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■構想策定の趣旨
西部地区の都市景観形成地域は,異国情緒が漂う独特の街並みを今日に継承する「国際観光都市」函館を代表するまちであり,また,「函館国際水産・海洋都市構想」が具現化される地域として,ますますその重要性を増しています。しかしながら,市街地が郊外に拡大する傾向が続くなかで,都市景観形成地域では,人口の減少や高齢化,空き家・空き地の増加など,衰退と空洞化が進行しています。
このような現状の打開に向けて,都市景観形成地域に活力を取り戻すため,市民,事業者,行政が協働で取り組む施策として,本構想を策定するものです。
■範囲
都市景観形成地域(船見町,弥生町,弁天町,大町,末広町,元町,豊川町の一部または全部)120haとします。
■期間
平成17年度からのおおむね10年間とします。
■現状と課題
(1)人口の減少と高齢化
(2)空き家・空地の増加
(3)失われつつある歴史的街並み
■まちづくりの方針
(1) 基本的考え方
本市を代表するまちである都市景観形成地域に活力を取り戻すためには,人が住むための利便性・快適性を向上させることが最重要課題です。活力ある人の営みがあるまちが,多くの来訪者を迎え入れ満足させる力を持つという考え方に立ち,この地域に人々が暮らし,生活に根ざした賑わいが創出されるよう重点的な取り組みを実施します。
そこで,本構想は,都市景観形成地域のまちづくりの基本的考え方を,「住みやすいまち,住みたくなるまちへの再生」とします。
(2)活用すべき個性
都市景観形成地域を「住みやすいまち,住みたくなるまち」として再生するため,この地域が持つ個性を最大限活用することが求められます。
○落ち着きと安らぎ
○自然と歴史が織りなす美しさ
○多様な地域活動
(3)3つの基本方針
○やさしまち
○美しいまち
○ともに動くまち
■まちづくりの施策
(1)やさしいまち
○多く世代が支え合う「やさしいまち」
・高齢者が子供たちと触れ合い,また,子育て世代が高齢者のノウハウを活用できる複合型支援施設の立地を促進します。
・空き家を有効活用して,ボランティア活動の場として提供したり,バリアフリーの高齢者住宅への転用を促進します。
○歩行者優先の「やさしいまち」
・地域ニーズを踏まえて,歩道の拡幅,車両の乗り入れ規制,坂道の歩道ロードヒーティング,主要道路でのポケットパークやベンチの配置などに取り組みます。
・地域内を循環するバスのニーズや事業可能性などを調査し,事業者に働き掛けます。
○暮らしやすい「やさしいまち」
・地域に根ざした商店街形成のため,住民ニーズの調査を実施するなど,活性化方策の策定を支援します。
・店舗や医療・福祉施設などを併設した共同住宅(借上市営住宅を含む)の建設を誘導します。
・その他,文化・娯楽施設も含めて,徒歩圏内に多様な生活機能が集積されるよう,活用可能な制度・手法などをまとめた手引き(ガイドブック)を作成し,事業者に働き掛けます。
(2)美しいまち
○歴史的建物を活かした「美しいまち」
・市が所有する歴史的建物は率先して復原・改修し,地域活性化につながる多様な用途に活用します。
・民間の歴史的建物については,今後の利活用意向を把握し,用途転用も含めて保全・活用を図ります。
・景観形成指定建築物等が「使われながら保全される」よう,居住機能を向上させる助成制度を拡充します。
○都市空間として「美しいまち」
・景観形成とともに防災対策の観点から,無電柱化に努めます。
・夜間も安心して散策できるよう,街路灯や歴史的建物のライトアップを充実します。
・主要な道路での路上駐車の実態調査や,住民の意向調査を実施し,駐車規制の導入を検討します。
○将来に引き継ぐ「美しいまち」
・将来にわたる街並み継承のため,函館らしい建物の建築を奨励する制度を設けます。
・景観形成のためのデザインガイドブックを作成して啓発に努めるとともに,景観アドバイザーによる相談制度を活用し,街並みの形成を進めます。
○「美しいまち」のルールづくり
・「景観法」に基づく「景観行政団体」として,強制力を持った高さや色彩の規制を導入します。
・同時に,歴史的外観を保全するための建築規制の緩和についても検討を進めます。
・地域の個性に適合した広告物規制を導入するため,屋外広告物条例を制定します。
(3)ともに動くまち
○まちづくりの主体の多様化
・市民委員を含む(仮称)「まちづくり委員会」を設置し,施策実施の進捗状況や評価を行います。
・借上市営住宅やヤングカップル住まいりんぐ支援制度などを適宜検証し,効果的な若年層の定住施策を実施して,地域コミュニティの活性化を促進します。
・NPOなど民間まちづくり団体の設立を支援し,まちづくりに関わる調査事業などを委託し,運営をサポートします。
・専門家集団を組織し,景観やコミュニティに配慮した住まいづくりを提案・アドバイスする仕組みをつくります。
・「地域交流まちづくりセンター」(旧末広町分庁舎)を拠点として,まちづくり団体や専門家などのネットワーク化を進め,活発な情報発信を行います。
・モデル街区を抽出し,地域住民などと協働で,空き家・空き地や未接道敷地を解消し,街区を更新する社会実験を実施します。
○まちづくりのビジネス化
・地域住民から募った要望に基づくきめ細かなサービスを提供する「生活産業」の起業化を支援します。
・まちづくり団体,住宅都市施設公社などと連携して業者登録制度を設け,登録業者を紹介するなど,安心して住宅をリフォームできる仕組みをつくります。
・市が設置した「空家・空地相談室」「定住化サポートセンター」は,宅建取引業界の協力分野を拡大し,民間主導で豊富な住宅情報が提供される仕組みとします。
・専門家などが歴史的建物を修復・有効活用する提案をし,広く事業者を募る仕組みをつくります。
○住民主体のまちづくりのルール化
・地区計画制度や,「景観法」に基づく景観協定制度などを紹介し,住民主体のルールづくりを促進します。
・地域住民の求めに応じて,まちづくりの専門家を紹介するなど,自主的な取り組みを支援します。
■施策の体系
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