| 通説編第1巻 第2編 先史時代 |
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第2章 文化のうつりかわり 北海道の旧石器/大陸との相似 |
北海道の旧石器 P170−P171 北海道で最も古い石器である前期白滝文化の石器は、細長く縦長に剥ぎ取った大形の石刃(ブレード)で、舟底形をした石器、小形の握斧(あくふ)状石器などがある。この石器の年代は黒曜石の水和層年代(ガラス質の表面にできる膜面の生成過程による年代測定法で、北海道大学や帯広畜産大学で研究されている。)で調べると、1万7000年前から1万6000年前である。後期白滝文化になると、大形の細長い縦剥ぎの石刃がなくなり、扁桃(へんとう)形の槍先の形をした石器から造る白滝形彫器や、幅広の縦長剥片の石器、舟底形の一端から一定方向へ小さな縦剥ぎの石片を取った彫器と、石片の先端を加工した彫刻刀及び槍先などが現われる。これは黒曜石水和層年代1万5000年から1万2000年で、多くの旧石器遺跡はこの時期に相当する。旧石器時代晩期に細石刃、槍先や彫刻刀と、有舌尖頭器と呼んでいる小形の槍先ないしは矢の先に付ける大形の石鏃が出現する。また、打製の片刃石斧で、局部的に磨痕を持つ特殊な石器が現われる。この局部磨製片刃石斧は、縄文時代の石斧の祖形である。北海道の有舌尖頭器は、市立函館博物館が調査した立川遺跡の名称を冠して立川ポイントとも呼ばれ、1万2000年から8000年前のものと推定されている。北海道の旧石器文化は、石刃文化の最盛期に始まって細石刃文化に移り、弓矢と局部磨製石斧の出現で新石器時代の土器文化に発展したといえる。 大陸との相似 P171 北海道における石器の移り変わりは、シベリアや沿海州など極東地域に似ている点がある。シベリアは北海道より古い2万5000年前のマルタ・プレチ文化に始まり、中石器時代を経て新石器時代になるが、中石器時代の遺跡から出るゴビ型石核や彫刻刀などは、白滝形彫器及び彫刻刀に似ていて、弓矢の出現を意味するダウル型尖頭器は、北海道の石刃鏃と同じ形態を持っている。石刃鏃は、日本で北海道にしか出土しない特殊な石鏃で、しかも土器の古い時期に現われる。ゴビ型石核の年代と後期白滝文化の年代がほぼ一致するので、何らかの文化関係があったと考えられるが、それより以前の樽岸遺跡など、いわゆる石刃文化がどうして北海道に出現したのであろうか。湊正雄は樽岸文化層をトッタベツT及びUの間氷期とし、R・E・モイランは白滝13地点の文化層と樽岸文化層が対比されるとしており、マンモス動物群が北海道に生息していた時代に、マンモスの狩人たちが北の大陸から動物群を追って移動して来たのではないかと推測される。 |
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