加古川市では平成19年度に東播臨海広域市町村圏を構成する加古川市(人口約27万人、内農業従事者約4,300人、工業従事者約1万7,000人、商業 従事者約1万8,000人)、高砂市(人口約9万人、内農業従事者約500人、工業従事者約1万4,000人、商業従事者約6,000人)、稲美町(人口 約3万人、内農業従事者約3,000人、工業従事者約5,000人、商業従事者約40人)、播磨町(人口約3万5,000人、内農業従事者約100人、工業従事者約5,000人、商業従事者約60人)の2市2町で、ごみ処理広域化の検討を開始した。 平成22年度に「ごみ処理広域化実現可能性調 査」を実施した結果、経費削減効果では、施設建設費で−118億円(−35%)、収集運搬費(15年間)で+42億円(+24%)、維持管理費(15年 間)で−114億円(−39%)の計−190億円(−23%)、環境負荷見込では、二酸化炭素排出量が−7%、ダイオキシン類発生量で−90%が低減可能 との調査結果となり、経費削減と環境負荷の低減が見込まれるとして、平成22年12月に2市2町がごみ処理の広域化に参画する意思を表明、その後、平成 23年度にごみ処理広域化基本計画を策定した。 平成25年2月に、施設設置場所を高砂市に決定。平成26年2月にごみ処理方式を、可燃ごみ施設では「スト−カ焼却方式+セメント化又は埋め立て処分」、不燃・粗大ごみ処理施設では「低速回転破砕機+高速回転破砕機+選別機」を選定し、平成26年3月にごみ処理施設整備基本計画を策定した。 平成26年12月、地方自治法第252条の14の規定による広域処理の事務委託について2市2町で 各々議決、平成27年2月に、ごみ処理施設運営方式を「公設民営方式」に決定し、平成27年4月、高砂市が他市町から広域ごみ処理事業に係る事務を受託し設計などの事務を進め、平成34年度からの稼働を予定しているとのことだった。 加古川市としては、2市2町の核となる市として、必要な面積を確 保することができる市内20か所の候補地を選定の上、山間部や公共施設跡地など用地確保の容易な候補を10か所に絞り込み、最終的には住宅との近接状況や 下水道整備状況、車両通過進入路の整備状況、活断層の有無などを考慮し更に3か所に絞り込んだが、地域住民の合意に至るには難しいものがあり、他方、高砂市は、前述のとおり工業従事者が多いことでもわかるが、工業地帯でもあり、現処理場の隣接地も関西電力の所有地であったことから、施設拡大も容易なものがあり、高砂市での設置が決定できたとのことだった。 函館市で広域処理を行うと考えた場合、設置場所の選定、面積の広さからの収集運搬費の増大、災害時のごみ処理方法の確保等、さまざまな問題が考えられ、広域処理はかなり難しいものと思われる。 なお、広域処理を実施するか否かにかかわらず、函館市では処理施設の更新を計画中ではあるが、設置場所の選定に当たっては、地域住民の合意等を考慮すると、現場所での建て替えも一つの案とは思われる。
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