通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世


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第3章 幕府直轄下の箱館
第7節 場所請負制の再開と箱館経済
4 当代の諸税及び問屋口銭

移出入貨物諸税/商工業者諸税/問屋口銭

移出入貨物諸税   P468

 幕府直轄下における沖ノ口役所の徴収した、移出入貨物の税金は左の通りに定められている。

2分口銭 これは前時代から2分と定められたもので、船舶入港出港の際、積荷を届出させ、なお臨検の上、沖ノ口役所の帳簿に記入し、毎月10日、20日、30日の3回、問屋帳簿と照合して移入品は買入金高の100分の2、移出品は当地相場売渡金高の100分の2を、問屋・小宿から納めさせた。
3分口銭 長崎俵物(昆布・煎海鼠・干鮑)を俵物方に売渡した金高の内、100分の3を毎年12月長崎屋半兵衛から納めさせた。
箇物2分口銭 当地商人が直接諸国へ注文した物品、ならびに移出した物品を、送状をもって届出させ、その船へ臨検の上、役所の帳簿に記入しておき、毎年12月上納させた。
酒役 移入する酒は24樽(1樽2斗入)に付金1両を課した。但し3割を免除するものとされた。
出油役 移出する魚油は12挺(1挺は4斗入)に付き金1両を課した。ただし3割5分を免除するものとしている。

 この外に面役・帆形役・穀役・蝦夷地船役等があるが、これらは皆船舶税で貨物に課するものではなかった。

商工業者諸税   P468−P469

 以上は沖ノ口役所で徴収するものであるが、この外に町役所で徴収し、奉行町へ上納する商工業に関する諸説がある。

店役 1軒に付き金7匁2分(此銭4貫320文)とし、検分の上店の大小により300文、1貫200文、1貫500文、1貫700文、2貫800文の5等に分けてこれを課した。
糀役 1軒に付き金2匁5分(此銭1貫500文)
豆腐役 1軒に付き金1匁(此銭600文)
五十集役 1軒に付き金5分(此銭300文)
問屋七軒冥加金 文化3年問屋一同から願出て1か年金100両を上納したが、同12年から金40両に減じた。なお、松前家復領後はこれを廃している。
小宿8軒冥加金 金20両とされていたが、文政3年に10両に減じた。文政5年以後廃された。
紫根冥加 金9両、これは鍛冶村外11か村から掘出す紫根を一手に売買する者から納められた。
質屋冥加金 1軒につき金5両ずつ
造酒冥加金 願人1人につき金7両ずつ
安々冥加 市中の古道具売買営業者4軒から上納したもので金1両2分(松前家復領後廃止)
茶屋冥加 1か年金25両
風呂屋冥加 1か年金5両2分
髪結冥加 1か年銭15貫文
山上町掘井冥加 1か年銭16貫200文
長崎俵物運上代り金 これは箱館の煎海鼠・昆布を長崎俵物方で買収する高に課したもので、運上代り金として煎海鼠1斤に付き1分4厘6毛25、昆布1石に付き1匁3分7厘1毛とした。(『函館区史』)

 なお、文化6(1809)年の箱館における営業者を挙げれば、問屋7軒、小宿8軒、質屋6軒、糀屋6軒、豆腐屋16軒、五十集61軒、茶屋22軒、風呂屋5軒その他の商人が180軒記録されている。(柳沢善吉『函館商業史の一環』)。

問屋口銭   P470

 また、この時代の問屋口銭は次の通りに議定されている。

一 問屋口銭は諸品売買代金高之内    二分通
一 同 瀬戸物 鉄物 鯨 鰤 右同断    三分通
一 同 板 材木類 酒 右同断        四分通
       片金受用の覚
一 登り荷物       運賃高の内     三分通
一 下り荷物       右同断        二分通
 東西蝦夷地行運賃船とも右同断(『箱館問屋議定帳』)

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