていませんが、総務部のほうでは何か聞いているのかな。

 

(総務部次長)

私どものほうにも直接連絡はありませんが、北海道防衛局と函館駐屯地に状況を確認したところ、先方もまだ事実確認ができておらず、情報の把握に努めているということでした。

 

(市長)

配備のときには連絡が来たので、たぶん来るとは思います。

いずれにしても、北朝鮮のミサイルが津軽海峡上空を2回飛んだということで、警戒のため、函館にわざわざ運んできて配備をしたわけですが、アメリカや韓国と北朝鮮の首脳会談などを受けて、今は状態が落ち着いているという国の判断なのだろうと思います。

ただ、正式には話が来ていないので何とも言えませんが、もとの状態に戻るとすれば、市民的には少し安心するのかなと思います。

 

(記者)

配備されたときも、連絡が来たのは当日ですか。

 

(総務部次長)

2日前です。

 

(記者)

今日連絡が来て、今日撤収ということもあり得ることなんですか。

 

(市長)

まだあるのかな。

 

(総務部次長)

まだ撤収しておりません。先方もまだその辺の事実確認が取れていないということです。

 

(市長)

今日連絡して、今日撤収ってすぐできるのかな。ちょっと分かりませんが、連絡が来たらお知らせします。市に聞くより、直接取材したほうが早いかもしれないですね。

 

(記者)

 6月21日から7月3日まで、台湾で開かれた物産展に関してお聞きをしたいんですが、売り上げも一定程度あったとは思うのですが、一方で出店者側の負担が結構大きいかと思うんですが、来年度以降の開催見通しについてお聞かせください。

 

(市長)

2回目となる函館の物産展を遠東百貨で行いました。我々としては、台湾での函館の認知度を高めたいということ、そして将来的には物産の輸出につなげたいということ、また向こうの強い働きかけ、遠東百貨の社長も函館に来たりしてぜひ協力して開催してほしいということもあって、昨年の1回目、今年2回目の開催となりました。

それなりに大勢のお客さんが訪れて、函館の観光と物産のPRにつながっていると思いますが、昨年に比べると売り上げが落ちています。また、出店者の皆さんの負担も随分あるとお聞きをしています。

聞くところによりますと、台湾では、函館だけではなくて日本の物産展、向こうの人たちはもう450万人ぐらい日本に来ていて、それを目当てに日本の物産展がいろんなところで行われ飽和状態にあると、そして日本に毎年のようにリピーターとして来ているので、日本にあまり行く機会のないところであれば喜ぶんだけれども、どうなのかなというところもあります。

また、経費もかかるので、日本で買うよりもかなり高いんです。台湾の人たちは何回も来ているので、日本での値段を分かっているんです。それに比べると随分割高感があるということもあって、2回やってちょっと難しい面も出てきたなと思っております。

台湾に関して言えば、タイやマレーシア、インドネシアなどと比べると、函館の知名度は十分に高まっていますので、私自身としては、函館観光のために開催する必要はないと思っています。物産も催事から、常時おいてもらう方式、国内でも百貨店の催事からスーパーで常に扱ってもらう形で販路を拡大するというように力を注いでおりますので、台湾のようなところでは、遠東百貨はデパートだけでなくスーパーも展開していますので、そういうところで売れ筋のもの、可能性のあるものを常時販売してもらう形につなげていきたいと思っています。もともと催事の開催が目的ではありません。

ただ、遠東百貨の強い熱意に我々も応じて開催したわけで、一方的に破談とするわけにはいきませんので、十分に協議をして理解もいただきながら、来年以降はどうするのかということを詰めていきたいと思っています。

 

(記者)

今回、縄文遺跡群が世界遺産の国内推薦候補に選ばれましたが、それに対する市長の見解と今後どのように働きかけていくかということをお聞かせください。

 

(市長)

7月19日に文化審議会で、ようやく6回目の挑戦で「北海道・北東北の縄文遺跡群」が国内推薦候補として選定されました。長年にわたって4道県の知事を中心としながら、各市町長、経済団体等も含めて、多くの人たちが携わって取り組んできたわけでありまして、私としては、正式登録に向けた本当に大きな前進であると、非常にうれしく思っています。

ただ、まだ第1関門を突破しただけであります。これまで文化遺産と自然遺産をそれぞれ1件ずつ推薦できたのが、2020年登録分からはどちらか1つということをユネスコのほうで決めていますので、自然遺産の動向によってはどうかなということがあり、それが第2関門です。第3関門は、やはりイコモスの審査というのもまだありますから、これからまだ大きなハードルがありますので、官民挙げて一致団結して、4道県の知事を中心に、また、国会の議員連盟の先生方も非常に応援してくれていますので、無事に国内推薦を突破して、ユネスコでも正式登録されるように取り組んでいきたいと思っています。

 

(記者)

現在、まだ推薦候補という段階ですけれども、推薦を受けることによって見学客がたくさん訪れるとか、もしくは逆にそんなに弾みがついていかないというような部分に対しての取り組みをどのように考えていますか。

 

(市長)

もう報道されていると思いますが、推薦になればこういうことをしなければならないということは、事前に教育委員会のほうから説明を受けており、非常に交通の便が悪いところにありますので、バスの関係や駐車場、それから尾札部道路なんかはまだすっかり開通しておりませんので、そういったことも国土交通省でお願いしてきましたし、いずれにいたしましても、それまでにやることは山積していると思っています。

ただ、なかなか難しいのは、縄文遺跡というのは姿が見えないので、その辺の見せ方、理解してもらう方法というのを工夫をしていかなければならないのかなと思います。自然遺産のように、ぱっと行って見えるものでもないし、世界遺産になっている京都の神社仏閣のように姿が見えるものでもないので、その辺の工夫がこれからは必要かなと思っています。

 

(記者)

今月、総務省が人口動態を発表しました。前年と比べて若干減少数は少なくなりましたが、3,000人を超える減少となっておりまして、その受け止めと対策について伺います。

 

(市長)

日本全体が9年連続で人口減少ということで、私自身は、そういう時代なんだろうと受け止めています。そうした中で、函館市は高齢化、少子化が全国よりも進んでいます。出生率も全国、全道の水準より低いという地域であります。そしてまた、若者が首都圏等に進学や就職、なかなか地元に自分たちが望むような雇用がないということなどで出て行くということで若い人たちが少なくなってくる。生まれる子どもも少なくなってくる。

3,700人ぐらいが亡くなって、1,500人ぐらいしか生まれないということで、約2,200人が自然減。もともと千人以上だった社会減が、今は800人ぐらいになっていますが、それでも毎年のように3,000人と、減少人数では全道一をしばらく続けて、全国でも上位の減少数となっています。減少率ではもっと大きいところはありますが、幅でいうと函館市が大きいということです。

どういうわけか、北海道内では港町の減少数が多いんです。室蘭市、釧路市、小樽市などがそうです。旭川市や北見市、帯広市など内陸部、農村地帯は減ってはいますが、漁村地帯、港湾地帯に比べると、比較的に減り幅が小さいということで、土地に根付いて安定しているものがあるのかなと思います。

これがただ、ちょっとしたことで、子ども医療費をどうしたとか子育て支援の取り組みをしたとしても、もちろん一生懸命やりますけれども、それで逆転できるかというと、人口増加なんていうのは夢のまた夢、同じパイの中で取り合うだけで、日本全体の人口はもうしばらく回復しないどころか、個人的には5,000万人から6,000万人ぐらいまで確実に減ると思っています。下手をすると明治期の3,000万人まで減るんじゃないかとも考えています。

男性が4人に1人、女性は6.5人に1人が50歳までに結婚しないということで、生き方が変わってきているわけだし、子どもも生んでも1人、2人、条件次第ではもっとほしいという方もいらっしゃるでしょうけれども、これも1つの時代で先進国共通の悩みですよね。

アメリカのように移民を受け入れているところはいいんだけれども、そうでない先進国は、みんな人口が減っている。文明、文化が発達していくと人口が減るというのは歴史的な事実であり、余程のことをしないと戻ることはない。

日本も明治期の3,000万人ぐらいから、戦後の7,000万人ぐらいまできて、その後も爆発的に増えて、私なんかは団塊の世代で日本で一番生まれた年の昭和24年、1949年生まれだけれども270万人が生まれていました。今は100万人を切って3分の1くらいになっています。

じゃあその人口増加時代が良かったのかというと、食べさせるだけで大変だったわけでありまして、必ずしも人口が多ければいいってものではないと私は思っています。我々が生まれたすぐ後は、人口抑制策として、子どもを生むなって国が言い出したぐらいですよね。どこで均衡するかは分からないけれども、一人ひとりの幸せ、所得も含めて、世界第3位の経済大国なんて言ってるけど、一人ひとりの所得から言えば、二十数番目でシンガポールや香港にも負けてるし、欧米の先進国の多くにも負けている。

やっぱり、人口が多く、国土が狭く、総経済も小さいと、一人ひとりの分配も少ないわけで、それを高めていくことのほうに、人口増加というより、私としては将来的な日本の姿として描いています。

ただ、子どもがほしいとか、結婚したいという希望を持っている人たちの願いはきちっとかなえたい。結婚をする気がない人たちが増えつつあるのは事実だけど、それも本人の選択だから強要するわけにはいかない。結婚したいんだけど、出会いの場がないとか、なかなかお付き合いするチャンスがないという人たちのために、今、市としても取り組みを始めたけれども、そういうことをやっていく、あるいは子どもがほしいけれどもできないという方の不妊治療への支援や子育てに対する金銭的な支援など、さまざまなもので子どもをほしい人、1人だけでなく、2人、3人とほしい人がいれば、その願いをかなえていく施策を展開していきたいとは思っています。

ただ、それで人口減少が止まるかというと、まだまだ難しいと思っています。解決するとすれば、移民を入れるしかないと思います。ただ、それが国民の理解を得られるかどうかは、私には分かりません。

 

(記者) 

今市長もおっしゃったように、そのような雇用の場がないという意見もありますが、その対策については如何ですか。

 

(市長)

これはITやAIとかの企業誘致ですね。要は大卒者の勤める場が地方にはないんですよ。男女ともに大卒者は事務職や営業職、男で言うと背広を着てネクタイを締めてという仕事を望み、現場の仕事を望まないという傾向があって、そうした業種は全て人手不足です。サービス業もそうですが、運輸、建設、介護など全ての分野で人手不足なんです。

その中で、若い人たちの考え方を変えられるかといったらなかなか変えられません。賃金を上げれば少しは改善するけれども、大学に行けば行くほど、子どもを育てて東京の大学や札幌の大学に出すと帰ってこないというのがあって、これからもっと大学進学率が高まっていけば、ますます地元で勤めるところがないというジレンマが起こります。

役所の力でそれをひっくり返せるかというと難しいです。単なる工場ではなく、ITやAIなど高学歴の人が勤める職場をつくっていきたいと思っていて、少しずつやりますが、そうした企業は少数精鋭で、雇用人数が何百人となるものではありません。取り組み方としては難しいものがあると感じておりますが、暮らしやすさや子育てのしやすさなどいろいろなものが、職業の魅力とともに、これから人間らしく暮らしていくためには重要性を増していくんじゃないのかなと思っています。

ぜひ、若い人たちの中で、自然や環境、子育てだとか、時間的にせかせかしないでゆっくり過ぎていくとかを重視する社会に変わっていけば、地方が見直されていくのかなと思っています。

 

 

 


※記者会見における質疑内容の要旨をとりまとめの上掲載しています。



   
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