| 通説編第1巻 第1編 風土と自然 |
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第4章 気象 初期の観測器/観測回数と項目/移転の経過/地震観測と午砲
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初期の観測器 P91 気象観測のための観測測器やその方法は、函館気候測量所創設以前はどのような状態であったかはつまびらかではないが、諸外国では早くから寒暖計などの測器が作られ、開国前後の日本に入って来ていたようであるから、箱館奉行で行っていた観測にも、ある程度これらの測器が用いられていたようである。その後、アルブレヒト、ブラキストン等による観測は、彼らが自国から持込んだ測器を用いていたことが明らかであるから、当時の日本としては、超一流のものであったと思われる。 明治5年の創業時には、前にも述べたように不十分であった観測測器も、明治7年には何らかの種類の風を計る測器が備えられ、その後明治9年には最高最低自在記寒暖計(構造など不明)をはじめとして次々に整備され、観測の時間も地方時の9時、15時、21時の1日3回の観測に始まり、明治14年からは万国同時観測として、21時23分に気象観測を行って、東京気象台を通じて、米国のワシントンにその結果を送っていた。 観測回数と項目 P91−P92 明治19年には、これまで北海道開拓使あるいは函館県の所属であったものが、北海道庁の所属にかわり、これとともに、『測候所規程』が明確に決められ、観測回数は7回、観測種目も気圧、気温、湿度、風、雲、雨、雪(雨雪量、降雪日数、積雪日数)などで、このあと地温(夜間輻射の観測)地面温度、日照時間、水蒸気張力、地層気温、蒸発量、オゾン、上層気流などが追加され、ほとんど現在の観測に近い項目の観測を行うようになっていた。また、これに伴い、測器もそれぞれ整備されたようであった。 移転の経過 P92−P93
この間1世紀にわたる観測の場所は、明治5年函館区船場町9番地を最初として、明治12年函館区高砂町19番地に移され、大正2年に火災で焼失して海岸町の函館築港事務所構内の仮庁舎に移り、大正5年には北海道庁函館築港埋立地内に本庁舎を建ててこれに移ったが、大正12年には、鉄道用地拡張のため立ちのきを余儀なくされ、海岸町の官有地に移築し、昭和15年になって現在の赤川通町の庁舎に移るなど前後6回も観測場所を変えている。 また、この間、昭和9年の函館大火の際には、風力計台の鉄骨、風信器(風向計)、風圧計、および日照計などの屋上取付測器全部が吹き飛ばされ、ほとんど破壊されたことなどもあった。 気象観測の条件として、自然のままの空気の様子を正しく測るため、わざわざ人里はなれた郊外に観測所を建てるのが常であるが、現在の場所もかつて昭和15年に新設されたころは水田地帯の真中にあり、その庁舎は遠く五稜郭付近からも望見できたのであるが、このごろは都市化の波が年と共に激しく打寄せ、周囲には舗装された道路が完備されて交通量は昼夜を問わず頻繁となり、また、高層ビルなども近くに建てられるようになって、気温、風その他の観測の条件は日一日と悪くなってきており、観測測器や観測項目の近代化が進む一方で、新たな問題が起こってきている。 地震観測と午砲 P93−P94 一般地上観測のほかに重要なものとして地震の観測があるが、これは一たび起こった時の社会的影響は計りしれないものがある。文献によると、明治6年から地震の発生の回数が記録され、また明治14年からは簡単な地震計による観測の記録がなされていたということである。 また、気象観測にしても地震観測にしても、当然正確な時刻を必要としたので、創業と同時に時刻の観測ということも重要な仕事となっていたようである。 これを裏付けるものとして、前にも述べたように、明治5年7月23日の創業時には観測と同時に時辰儀検測も命ぜられており、明治7年1月から開拓使函館支庁の報時人詰所据付の時辰差を査定し、明治15年7月からは、毎日正午、報午旗で一般市民に正午を知らせていたということなどが文献に散見される。 また、この報時については、その後もこの方法によってしばらく続き、明治31年には、旗による正午の時報が元町高区配水池構内の大砲によるいわゆる″ドン″に代り、昭和7年にNHK函館放送局の開局によって、ラジオによる時報が一般化されるまでの長い間、市民に親しまれて続いていたが、この午砲は測候所で掲げる正午の旗信号を遠望して鳴らしていたとされている。 このほか、函館区以外の観測として、渡島・檜山などの各地の郡役所に委託し、委託観測所としてかなり早くから観測が始められており、明治15年には、すでに福山、江差、久遠、寿都、森、福島、江良、俄虫、熊石、釣懸(奥尻)、瀬棚、山越、臼尻、戸井にそれぞれ委託観測所が設置されていて、広い地域の気象状況を把握し、気象資料が集められていた。 |
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