兵庫県明石市の人口は293,489人(当市265,965人)、出生数2,652人(当市1,632人)、合計特殊出生率1.55人(当市1.19人)と、人口で比較すると函館市とほぼ類似自治体である。しかし、大きな違いは、出生数の増と平成25年から4年連続人口が増えているということだ。明石市は、「子育てするならやっぱり明石」をスローガンとした、さまざまな子育て施策を行っている。今年度の新しい施策は、ひとり親家庭へのきめ細かな対応として「ひとり親家庭」総合支援を開始している。
(1) ひとり親家庭サポートパンフレットを作成し、制度の内容、さまざまな相談窓口の案内、また、制度を利用した市民の方の体験談も掲載し配布。 (2) ひとり親家庭の交流の場が必要ということで、年4回親子でつどえる場所を提供。 (3) ひとり親家庭の総合相談会を実施。児童扶養手当の届け出の時に相談メニューが記載された資料を手渡している。(相談メニューは、生活相談、子育て相談、ハローワーク就労相談、健康相談、離婚後の子育てガイダンス、弁護士による法律相談、子ども養育専門相談など)
ほか、「あかし子育て応援アプリ」——スマートフォン向けのアプリを開始し、「子育て情報を手軽に!便利に!即ゲット!」ということで、今年3月からスタートしている。イベントを探している市民の方には有効とのことである。予防接種の通知やメール相談は行っていなく課題であるということだった。 提供いただいた資料の広報「あかし」には、「子育てファミリー100人に聞きました」ということでアンケート結果が掲載されていた。「明石の子育てのここがいいベスト7」の中で、1位「医療費が中3まで無料」、2位「保育料第2子以降無料」、3位「交通の便が良い」であった。 今回の調査内容は、「安心して生み育てる子育て環境の充実について」である。若い子育て世代の親たちにとって、妊娠し、祝福され、母親として父親として自覚していく時期から子どもたちが社会人として自立できるまでの支援を行っていくことがいかに大切であるのかということが理解できた。 また、妊娠したと同時にさまざまな不安があり、その不安を少しでも緩和させていく相談体制、係る専門家、サポーターの皆さんの体制づくりも重要だ。明石市はひとり親家庭への支援もきめ細かに実施していることや子育て情報を行政から積極的にアピールできる「応援アプリ」を実施している。函館市としてもできることから実施していく必要性を感じた。 特に、明石市に20代30代の方がどんどん転入し、毎年人口が増えているというその要因は、明石市のここがいいベスト7での1~3位までを見たらわかるように、経済的な支援の施策も子育て世代の親たちにとって大きな魅力となっていることも事実とて受け止めなければならない。函館市も「子育ては函館で!」と言える魅力あるまちにしなければならないと強く学んだ調査となった。
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