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平成28年度 議会運営委員会行政調査

公開日 2018年03月16日

更新日 2021年12月14日

【議会運営委員会行政調査】

  平成29年1月31日火曜日~2月2日木曜日

○大学等との連係

 

 ・1月31日 加賀市調査

 

<所見>

 

・ 産学官連携のノウハウをヒントに、議会事務局が大学と議会の間を取り持って、自治基本条例をつくる条例策定検討委員会にアドバイザーを招き、理念や内容を議論し、条例が作成、施行されたことが連携開始の背景であった。アドバイザーの方が金沢大学法務研究科の非常勤講師をしていたことがきっかけで連携に至っている。議会側としては教授の専門的助言は心強かったとのこと。一年ごとに協定書をとりかわす事によって新たな緊張感が出る。他にも大学があるが、金沢大学大学院法務研究科がベターで、大学全体のバックアップが受けられる状況にあるので、条例だけでなく、常任委員会の調査においても専門的知見が受けられるだろうとの話であったが、当市議会での導入はなかなか難しいと感じた。

 

・ 自治体にとって、大学との連携は大学に集積する知識や情報等を多様な政策目的達成のために活用でき、学生等の参加により地域に不足する若い人材の協力も得ることができる。また、大学にとっても、自治体との連携は研究・教育の機会、学生の社会体験の場の充実、大学の社会的評価の向上などに付与することから広く取り組まれている。
  これらは総務省の「域学連携」地域づくり活動を推進するための事業として取り組まれている。多くは「地域おこし・地域活性化」といった分野での大学との連携であり、とりわけ希少価値の高い地域資源を活用した地域内の大学との連携が多い。自治体側が大学の協力を得ながら地域における政策課題を解決していく姿勢が強く、大学も地域社会とのつながりを深めることに目標をおいている。
  今回の視察は、議会と大学との連携である。加賀市議会が市の条例を策定するにあたって、大学側から連携の話がなされた。大学との連携協定における各常任委員会の目標設定は条例制定で、「犯罪のない安全・安心なまちづくり条例」「いじめ防止条例」「地元の器で地酒で乾杯条例」「災害対策基本条例」の策定の取り組みをしており、大学の教授の専門知識を活用していきたいとのことであった。今後の目標で「まちづくり」や「人口減少」にかかわって提言するのであれば、金沢大学全体がバックアップしてくれることになっている。
  法科大学院は文科省からの補助金の見直しがなされ、金沢大学法科大学院の分配率は低く、評価による加算は大事である。法科大学院となれば、法律に関することが主であり、そういう意味では、条例作成の助言を受けることは議会として大きな一助である。学生にとっては加賀市へのインターンシップや就労体験となり、将来の就職候補先が広がるものと考えられる。函館市は金沢大学のような総合大学は無いが、既存の大学とどのような連携が出来るのか考えてみたい。

 

・ 金沢大学大学院法務研究科との連携では、条例作成時の具体案の提供や意見聴取が主なものとお聞きし、函館地域での大学との連携を考えた時に、加賀市議会の取り組み方法は、なじまないものと思われる。

 

・ 加賀市議会は、金沢大学法科大学院と連携協定を締結し活動をしているが、交流のある大学教授から勧められたことを発端に、大学側にとっても運営にプラスになること、市議会にとっては自分たちの政策課題について協力・助言が得られることなど、双方にメリットがあることから推進されたと受け止められる。
  現在は各常任委員会の目標が条例案作成となっている中で、相手先が法科大学院ということもあり、立法に関することなどは連携協定の中での取り組みに馴染みやすいが、今後、常任委員会で別の目標が設定された場合の対応をどうしていくかが課題のひとつのようであり、連携によって何を実現させるかということは、十分検討しておかなければならないかもしれない。
  当市議会で導入するとした場合、議会として大学(教授・学生)と連携してどのような活動をしたいのか、また、議会活動にどのようなプラス面を反映できるのか、またどこの大学と連携するのかについて、十分な検討が必要ではないかと思われる。

 

・ 金沢大学法科大学院との連携は着実に進められている点は評価できる。ただ、主な活用は、委員会提出の条例を制定する際に教授の知識を借りるというものであり、条例以外の場合にどのような連携をしていくかが課題であるとのお話であった。石川県内に他の高等教育機関があるにもかかわらず、法科大学院との連携しかないので、もう少し連携を広げてもよいのではないか。
   本市には、多数の高等教育機関があり、課題やテーマに応じて幅広く複数の機関との連携を図ることができると思われるので、本議会においては、協定という枠にとらわれずに、まずは、委員会の調査において、テーマごとに大学の教授や講師等と意見交換を行うなど、既存の手法で連携実績を積み上げるところから始めてはどうかと考える。

 

・ 議会活動は行政側が提案した議案の審査にのみになりがちであるが、立法府としての地方議会の役割が大切で、加賀市は議会基本条例を制定し、その具体化として金沢大学との連携で条例、例えばいじめ防止条例などを研究し、制定のため努力し、立法府としての役割を果たそうとしている点は、函館市議会としても今後参考にすべきである。将来的に協定の締結はのぞましいが、現段階では、時期早尚である。まずは連携の第1歩として大学の先生方と懇談を行うところから始めてはどうか。

 

・ 加賀市議会の大学等との連携については、地域貢献や地域活動に取り組む姿勢が、ある種大学の評価の一環になっているという大学側の事情と、法律的な分野での専門的な知識、政策提言等での知見を求めたいという議会側の思いがマッチングした事業だと思われた。もっとも、いきなりこれらの事業に行きついたのではなく、それまでの大学の先生方との個別の連携、交流をもとに発展してきたようだ。いずれにしても、緒に就いたばかりで、その成果云々を言う段階ではないと受け止めたが、互いの活動範囲を広げるという面では意義のあることだと思った。  

 


○議会のICT化

 

 ・1月31日 加賀市調査

 ・2月 1日   関市調査

 

<所見>

 

・ タブレット端末所有は、個人所有か貸与かが課題であり、また理事者側はどうなのか、使用開始はいつ頃をめどにするか など整理すべきことは多数ある。

 

・ 函館市議会の政運協の場で、政務活動費でのタブレットの購入について提起されたが、議会改革の議論と結びつけられず断ち切れになった経緯がある。

 今回の加賀・関、両市議会の視察調査で、全国的にタブレットを導入する議会が多いことを知ったし、導入事例を聞くと、紙で資料を配付することがなくなるので、紙の量を減らせることや、配付の手間がなくなることでのコストダウン、また、資料の更新、差し替えを迅速に行えて、議員がいつでもどこからでも資料を閲覧し、必要な調査ができるなど、職員の手間も省けている。緊急時に執行部側(議会事務局)からの連絡が簡単に、効率的に行え、導入効果は高い。定例会や委員会毎に議案配付され、議員の手元に入るまでを考えれば、手間とスピードは特段に異なるものであり、新たな資料の配付やミスプリントの修正作業も一括で対応ができる。議員個々の仕事の効率も図られるものと考える。
 ICT化を進める上で、タブレットは情報を見る、受け取るには適した機器であり、道具としてはかなり利便性の高いものと実感した。単なる機器の導入でなく議会改革へつながる道具としてとらえた。

 

・ 加賀市議会におけるICT化は、特に問題は発生していないとの事で、函館市議会としても導入できるものと思われる。関市議会でも、特に問題は発生していないとの事で、実際に使用している議員からの話も確認でき、非常に参考となり、函館市議会としても、早期に導入すべきものと思う。

 

・ 加賀市議会におけるICT化については、議案や資料等をクラウドサーバ(Dropbox)を用いて、タブレット端末(iPad)で閲覧する形で運用されている。導入後は、目的とした書類の整理や、事務の効率化、ペーパーレス化が図られている。また、Gメールにより議員への連絡等を行っているが、FAXによる連絡などと比べると迅速化や効率化が図られている。議案や資料等の閲覧について、クラウドサーバに議案や資料がPDFファイル化され格納されているが、閲覧には「i文庫HD」というiPad用のブックリーダーアプリ(電子書籍閲覧用)が使用されている。PDFファイルは、Adobe Acrobat Readerで閲覧するのが一般的だと思われるが、「i文庫HD」で閲覧するようにしたのは、書籍を読むような感覚——ページをめくるなどの動作——で使用できることや、Dropboxとの相性も良いアプリだったため、採用したとのことだった。                          

 関市議会では、タブレット端末の導入によりペーパーレス化を図り、事務の効率化、コスト削減、省資源化を推進するとして、平成24年6月の代表者会議での合意を皮切りに議論・準備が進められ、平成25年の9月定例会からiPadを全議員に配置し、本格導入を実施。
 以降、会議中の使用基準なども随時見直され、また、iPad以外のタブレット端末や個人所有のノート型パソコンの使用を許可するなどの運用状況となっている。議案や資料等の閲覧に加え、カレンダー機能を使って、議会のスケジュールが共有・確認できるようになっているほか、議員のスケジュールも管理可能になっている。 また、議案や資料が紙で配付されていたときには、そこに直接メモ等を書いていた議員もおり、そちらのほうが良いとの声もあったそうだが、タブレット導入後に、スタイラスペンで端末の画面から書き込みができるアプリを活用して、紙媒体に書き込むのと同等の使い勝手を実現させている議員から活用方法の紹介があった。  

 タブレット端末の導入というところから始めるとすると、経費もかかることなので、市民に対しては説明責任を果たすことが求められる。加賀市議会・関市議会とも、市民の反応という点ではそれほど問題はなかったようであるが、省力化・効率化につながることであると同時に、ひいては市民の利益にも資するものとなる取り組みであると受け止めてもらう努力は必要である。

 

・ タブレット端末の導入にあたっては、機種やOS、アプリの選定、また通信環境の整備方法など、いくつか課題があげられる。経費はなるべくかからないことにこしたことはないが、やはり使いやすい、見やすい、そして効率的なものとなること、また、将来的には、すでに一部の議会で実施しているタブレット端末を用いた採決システムなど、より高度なICT化も想定して進めるべきではないか。      

 あとは、タブレット端末の使用にあたって、市民や傍聴者等から誤解を受けることがないよう使用基準といった規程も整備し、しっかり遵守することなど、モラルの徹底を心がけることが重要だと思う。また、当然のことだが、これらの取り組みが単に省力化や効率化の実現にとどまらず、本当の意味での議会改革にもつなげていくことを意識したものでなければならないと思う。

 

・ 足立議員が端的に語った通り、「紙ベースからiPad上に変わっただけで、操作に手慣れてくると、かなり使い勝手のよいシステム」との説明に合点がいった。導入に当たっては、市民の皆様に議会活性化が図られること(議員活動の活性化、議会費の縮減、議会事務局の仕事の効率化等)を丁寧に説明する必要性があるし、個人で所有する端末の持ち込みを許可する制度など、なるべく費用をかけない手法の検討、また、課題や効果、使用ルールなどを整理する必要もあると考える。

 

・ 加賀市、関市ともタブレット化では先進都市で、紙の無駄を省き、効率的な議会活動を進めるためには、今後避けて通ることができない課題である。市議会の議運としても導入の可否や、導入に当たっての課題やルール作りなどを研究する班を設け進めることが望ましい。同時に理事者との連携も検討しなければならないだろう。

 

・ 私はどちらかというと(年代的にもだが)アナログ人間で、生来の面倒くさがり屋と相俟って、パソコンやスマートフォンを持ってはいるものの必要最小限の域に甘んじている。言ってみれば、パソコンはワープロ、スマートフォンは携帯電話の域を超えない程度の使用に過ぎない。たまたま、息子や知人・友人、また、仕事関係の方々からこんな活用方法があるのだと知らされ、その場は感心して対応してもさらに積極的に取り込もうとは思わなかったというのが正直なところである。従って、タブレットの有効性、とりわけ映画等でリアルタイムで情報交換している場面等を観ると、これは凄いと興味を引かれはしても自ら使ってみようとまでは思わなかった。
 今回、議会のICT化に先駆的に取り組んでおられる加賀市議会、関市議会に伺い、具体的にはタブレットを用いた資料活用について、導入経緯も含め、実際の取り組みをご教示願い、前向きに考えていかなければならない時代になってきたのだと思い至るようになってきた。とりわけ、各種資料、議会や行政用資料のほとんどがタブレットに収められ、何時どこでも検索できるというのだから、極めて魅力的に感じられた。私は努めて各種資料等を整理区分しようとしているが、それなりの労力を必要とし、また、後日参考にするために探す際、思わぬ時間を要するなど、非効率のそしりを免れないことがままある。このような事務作業、処理が効率的になるとしたら、その分円滑な議員活動を補完し、結果として市民の利益になるものと思われる。いずれにしても、両市議会とも導入に当たって大きな隘路はなかったようだった。もちろん、経費的な面、活用方法や頻度等、色々と課題はあったようだが、非常に有効なツールと説明されていた。冒頭に触れたアナログ人間にとっては、億劫で恐怖さえ感じられるのも否定できないが、要は「習うより慣れろ」と腹を括るしかないのではと思った。

 

 

 

 

 
 
 
 
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