| 通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世 |
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第3章 幕府直轄下の箱館 産物の箱館回送方請願 |
産物の箱館回送方請願 P460−P462 しかるに文化9年東蝦夷地の直捌制の廃止が決定し、しかもその地の場所経営は箱館、松前の者が誰でも競争入札によって決められるに至り、そのため箱館商人らは、この東蝦夷地の産物が、松前に直送されるのではないかという不安を抱き、その動揺は大きく、幕府に対し蝦夷地産物の箱館回送方の請願を行ったらしく、すなわち、道立図書館蔵『文化御用留』によると、去申年(文化九年)八月、東蝦夷地御場所々残らず入札願出候様御触渡しに付き承知仕り、市中一同驚き入奉り当惑仕り、実に当所継礼にも相成り候儀故、其節両所書付を以て当所荷揚げに仰付けられ下し置かれ度く願上奉り候得共、如何相成り申す可き哉と日夜心痛仕り候処、今度請負人勝手次第松前・箱館両湊の内にて、出産物相捌き候様仰せ渡され承知仕り、市中一同への御仁恵と恐れながら相心得、冥加至極有難き仕合せに存じ奉り候。右御礼厚く申上度く候得共恐入り奉り候間、町御年寄中両人より宜しき様御礼仰せ上げられ下され度く、此段市中一同書付を以て願上げ奉り候。 しかし、先に見たごとく同年の各場所を請負った請負人の多くは松前に店舗を構える商人であり、しかも大場所のほとんどが松前商人の手に占められている。加えて問屋と請負人との関係では、請負人の保証人になる問屋は、請負人と同じ居住地の問屋というのが原則であり、またその断宿としての問屋は、場所産物に対する支配権があったところから、集荷地の選定が、たとえ請負人の自由意志にまかされたといえ、松前居住の請負人が圧倒的に多い中では、必然的に産物の多くが松前に集荷されたことはいうまでもなかった。 |
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