| 通説編第1巻 第1編 風土と自然 |
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第4章 気象 風 |
風 P110−P112 風は一般に冬は北西、夏は南東の季節風が卓越する。函館における統計の値として、昭和37年から昭和43年まで7か年の函館空港(函館海洋気象台函館空港出張所)の観測資料にもとづいたものがある。 これによると11月から2月は北西風が明らかに卓越し、3月から4月になると北西風は次第に減少して南東風がふえ出し、5月から8月に移るにしたがって南西風から南東風が多くなり、9月から10月にかけては北東風が多くなっていることがわかる。 また、昼と夜とにわけて風向の分布をみると、下図の通りで、昼は西北西、南々西、南西風が多いが、夜になると北々東風が多くなり、特に北々東風は9月、10月の夜に多く、西北西風は11月から2月にかけての昼に最も多く、南々西、南西風は5月から8月の昼に多いが、夜には少ない。 風向の頻度が多いからといってこれに対応する風速は必ずしも強いということではなく、例えば北々東風はどの季節でも弱く、比較的に強いのは冬季の西北西風、夏季の南々西、南西風である。 風速10メートル以上の風は、全観測に対して約7パーセント出現しているが、この10メートル以上の風について1年間の風向の分布を見ると、下図の通りで、西、西北西、東南東風が多いことがわかる。
風速が強くなるにつれて、風の乱れが大きくなり、瞬間的にはかなり大きな風速を示すことがあり、普通には10分間の平均をもって表わしたものを平均風速といい、その最大値を最大風速という。以上の値はすべてこの風速である。 いま、瞬間風速についての最大値を最近30年間の中から取り出して次に示した。
ちなみに、昭和9年3月21日の函館大火の際の風速については、『函館大火史』に函館消防組調として「発火時の風力 最高南南西三十九米突(メートル)(推定)」とあり、同書の函館測候所調では「二十一日正午頃迄北寄の風弱く午後一時南東に轉じて疾風吹き、其後東偏の風向なりしも風力は差程強まらず。午後四時過南南西に一変と同時に急に強風となり次第に風力増大、同四十分には既に十七米三を測り同六時二十分二十米(メートル)に達し、午後十時二十分迄二十四米内外の烈風吹続せり。其間に於て風力台の破壊により一時缺測(けっそく)せしも、午後七時二十分二十四米二(南南西)を最高記録とす。」と報告している。瞬間風速は、平均最大風速の約1.5ないし2倍というから、発火当時には消防組調のように40メートル近くに達したであろう。 |
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