| 通説編第1巻 第1編 風土と自然 |
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第3草 生物の分布 草野/帰化植物 |
草野 P74 上湯川、旭岡、見晴、豊原、亀尾、雁皮平などの丘陵台地の草原植生は当地域の特異な植物景観の一つであったが、戦後の農耕地拡大、宅地造成、道路建設、ゴルフ場建設などにより、現在はほとんど往昔の姿をとどめず、構成要素もわずかに路傍、農耕地の縁辺部、山麓の林端地などに片鱗(りん)を残すのみである。その主なるものは、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、シバ、オニシバ、コブナグサ、ミゾイチゴツナギ、ムラサキススキ、トダシバ、ホソバノコウガイゼキショウ、カワラスゲ、ヤマカモジグサ、カタバミ、タチツボスミレ、エゾノタチツボスミレ、ミミナグサ、オオバナノミミナグサ、コハコベ、ウシハコベ、ナズナ、イヌガラシ、ウツボグサ、ヒキオコシ、カキドウシ、オドリコソウ、フウロソウ、エゾフウロ、オオバコ、オオノアザミ、コウゾリナ、ハチジョウナ、エゾヨモギ、オトコヨモギ、ヤマハハコ、ノコンギク、アキノキリンソウ、カセンソウ、トウゲブキ などである。林端地にはカタクリ、エゾカンゾウ、ノハナショウブ、オニシモツケ、ヒメイズイ、チゴユリ、ホウチャクソウ、ワニグチソウ、アマニュウ、エゾニュウ、ハナウド、ハンゴンソウ、エゾゴマナ、シラヤマギク、エゾノヨロイグサ、オミナエシ、オトコエシ、エゾタンポポ などが出現する。帰化植物 P74−76 帰化植物の侵入は明治以降全国的に目立ち始め、特に戦後は、在来の植生が剥(は)がれた都市周辺の路傍、宅地、休耕地などに圧倒的な進出ぶりをみせている。これらは、園地や牧野から逸(いつ)生したもの、綿花、羊毛その他の輸入品に付着して渡来したものなどが主であるが、函館地方もその例に漏れず、在来種を、はるかにしのいで繁茂しているものが多い。その主なるものは、カモガヤ、オオアワガエリ、シバムギ、コヌカグサ、ハルガヤ、ナガハグサ、シラケガヤ、エゾムギ、オオスズメノテッポウ、ヒロハウシノケグサ、アオビエ、ヒメスイバ、コニシキソウ、シロツメクサ、アカツメクサ、マメグンバイナズナ、ヘラオオバコ、オオイヌノフグリ、メマツヨイグサ、オオマツヨイグサ、カキネガラシ、イヌカキネガラシ、ヒメジョオン、ヒメムカシヨモギ、ブタクサ、ノボロギク、アラゲハンゴンソウ、オオハンゴンソウ、エゾノキツネアザミ、オニノゲシ、ハルノノゲシ、オオアワダチソウ、ユウゼンギク、ハキダメギク、コウリンタンポポ、セイヨウタンポポ、タンポポモドキ などである。近郊を歩いていて、目に入る野草の半ば以上が帰化植物であると思ってよい程である。中には、ブタクサのように花粉の吸引が喘息(ぜんそく)の原因となって、「ブタクサ公害」と騒がれているもの、アオビエ、ヒメムカシヨモギ、ヒメスイバ、エゾノキツネアザミのように耕地の雑草として厄介(やっかい)視されているものも含まれている。 これら帰化植物の原産地は欧州が最も多く、北米がこれに次ぎ、その他、アフリカ、南米、地中海沿岸、シベリアなど世界各地に及んでいる。適応力が強いので帰化が可能であった種であるだけに、繁殖力は極めて旺(おう)盛なのが普通で、市の郊外、特に湯川方面の住宅地周辺では、オオアワダチソウが他の植物を駆逐して、壮大な群落を形成している場面が目立っている。函館山の尾根筋の車道にも、ハルガヤ、ヒメジョオン、ブタクサ、ヒロハウシノケグサ、カモガヤ、シラケガヤ、オオアワガエリなどが多量に進出し始めている。いずれも、在来の植生を剥(は)いで、帰化植物の侵入に裸地を提供したことが最大の原因と考えられる。
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