| 通説編第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ |
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第2章 開拓使の設置と函館の町政 戸数割税乗率規則の審議 |
明治14年3月20日に区会議員の補選を終えた函館区会は、4月5日午後5時、第1回通常区会の第1日目が開会された。第1回通常区会は以後断続的に開会され、閉会式が行われた7月10日までに20日間開会された。議場は宝学校第3、第4教場で、第13日目の6月8日からは区役所会議室に変更された。提案された議案は表2−53のとおりで、第1日目は区長心得桜庭為四郎の挨拶の後、第1号議案戸数割税乗率規則の第1次会から議事に入った。この議案第1号に端を発した郡区経費負担に係わる審議は、函館区会の審議権、つまり函館市民が関与できる範囲や開拓使、区役所、函館区会の位置関係など函館区会の位置付けを際立たせることになったので審議過程を詳述しておく。
戸数割税乗率規則の審議 P387−P389 戸数割税は、地方費収入の過半を占める税で、各郡区の賦課総額は函館支庁が決定し、区内各戸の負担割合の決定を区議会に任せられたので、その賦課規則が第1号議案として登場したのである。「家屋」の1階、2階、3階の比率を1対0.7対0.3とし敷地等級を1等から40等迄に分けた乗率で各戸に割付ける案であった。しかしあらかじめ配布されていた議案を訂正して提案されたため、議員から熟考時間の要求があり、その日はそのまま散会した。だが2日目の4月8日の冒頭、議長は「第一号議案ハ取調ノ都合アルニ付」と発言して、第2号議案から審議を開始した。「取調ノ都合」というのは、その前日の7日に桜庭区長心得が支庁へ区会で審議すべき事項を「戸数割乗率を区会で審議するのは区会議員の本務ではないのかもしれない」と付記して問合せ、これに対して「予め審議事項を指定すべきものではなく、戸数割乗率は本年第二○号布達に依り区会の議決を経るべきもので、議員の職務と心得るべし」との指令を得たことを指すものと思われ、区役所自体が第1号議案の提案を躊躇していたようである。 第2号議案の廃案を決議した翌々日の4月13日(第5日目)、ようやく第1号議案の第1次会が再会された。まず石川小十郎が、戸数割税は支庁管内全体にかかるもので、区会は函館区内一般の公共に関することを審議するものであるから、他郡も関係する戸数割税に関する審議はできないのではないかと発言したが、番外(提案議案の直接担当者…金子慶吉区書記)から、戸数割税それ自体を審議するのでなく割当された税額をどのように割付けるかを審議するのであるから問題がないと答弁があり、一応納得した。続いて牧田藤五郎が、この賦課規則は貧富の差が考慮されていないので修正を要求すると発言したが、泉藤兵衛は、これに反対し、貧富の差を判定することは非常に難しく、そのためには見聞等級割等を導入することになるが、この方法は甚しい苦情を生ずるので不適当とした。しかし、逐条審議に入るべきだとする意見が大勢を占め、次会から第2次会に入ることを確認して散会した。 第6日目は4月19日に開かれ、第2次会から開始された。まず泉藤兵衛が、敷地等級制導入に反対し、「家屋倉庫」の坪数へ平均に賦課すべきで、特に倉庫は当区に於て最も活動力を有するので「倉庫」も賦課対象とすべきだと発言した。工藤弥兵衛は、倉庫を賦課対象に入れることは重大な変更であるので、他の議案を先にして、第1号議案は熟考の上審議したいと提案し、賛成多数で次回はまず第5号議案から審議を開始することに決して散会した。 |
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