| 通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世 |
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第1章 安東氏及び蠣崎氏 館主とその性格 |
館主とその性格 P330−P331
前述のように当時安東氏は、北条得宗領の御内人として幕府権力と結びつき、蝦夷を支配し、日本海沿岸部を結ぶ商品流通の活発な役割を果たしていた。しかもこの時代の蝦夷地は、農業を主体とする本土と比較するならば、極めて異質なものであり、ここに住む住民といえば漁労・狩猟民族であるアイヌと、これに雑居する和人であったが、その和人も史料に見られる範囲では、京から流刑された夜討・強盗・海賊のたぐいや、奥羽の戦乱に破れて流れついた武士、あるいは航海中難破した海民や山民といった、いわばそのころの本土の社会概念からすれば、非農民的集団であった。そして彼らは、いずれもアイヌと同じく原始的な漁労や狩猟を主とし、またはそれらの交易をもって再生産を支えていた。もちろん、当初は和人の集団も少なく、直援アイヌ社会を侵害する状態ではなかったが、交易自体においては両者の社会的発展の格差から、ともすれば略奪的な交易となる危険性は充分に考えられることであった。 それがため館主は、安東氏の出先機関として、従来から渡来していた和人や土着のアイヌが、生産の地域としている拠点を選んでそこに君臨し、彼我の争乱に備えるとともに、産物や交易の一部を役(やく、税)として徴収し、その得分のうちから何がしかの金銭または特産物を、安東氏(後には檜山安東氏)に貢進して、自らの職権や地位を確保してきたものと思われる。 |
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